世界を突然襲った新型コロナウイルス(COVID-19)感染症は、急速な拡大を続けています。従業員の暮らしと健康に配慮しつつ、消費者に質の高いサービスを提供し続けるため、企業は未知の課題に迅速に対処する必要があります。顧客接点の最前線であるコンタクトセンターでは、事業全体の中でセンターが果たすべき役割と機能、従業員の就業場所、増大する問い合わせに対応するためのデジタルチャネルの確立、問い合わせ応対時の質の高い顧客体験(CX)の提供など、様々なアプローチを再検討する必要があります。従業員をサポートしつつ、消費者の信頼を獲得、維持し続けるために、企業はインサイトに基づく迅速な意思決定と行動が求められています。

先行きが不透明な現状に対する恐れや苛立ちなど、消費者や企業が抱く感情が、課題をより複雑化し新たなリスクを生み出します。しかし、不確実性、恐怖、不満といった消費者の感情は企業にとって新たな機会と捉えることもできます。消費者の心情に寄り添ったカスタマーサービスを提供することで、終息後に、企業の好感度や顧客ロイヤルティは大幅に向上するでしょう。その一方で、問い合わせがつながらない、回答が要領を得ない、思いやりに欠ける応対などの体験をした消費者によるネガティブな反応が引き起こされることも想定できます。

危機的状況下ではコンタクトセンターの役割は極めて重要になります。多くの場合、緊急性が高く複雑な問題が生じた際に、消費者は直接会話しながら解決したいと考えています。

57%

消費者の57%が、カスタマーサポートを利用する際の最初のコンタクトで柔軟なコミュニケーションを図るために有効なチャネルとして、「電話」を挙げています。消費者は企業のカスタマーサービスで、問い合わせに対する納得のいく説明や回答、直接交渉する機会などが適切に提供されることを希望しています。

58%

消費者の58%が、カスタマーサポートの複数の問い合わせチャネルのうち、緊急の問題についての問い合わせは「電話」によるサポートを希望しています。

しかし、急増する問い合わせに十分に対応できる体制を常に整えている組織はほとんどありません。現在のCOVID-19のパンデミックでは、急増する問い合わせへの対応力強化と、従業員保護のための在宅勤務への速やかな移行という2つの対応を企業は同時に展開する必要があります。相反する課題に並行してかつ早急に対処しなくてはならないという前例のない状況に企業は直面しているのです。

コンタクトセンターの急激な負荷増大に対処しつつ、カスタマーサービスを担う従業員の安全を確保するという緊急かつ複雑な課題に直面し、企業はどのように行動すべきか頭を抱えています。

  1. 電話がつながるまでの待ち時間を短縮して消費者の苛立ちを軽減するにはどうすればよいか?
  2. 平均待ち時間を短縮するために、電話以外のチャネルに消費者を誘導するためには何をすればよいか?
  3. すぐに自動化すべき対象はは何か?
  4. デジタルチャネル強化をどのように実現すべきか?
  5. 在宅勤務の従業員をどのように管理すればいいのか?
  6. 在宅勤務でもサービスの質と業務の生産性を落とさず維持するために何をすべきか?
  7. 在宅勤務者向けに必要なツールや安全なネットワーク環境を拡張しアクセスできるか?
  8. 消費者、従業員それぞれの信頼を維持するために取るべき対応は?

これら全ての問いは非常に難しい課題であり、取り組みが失敗に終わるリスクも平時より高くなります。それでも、従業員を目の前の危機から守りつつ、消費者に質の高いサポートを提供するコンタクトセンターの運用を継続するために、企業は今すぐに行動することができます。

組織固有の状況に合わせて様々なアプローチが考えられますが、いずれも適切に実施することで、COVID-19のパンデミックによって生じた緊急のニーズに効果的に対処できるとともに、企業イメージと顧客ロイヤルティ向上などの長期的なメリットを実現できます。

