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調査レポート

タレント・リインベンターズ:AI時代における、人とともに実現する価値創出

急速に変化する世界で価値を創出するためには、組織の人材マネジメントの在り方を抜本的に見直すことが求められます。

10分(読了目安時間)

2026/03/16

概略

  • 人材を取り巻く新たな時代。人とテクノロジーがともに進化することで、真の価値が創出されます。

  • リーダーを際立たせる6つの特性。調査により、タレント・リインベンターズ(人材再創造企業)が飛躍的な成果を生み出すための要件が明らかになりました。

  • 人とAIがともに成長する。タレント・リインベンターズは人間の創造力を最大化し、人とAIが調和しながら進化することを促進します。

人材を中核に据えた価値創出

急速に変化する世界で価値を創出するためには、組織の人材マネジメントの在り方を抜本的に見直すことが求められます。先進企業は、人とテクノロジーがともに学び、成長し、持続的に価値を生み出せるよう、働き方そのものを変革しています。アクセンチュアの調査によると、タレント・リインベンターズは2025年時点で、同業他社と比較して売上成長率で1.8ポイント、利益成長率で1.4ポイント高い成果を達成しています。

すでに18%の企業が、AIの導入と人材を重視するアプローチの両立を実現しています。

タレント・リインベンターズを際立たせる要因

アクセンチュアの調査によると、タレント・リインベンターズは、共通の目標に基づき、業務と人材の在り方を再構築する独自の人材戦略を有しています。この戦略はデータとAIによって支えられていますが、その本質は極めて人間中心的です。すなわち、業務の内容と進め方そのものを再定義し、それとともに人材の成長を促進することにあります。これにより組織は、どの業務に注力すべきか、今後重要となるスキルは何か、そして人とテクノロジーがどのように相互に価値を高め合えるかについて、これまでにない可視性を得ることができます。

これは単なる理論ではありません。このレポートは、20の業界と12の市場にまたがる1,300名の経営幹部と、4,500名の従業員を対象とした最新のグローバル調査に基づいています。組織がどのように業務の再定義を進めているのかを明らかにするとともに、未来の人材基盤を構築し、卓越した成果を実現するために、タレント・リインベンターズが共通して備える6つの特性を提示しています。

タレント・リインベンターズに共通する6つの特性

組織によって状況は異なりますが、本調査におけるタレント・リインベンターズはいずれも、以下の特性を組み合わせて備えています。

タレント・リインベンターズは、人材・テクノロジー・ビジネス戦略にわたる「価値」の定義を統一し、組織全体を一つの方向へと導きます。その結果、人材に関する意思決定の精度が向上し、成長や生産性において測定可能な改善が実現されるとともに、従業員はスキル向上や変化への適応に向けた意欲を高めます。

96%

タレント・リインベンターズの96%が、テクノロジーとAIを完全に統合した人材戦略を有しています。

タレント・リインベンターズは、AIを活用したデータ基盤の上にチーム・インテリジェンスを構築することで、チームのウェルビーイング、スキル、パフォーマンスをリアルタイムで可視化しています。これにより、従業員のニーズを的確に把握し、継続的な変革に対応したコミュニケーションを設計するとともに、人材が適切に評価・報酬される支援的な組織風土を醸成しています。さらに、AIが生成するインサイトを活用することで、最適なアサイン判断、リスクの早期検知、オープンな対話の促進が可能となり、より強靭で適応力の高いチームの構築につながっています。

わずか19%

AIを活用した適応力の高いチームで働く従業員はわずか19%にとどまっており、多くのチームではAIと効果的に協働するためのツールや習慣、明確な指針が十分に整っていません。

タレント・リインベンターズは、AIを活用して従業員のスキルや関心を動的かつ継続的に更新するインベントリを構築しています。この可視性により、リーダーは人材と機会を精緻にマッチングさせることが可能となり、従業員のキャリア成長を促進します。その結果、変化に迅速に対応できるレジリエントな組織が実現し、従業員エンゲージメントの向上、社内採用の拡大、そして実質的なキャリア成長につながっています。

16.5倍

タレント・リインベンターズは、AIに基づく動的なスキルデータを人材管理システムに組み込める可能性が、他社と比べて16.5倍高くなっています。

Co-learningは日常業務に組み込まれており、人とAIが継続的に学び合い、適応しながら進化していきます。あらゆる業務上のやり取りが能力開発の機会となり、個人・チーム・AIシステムのそれぞれを強化します。タレント・リインベンターズは、実験と成長を重視する文化を醸成しており、リーダー自らが好奇心と心理的安全性を体現することで、継続的なスキル開発を業務の中で当たり前かつ価値あるものとして定着させています。

わずか25%

AIを活用したツールにより、リアルタイムのナッジ(行動喚起)やパーソナライズされたコンテンツを提供し、学習を組織風土および業務プロセスに組み込んでいる企業は、わずか25%にとどまっています。

再創造は、本質的に人間中心の取り組みです。タレント・リインベンターズは、テクノロジーと主体的に向き合い、人材とデータを戦略的資産として捉え、従業員が潜在能力を最大限に発揮できるよう導くリーダーを惹きつけています。また、信頼・インクルージョン・好奇心を重視する組織風土を構築し、AIを活用して人材育成や意思決定の質を高めるとともに、従業員が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を実現しています。

わずか19%

リーダーへの期待に大きな変化はないと回答した従業員は、わずか19%にとどまっています。

タレント・リインベンターズは、AIを活用した人材計画により、将来必要となる役割やスキルを予測し、従業員一人ひとりにとって意義のあるキャリアパスを設計しています。パフォーマンス、スキル、従業員の志向に関するデータを活用することで、個々に最適化された成長機会を提供し、自信と帰属意識の醸成につなげています。これにより、従業員は自身のキャリアの道筋を明確に描き、組織とともに成長することが可能となります。

50%以上

従業員の50%以上が認知的負荷の高さを感じているほか、職の代替に対する不安、バーンアウト(31%)、主体性の喪失(23%)といった課題にも直面しています。

人材戦略の次なる時代へ

従来の人材戦略の多くは、市場の予測可能性が高く、役割が明確に定義され、顧客の期待も緩やかに変化していた時代を前提に設計されてきました。企業は硬直的な指揮命令系統のもとで運営され、研修プログラムも特定の職務に必要なスキルを習得させることを目的として構築されていました。しかし、時代は大きく変化しています。そして、人材戦略もまた変わる必要があります。人材が組織にとって最も重要な資産であることに変わりはありませんが、人とテクノロジーがともに学び、成長することで、その価値は飛躍的に高まります。人とAIの最適なバランスを見出した組織は、優秀な人材を惹きつけ、維持し続けるとともに、競争優位を確立し続けることが可能となります。今日では、5社に1社が人材戦略の再創造には相応の努力が必要であると認識しています。しかし、その成果は無視できないほど大きなものとなっています。

筆者

Karalee Close

Lead – Talent & Organization, Global

Stephen Wroblewski

Managing Director – Talent & Organization, Talent Transformation Global Lead

Jessica Van Singel

Managing Director – Talent & Organization Strategy, Americas Lead

Sumreen Ahmad

Managing Director – Middle East, Talent & Organization, Accenture

Mamta Kapur

Senior Principal Talent & Organisation Europe Research Lead