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Workdayの特徴及び導入時の詳細論点

所要時間:約5分

2023/03/10

テクノロジーコンサルティング本部 エンタープライズアンドインダストリー ワークデイビジネスグループに所属しているLiuとRenです。

近年大手企業のグローバル事業展開が進んでいる中、人財のグローバルマネジメントニーズの拡大が加速していると同時に、HRトランスフォーメーションに対する関心度が高くなってきます。

HRトランスフォーメーションを成功に実現するには、戦略にアラインした組織機能・構造や管理体制の定義、成果創出に寄与する管理プロセスの策定と導入、戦略をエネーブルする基盤システムの整備、戦略を牽引する人財獲得・働きやすい環境の作りなど、多角度からアクションし、改革を推し進める必要があります。

本稿ではHRトランスフォーメーションの実現を支え、人事戦略をエネーブルできるシステムWorkdayについて以下の内容を紹介します:

・Workdayの特徴

・Workdayグローバル導入時の論点

まずはWorkdayの特徴について紹介します。

Workdayは、単一の基盤上で人事領域における人事マスタの構築、人財情報のリアルタイムの収集、会社標準業務プロセスの定義など様々なニーズに応えることができます。会社が求める組織・職務・報酬情報と、従業員の持つスキル・経験などの情報を人事管理からタレントマネジメント、分析まで、HRトランスフォーメーションに不可欠な機能を備えたソリューションです。

Workdayの特徴
Workdayの特徴

※出典:Workday社

クラウドソリューションの強みである常に進化するテクノロジー(AI・Analyticsなど)に追従し、下記のような新しい機能・サービスが都度提供されます。

・ベンチマークデータの提供。Workdayは世界中の2,700企業グループ、計3,100万人のデータもとを匿名化し提供、自社データとの比較を可能にします。国ごと、職務プロファイルごとの離職率、報酬情報、システムの利用状況等はこのベンチマークデータからアクセスでき、業界トレンドを把握しながら自社に適切な人財マネジメントモデルを開発できます。

・Advanced Analytics。単一基盤のおかげで発令情報、タレント情報、勤務情報や財務支出情報などはすべてリアルタイムで同じシステム内で抽出、分析できます。さらにシステム内に蓄積されたデータをベースに従業員のキャリアパス分析、離職リスク分析、適切なラーニング研修のリコメンデーションなどができ、HR管理のみのシステムではなく、従業員およびマネージャが活用できるCompany wideのシステムです。

Advanced Analytics
Advanced Analytics

・Botとの連携。チャットBotを介しての最新人財データへのアクセス、データ検索を可能にしています(現在は英語対応のみ)。

Botとの連携
Botとの連携

※出典:Workday社

Workdayのデータモデルは、従業員に全てが紐づく従来型システムとは異なり、組織構造の一部であるポジションやビジネス遂行に必要な職務/職務プロファイルの定義がなされた上で、従業員情報と紐づけるのが特徴です。これにより、様々な視点でのデータが容易に抽出でき、分析・モニタリングが可能です。

Workdayのデータモデル
Workdayのデータモデル

次はWorkdayグローバル導入時の論点及び他社方針事例について紹介します。

Workdayをグローバル導入する際、組織・職務・報酬・セキュリティ・レポーティングなどについて検討し、自社業務ニーズをベースに会社共通のビジネスプロセス・オペレーションルールを先行して決めると、導入プロセスをよりスムーズに進行することができます。

業務設計領域の論点は以下に整理されます:

・組織:レポートラインはどのように定義するか、監督組織・マネージャロールの持ち方、グローバルで管理する事業地階層についての方針、人件費管理を実施する粒度、原価センターの持ち方及び必要なロールの設計。

・職務:事業を推進するうえで必要な職種・職務の検討、各職種に必要な能力基準の検討、職種・職務をブレークダウンして、個人に割り当てる職務プロファイルの検討。

・報酬:各国の職務グレードをどのグレードに割り付けるか確認、広義の人件費の定義について方針決定。

・セキュリティ:組織におけるヒエラルキーやHR/マネジャー、各ロールの情報閲覧範囲や権限設定について方針決定。

・レポーティング:グローバルでモニタリングするダッシュボードとレポートの検討。

・人員配置:直接員に関するWorkdayの活用方法について方針決定、非常勤役員・取締役の管理を実施するか方針決定。

・ビジネスプロセス:Workdayの導入にあわせ、異動起案に関わる決裁基準やルールの見直しを実施するか方針決定、マネジャーが異動起案を利用するタイミングの決定。

・データ:各国におけるデータの取り纏めの責任者の設置(各国データリード間のコミュニケーションの検討)。

・オペレーション:グローバルにおける最適な運用に対する基本ポリシーの方針決定(大量データアップロードツールの利用ルール等)。

アクセンチュアのWorkday導入経験から、各業務設計領域の論点についての方針の事例を以下にまとめております:

業務設計領域とプロジェクト方針についての他社事例
業務設計領域とプロジェクト方針についての他社事例

各社は自社独自の人事ニーズが存在し、特にシステムをグローバルに展開しようとする際

√ 従来システムの組織モデルをどのように改革するか、

√従業員データをどの粒度で管理・制御すべきか、

√ビジネスプロセスに対して各リージョンの要件をどう取りまとめ、Workday本来の機能とどのようにアレンジするか

など、様々な課題を予測できます。Workdayのグローバル導入を検討する際、ぜひ上記ご紹介した論点と他社の導入方針事例を参考にしていただければ幸いだと考えております。

筆者

劉 隽玮

テクノロジー コンサルティング本部 エンタープライズ & インダストリー ワークデイビジネスグループ  シニア・マネジャー