COVID-19のパンデミック下に取るべき対応として、アクセンチュアは、コンタクトセンターの3つの重要な業務領域で、デジタルを活用した施策の実施を推奨します。

  1. 新しい働き方の確立:コンタクトセンター、リモートアクセス
    効果的なリモートワークをサポートするために必要な基盤、管理体制、業務プロセスを速やかに構築します。
  2. コンタクトセンター管理の改善:データ、ワークフロー、アナリティクス
    データとアナリティクスを活用し、消費者のニーとサポートに対応するための俊敏性と応答性を備えた適切なアプローチを策定します。問い合わせの重要度と優先順位を決めて、優先度の高いニーズから対応し、優先度の低い問い合わせはデジタルチャネルに誘導するようにします。
  3. サービス拡張と自動化:バーチャルエージェント
    COVID-19に関する問い合わせや通常時の突発的なリクエストの増加に対応できるよう、バーチャルエージェント機能を導入または拡張します。

新しい働き方の確立:コンタクトセンター、リモートアクセス

コンタクトセンターでは数百人あるいは数千人規模の従業員がCOVID-19の感染リスクが極めて高い閉じられた空間で働いており、企業には従業員の在宅勤務への速やかな移行を実施する責任があります。在宅勤務への移行は職場におけるCOVID-19の感染とクラスター発生を防ぐ最善の方法ですが、企業にとってこれほど大規模な在宅勤務による働き方は未知の領域となり多くの問題が生じます。

エラスティック・デジタル・ワークプレイスによる不確実な時代のビジネス生産性」でも述べたとおり、在宅勤務の実現には技術、プロセス、人材などの様々な課題を解決する必要があります。

在宅勤務モデルの要となるのが適切かつ安全なセキュリティ技術です。一貫した従業員エクスペリエンスを生み出すためには、自宅の作業環境をオフィスの作業環境に可能な限り近づけなければなりません。ネットワーク基盤に対する需要はかつてないほど重要になるため、企業は業務の停滞や途絶を招く恐れのある分散ネットワーク環境の障害への対策を検討し、障害発生時にも即時対応できるよう準備する必要があります。

テクノロジーだけではなく、人材やプロセスに関する課題にも対応しなければなりません。従業員が新しい働き方に速やかに慣れるように、新しい技術、プロセス、方針、コラボレーションツールの利用などに関するバーチャルトレーニングや変更管理プログラムを用意しましょう。また、新たな分散環境での生産性と有効性を維持するために、コラボレーションの新たな手法とルールを明確に定義することも重要です。

従業員の保護の対応は、事業継続および消費者サービスを維持するための活動とバランスを取りながら慎重に進めなければなりません。企業は今、誰もが経験したことのない状況にあることを十分に理解し、家族や子どものケア、心身の健康管理など、従業員ごとに異なる事情や懸念事項に丁寧に対応していく必要があります。消費者の問い合わせ増加に伴い急増する業務量に対処できるよう、規模の大小にかかわらずオペレーターのシフトと配置にはデリケートなバランス感覚が求められます。

インフラの構築: 業務を停滞させることなく安全な在宅勤務環境を作るため、ネットワークアクセス環境、ソフトウェアライセンス、ノートパソコンなどを含めた技術インフラを構築、確立します。

管理システムの改善: 管理システムを改善するために、問い合わせのルーティングを最適化し、新たに補助システムをシナリオに追加した「ゼロトラストネットワーク」モデルを採用して、エンドツーエンドのセキュリティを実装します。

従業員のケア: 従業員をケアしサポートするために、新しい働き方の教育ニーズを分析し、コミュニティーやコラボレーション機能を利用した会話やミーティングを通じて、新しい働き方における従業員の行動変容と業務プロセスの改善を促進しましょう。

業務プロセスの刷新: 明確なポリシーを適用して、社内スケジュールや業務プロセス、評価基準を刷新するとともに、一般公開している企業情報にも速やかに変更を反映し、企業方針を示します。

現時点で、在宅勤務モデルへの移行を完全に、または部分的に実施している企業は、事業の混乱と停滞を最小限に抑えてサービスを提供し続けることができます。収益損失をできる限り減らし、従業員と新たな次元の信頼関係を構築することで、パンデミック終息後の世界でも、成長企業として進化し続けることができるでしょう。


コンタクトセンター管理の改善:データ、ワークフロー、アナリティクス

猛威を振るうCOVID-19による影響が拡大している今こそ、刻々と変化する消費者と従業員のニーズを予測し正しい意思決定をするためにデータをフル活用すべき時です。デジタル技術と、従業員および業務を管理するための俊敏なアプローチを組み合わせて運用することで、先が見えない不透明な状況下でも消費者ニーズにより効果的に対応できるコンタクトセンター運営を継続できるようになります。

過去データや公開データを活用してパターンを見つけ出し、コール予測に速やかに反映しましょう。過去に非常事態が発生した際の時期や背景、消費者人口の統計や地理情報、企業の行動が消費者に与える影響や反応、コミュニケーションのタイミング、他地域のCOVID-19に関する問い合わせ傾向、関係者から報告される情報、一般公開されているデータ(商品供給や地域サービスの変動情報、自治体や政府が発行している最新のガイダンス)などのデータを用いて予測分析します、。こうしたデータを活用した需要予測分析によって、待機要員を効果的に活用できます。需要の予測分析を行い高度な運用を実現するためには、組織内の新たなコラボレーションの構築が不可欠です。

予測分析アプローチは要員配置の判断にも適用できます。労働人口の統計情報、学校・保育園の閉鎖状況などの要因が従業員の勤務状況に影響してきます。COVID-19のパンデミックの拡大状況や終息時期などに関する公式情報を自組織の予測分析に取り入れ、要員配置計画と現実とのギャップを事前に把握して調整できるようになります。

需給予測と迅速なカスタマーサービスをバランスよく両立させるために、可能であれば仮想コマンドセンターを立ち上げるのが望ましい。営業、マーケティング、カスタマーエクスペリエンス、人事、コンタクトセンター運営責任者、ワークフォース管理、報告・アナリティクス、技術およびネットワークの各部門の代表とデータサイエンティストを招集し、メンバー全員が連携して共有すべき社内データと社外の関連データを特定します。消費者に影響を与える今後の事業活動、消費者からの日々の問い合わせ傾向、業界や市場の動向、ソーシャルメディアで話題のトピックや消費者感情の変動などについて、関係者全員が同レベルの認識とインサイトを共有することが重要です。

コマンドセンターは、臨機応変に組織を再編成し、業務の引き継ぎをスムーズに行うためのインサイトを提示して、コンタクトセンターの需給バランスを適切に管理するために指揮します。また、一日を通して、コンタクトセンターの需給予測をモニタリングし、予測されるシナリオと最悪のシナリオにコンタクトセンターが対処できるように、適時インサイトを最新情報に更新します。

事業への影響の軽減とともに、従業員に対する配慮も非常に大切です。パンデミックによる業務停止や働き方の変化が従業員の精神面に及ぼす影響を十分に考慮すべきです。最適なカスタマーサービスを提供し続けるために、従業員の生活環境の負担を低減するためのいくつかの対策が必要となる場合もあります。従業員に常に最新情報を提供する、消費者に影響を与える業務変更について綿密に報告し合う、従業員の労をねぎらい十分に感謝を伝えるなどのコミュニケーションを強化する対策などが含まれます。

緊急かつ重要な問い合わせの優先対応: コンタクトセンターのオペレーターは緊急かつ重要な問い合わせを優先対応し、緊急ではないものの重要な問い合わせはコールバックアシストなどのツールで対応します。アナリティクスを活用して要員計画を速やかに策定し、IVRメニューや応答メッセージの変更、既存の電話応対プラットフォームの優先順位決めと呼分配ロジックの調整などを行います。

サポートチャネルを開設または強化: 問い合わせの振り分け先となるサポートチャネルを開設または強化します。サポートチャネルに誘導できそうな問い合わせを特定し、電話がつながるまでの待ち時間に応答メッセージでFAQを提供することで、消費者自身が問題を解決できる場合もあります。また、応答メッセージを通してデジタルチャネル、非同期メッセージング、バーチャルエージェントなどの他チャネルに消費者を誘導することも可能になります。

ワークフォース活用方法の見直し: 問い合わせ前後の消費者ニーズの適切な組み合わせを検討して、インバウンドとアウトバウンド業務でオペレーターのシフト変更を柔軟に行うなど運用モデルを一時的に変更しながら、パンデミックの状況変化の各段階で消費者が期待するコミュニケーションに対応していく必要があります。

従来とは異なる業務体制: 画像、チャット、ビデオチャットなどの様々なコラボレーションツールを活用して仮想フィールドサービスを用意します。その上で、ポリシーの変更を反映した詳細なガイドやヘルプの更新と積極的な情報発信を通じて、従来とは異なる方法で業務を継続できるようにします。


事業への影響を最小限に抑えるとともに、最優先すべきは従業員への配慮を徹底することです。パンデミックの影響下にある従業員を理解し、家庭や様々な事情による心理的、経済的負担が原因で、従業員の健康はもちろん、カスタマーサービスの最適な運営に支障をきたすことのないように留意します。従業員には常に最新情報を周知し、消費者に影響する日常業務の変更などを綿密に報告し合い、一日の終わりには従業員の労をねぎらい心からの感謝を伝えていくべきです。


サービス拡張と自動化:バーチャルエージェント

新型コロナウイルス(COVID-19)危機以前は、カスタマーサービスでは「問い合わせがないことが最高のサービスの証し」と言えました。問い合わせの必要が生じた際に、消費者自身が問題を解決する場合、さらには自分自身で問題を解決できた場合、顧客満足度は最も高まり、コンタクトセンターの運用コストは最小化します。

現在、一部の業界ではCOVID-19に特化した新しい問い合わせが急増していることもあり、過去最高の問い合わせ件数が記録されています。問い合わせの増加はCOVID-19に直接関連する業界だけにとどまりません。日常生活の混乱が続く中、支払い期限の延長、旅行のキャンセル、料金の滞納、失業手当、株式に関する問い合わせなど、様々な業界で緊急度の高い問い合わせが激増しています。

そんな中、カスタマーサービスの人工知能(AI)チャネルの重要性が高まっています。AI分野に対して未成熟な組織がAIを活用するためにはどうすればよいでしょうか。問い合わせが急増する一方でコンタクトセンター運営が危機に直面している今こそ、AIを導入して人間と機械の役割分担によるマルチスピードを実現すべき時です。AI技術を用いたバーチャルエージェントは即座に消費者にオンデマンドサービスを提供します。AIによる会話応対を通じて、人間のオペレーターによる応対時と同等のサポートを提供し、消費者一人ひとりのニーズを理解して対応することができます。既成の仮想ソリューションを利用することで、組織のAI成熟度にかかわらず、バーチャルエージェントを活用して、激増する問い合わせ件数の負担を軽減することができます。

バーチャルエージェントプログラムをすでに導入している組織は、AIを利用したサポートメニューのさらなる拡大を図るべきです。

  • バーチャルエージェントの拡張: 緊急性が高く優先すべき問い合わせに24時間365日対応できるよう、既存のバーチャルエージェントを拡張します。人間のオペレーターによる労働力を最も複雑で重要な問い合わせに集中させ、それ以外の全ての問い合わせに自動化で対処できるようにすることが重要です。
  • COVID-19専用のバーチャルエージェントを公共サービス向けに導入実績あり: 新しい問い合わせの傾向を定義の上、既存のソリューションを拡張し、急速に変動するパンデミックの状況とサービスコンテンツの整合性を確保して運用しています。

バーチャルエージェントプログラムが未導入の組織でも、早急に実施できる対策があります。

  • 一方向のバーチャルエージェントの導入: 最も重要な問い合わせにフォーカスした情報提供に限定したシンプルなサービスから始めるとよいでしょう。既成のバーチャルエージェントソリューションを提供しているベンダーとパートナーシップを締結して迅速なサービス化を成功させる必要があります。
  • 新しいバーチャルエージェントの効果を最大化する: コーディング不要で優先度などを設定でき、フェデレーションまたはブローカーボットのモデルとモジュール設計を重視したオープンアーキテクチャを採用することで、新しいバーチャルエージェントの効果を最大化します。

カスタマーサポートを強化するAIバーチャルアシスタントに加え、問い合わせの需要に対応し、顧客体験(CX)の向上にも有効なAI ヒューマンアシスト機能も、短期間で実装できる効果的なサービスです。AI ヒューマンアシスト機能を実装することで、電話問い合わせのトラフィックをチャットに変換し自動的にデジタルの専門家窓口にエスカレーションすることができ、コンタクトセンターにおける消費者の問題解決能力を飛躍的に高めることができます。AIがサポートするデジタルエージェントを利用することで、安定した会話サービスを提供できるとともに新しいトピックの検出が容易に行えるため、必要な最新情報をリアルタイムで活用できるようになります。


組織が今すぐやるべきこと、次にやるべきこと

新型コロナウイルス(COVID-19)危機の影響は日々拡大しており、変わりゆく状況に合わせてガイダンス、制約、方針も継続的に調整、更新していく必要があります。意思決定の遅れが、消費者、従業員、事業に重大な影響を及ぼすため、「時間」は極めて重要です。

リモートコンタクトセンターを迅速かつ効果的に構築するためには、今すぐ次の行動を開始する必要があります。

  1. 新しい働き方の確立:コンタクトセンター+リモートアクセス
    全ての課題が極めて困難で大きなリスクが伴うことを十分に理解した上で、リモートコンタクトセンターモデルの導入を成功させるためには、今すぐ以下の取り組みを優先的に始めることを推奨します。
    • インフラの構築: 業務を停滞させることなく安全な在宅勤務環境を作るため、ネットワークアクセス環境、ソフトウェアライセンス、ノートパソコンなどを含めた技術インフラを構築、確立しましょう。
    • 管理システムの改善: 問い合わせルーティング構成を最適化し、新たに補助システムをシナリオに追加した「ゼロトラストネットワーク」モデルを採用して、エンドツーエンドのセキュリティを実装します。
    • 従業員をケアしサポート: 新しい働き方の教育ニーズを分析し、コミュニティーやコラボレーション機能を利用した会話やミーティングを通じて、新しい働き方における従業員の行動変容と業務プロセスの改善を促進します。
    • プロセスの変更: 明確なポリシーを適用し、社内スケジュールや業務プロセス、評価基準を刷新するとともに、一般公開している企業情報にも速やかに変更を反映し、企業方針を示します。
  2. コンタクトセンター管理の改善:データ、ワークフロー、アナリティクス
    COVID-19 のパンデミック終息までの間に、消費者ニーズに対応するために企業が取るべき主要な取り組みを紹介します。
    • 緊急性の高い問い合わせの優先対応: コンタクトセンターのオペレーターは緊急かつ重要な問い合わせを優先対応し、緊急ではないものの重要な問い合わせはコールバックアシストなどのツールで対応します。アナリティクスを活用して要員計画を速やかに策定し、IVRメニューや応答メッセージの変更、既存の電話応対プラットフォームの優先順位決めと入電の分配ロジックの調整などを行います。
    • サポートチャネルの開設および強化: サポートチャネルに誘導できそうな問い合わせを特定し、電話がつながるまでの待ち時間に応答メッセージでFAQを提供することで、消費者自身が問題を解決できる場合もあります。また、応答メッセージを通してデジタルチャネル、非同期メッセージング、バーチャルエージェントなどの他チャネルに消費者を誘導することも可能になります。
    • ワークフォースの見直し: 問い合わせ前後の消費者ニーズの適切な組み合わせを検討して、インバウンドとアウトバウンド業務でオペレーターのシフト変更を柔軟に行うなど運用モデルを一時的に変更しながら、パンデミックの状況変化の各段階で消費者が期待するコミュニケーションに対応できるよう準備する必要があります。
    • 従来とは異なる方法で業務を継続:画像、チャット、ビデオチャットなどの様々なコラボレーションツールを活用して仮想フィールドサービスを用意し、ポリシーの変更を反映した詳細なガイドやヘルプの更新と積極的な情報発信を通じて、従来とは異なる方法で業務を継続できるようにします。
  3. サービスの拡張と自動化
    バーチャルエージェント ― バーチャルエージェントプログラムをすでに導入している組織は、AIを利用したサポートメニューのさらなる拡大を図りましょう。
    • 既存のバーチャルエージェントの拡張: 緊急性が高く優先すべき問い合わせに24時間365日対応できるよう、既存のバーチャルエージェントを拡張します。人間のオペレーターによる労働力を最も複雑で重要な問い合わせに集中させ、それ以外の全ての問い合わせに自動化で対処できるようにすることが重要です。
    • COVID-19専用のバーチャルエージェントを公共サービス向けに導入実績あり: 新しい問い合わせ傾向を定義して既存のソリューションを拡張し、急速に変動するパンデミックの状況とサービスコンテンツの整合性を確保して運用しています。

    バーチャルエージェントプログラムが未導入の組織でも、早急に実施できる対策があります。

    • まずは一方向のバーチャルエージェントを導入:最も重要な問い合わせにフォーカスした情報提供に限定したシンプルなサービスから始めるとよいでしょう。既成のバーチャルエージェントソリューションを提供しているベンダーとパートナーシップを締結して迅速なサービス化を成功させる必要があります。
    • バーチャルエージェントの効果の最大化: コーディング不要で優先度などを設定でき、フェデレーションまたはブローカーボットのモデルとモジュール設計を重視したオープンアーキテクチャを採用することで、新しいバーチャルエージェントの効果を最大化します。
    • AI ヒューマンアシストの開発: カスタマーサポートを強化するAIバーチャルアシスタントに加え、問い合わせの需要に対応し、顧客体験(CX)の向上にも有効なAI ヒューマンアシスト機能も、短期間で実装できる効果的なサービスです。AI ヒューマンアシスト機能を実装することで、電話問い合わせのトラフィックをチャットに変換し自動的にデジタルの専門家窓口にエスカレーションすることができ、コンタクトセンターにおける消費者の問題解決能力を飛躍的に高めることができます。AIがサポートするデジタルエージェントを利用することで、安定した会話サービスを提供できるとともに新しいトピックの検出が容易に行えるため、必要な最新情報をリアルタイムで活用できるようになります。

必要な機能を全て実装したら、次に長期的な取り組みにフォーカスして行動していく必要があります。

  • デジタル成熟度に合わせて機能を拡張:一日で全ての機能を実装することはできません。アクセンチュアがコンタクトセンターのアナリティクスやバーチャルアシスタントを導入した全ての事例では、MVP(Minimum Viable Product:実用化された最小限の製品)ソリューションを最初に導入し、運用しながらフィードバックをもとに時間をかけて進化、拡張しています。まずは行動することが最も重要です。行動することで目覚ましい進化がもたらされます。継続的な学習というゲームに挑み完全攻略を目指していくことが重要です。
  • 未来のイメージを塗り替える:現在の環境は今後のトレンドを形作ることになります。パンデミックの終息後はサステナビリティと進化を事業の一部として捉え、危機下に構築したビジネス機能を継続的に拡張していく必要があります。緊急の短期的な課題だけでなく、長期的な事業戦略に沿った選択肢を優先することで、長期にわたって持続可能かつ革新的なソリューションを創出できるようになります。

新型コロナウイルス(COVID-19)危機下の取り組みは、コンタクトセンターにけるオペレーターの機敏さ、問い合わせチャネルの選択、リアルタイムの従業員管理、AIバーチャルエージェントの普及など、様々な領域で未来の顧客体験(CX)の高度化を加速するでしょう。パンデミックの終息時期は専門家にも予測することはできません。組織のリーダーは短期的な状況の変化に備えつつ、長期にわたるシームレスな運用変更を可能にする新たな機能と働き方を確立する必要があります。

情報は最新の状況に応じて随時更新します。定期的にご確認ください。


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