課題

世界150カ国以上で75,000人超の従業員を擁し、毎日10億人以上の人びとに製品が利用されているLIXILグループ。グローバルカンパニーとして未来に向かって成長し続ける為に、管理体制をスピーディーに変革する必要がありました。

顧客のプロフィール

LIXILグループは、世界中の誰もが描く住まいの夢を実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの製品を提供しています。日本のものづくりの伝統を礎に、世界をリードする技術やイノベーションで高品質な製品を世界中に幅広く提供しています。

現在世界150カ国以上で75,000人超の従業員を擁するグローバル企業となり、毎日10億人以上の人びとにLIXILの製品が利用されています。

沿革

LIXILグループの中核事業会社となる株式会社LIXILは、2011年に国内の主要な建材・設備機器メーカー、トステム、INAX 、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリアの5社が統合して誕生しました。

その後、GROHE、American Standardといった世界的ブランドを傘下に収め、日本のものづくりの伝統を礎に、世界をリードする技術やイノベーションで、日々の暮らしの課題を解決する高品質な製品をグローバルで幅広く提供しています。

課題

2011年から実施した海外事業会社の買収・投資によってLIXILグループの事業は急速にグローバル化が進み、当初は5%未満だった海外売上高比率は2019年には32%へと急速に拡大していきました。

事業のグローバル化が急速に進んだことにより、本社から直接海外子会社の経理・決算をコントロールすることが難しい状況となり、本社から十分なガバナンスが効かせられないことが経営課題として挙がるようになりました。

そこでLIXILグループは、本社から海外子会社に対するコントロール・ガバナンス強化を最優先としたグローバルでの経理オペレーティングモデル構築に取り組むことを決断しました。

本取組みをEnterpriseプロジェクトと名付け、本社直轄の組織で決算報告までを含めた経理業務全般を実施するオペレーティングモデルの構築を2017年より開始しました。
各社に散らばった経理業務を集約・標準化し、そのオペレーション結果を管理・監督する本社直轄の社内組織(CoE:Center of Excellence)を新規に立ち上げ、CoEが地域内の決算報告数値に責任を持たせる管理体制へ変革していきました。また、税務・監査対応などの高度専門知識を要する業務もCoEに集約しレバレッジを効かせることで、全てのグループ各社に対し、均質な高度経理サービスを提供できる体制を構築しました。

戦略とソリューション

アクセンチュアの役割

LIXILグループは、グローバルでの多くの企業に対する経理財務組織トランスフォーメーションの実績・経験を評価し、アクセンチュアをビジネスパートナーに選定しました。

アクセンチュアは、グローバルでの経理オペレーティングモデルとして目指す姿をLIXILグループと共に構想し、その実現に向けたロードマップを描き、ガバナンス強化を目的に新設したCoE組織の機能設計・立上げを支援しました。
また、アクセンチュアのオペレーションセンターに移管した業務については、ロボティクス・AIを活用し徹底的に効率化を追求しています。

成果

2017年5月の取組みスタートから約2年半で9ヵ国27拠点の経理業務を3つのシェアードサービスセンターに集約し、スピーディーな経理組織のトランスフォーメーションを実現しました。ガバナンス上の懸念があった中国14拠点からスタートし、その他アジア地域5ヵ国9拠点、続けて北中米地域3ヵ国4拠点へと業務集約対象を拡大していきました。

決算報告に繋がるすべての経理オペレーションを海外子会社から移管し、本社経理財務部の直轄組織となる経理シェアードサービスセンターで決算・本社への報告を行う体制を構築したことで、本社からのガバナンス強化を実現しています。
日々のオペレーション業務から解放された個社の経理人材は、各エリアの CEOやGMの右腕としてビジネスサポート、FP&A業務に注力し、各エリアにおけるビジネスの拡大に貢献する業務に時間を割くことができるようになりました。

集約された経理オペレーションは、アクセンチュアが開発したワークフローの活用や、ロボティクス・AIによる自動化を推進することで、経理業務品質の向上および業務効率化を実現しています。稼働して2年が経過する中国の経理シェアードサービスセンターでは、これまでに30以上のオペレーション自動化ツールが導入され、日々の運用の業務品質向上と効率化を支えています。加えて、ポリシー・ルールの統一とデータ分析に基づく債権・債務管理の強化を組み合わせることで、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の大幅な改善にも寄与しています。

トランスフォーメーション

今後の展望

中国・アジア・北中米で構築した経理シェアードサービスセンターの基盤を活用し、今後はヨーロッパ地域も視野に入れたグローバル展開を進めていく予定です。

アウトソースを活用することにより生まれたコスト削減効果や人的資源については、グローバルでの経理ルール・ポリシー統一やシステム導入・統合など、さらなる経理業務品質の向上に向けた活動に再投資していきます。

また将来的には、集積された日々の経理データを分析・活用することで、ビジネスの拡大に貢献する示唆・提言を経理サイドから提供できるような組織を目指していきます。

クライアントのコメント

LIXILグループとしては、今回のような取組みを一過性の業務改革プロジェクトで終わらせるのではなく、外部リソースを活用しながら持続的な業務の見直し・改善が推進される体制を整え、次世代の間接業務オペレーション基盤を構築したいと考えています。

自社内でやろうとすると、変化に対する抵抗が強くなり現状の延長線上にある多少の効率化に留まってしまうリスクがありますが、グローバルで多数のクライアントに対する支援実績があるアクセンチュアと協業することで、RPA・Analytics・ワークフロー機能など、他社での実績のある効率化ツールを有効活用し、自社内だけでは成し得ない改革効果を得ることを期待しています。

また、ビジネス環境の変化や日々の技術革新など企業をとりまく環境が刻々と変化するなかで、最先端のトレンド・技術を必要に応じて自社に適用・活用していくという面においても、常に最新を追いかけるコンサルティングファームとの協業は価値の高いものと考えています。

経理組織として会計情報の精度向上・決算/報告の早期化はあたり前に取り組むべきことではありますが、社内のリソースが定型業務に忙殺されていては、会社に取って価値の高い組織とは言えません。定型業務を外部化し徹底した標準化・効率化・自動化を推進することで、既存の人員は経理・財務面から戦略的に会社を支えられるような付加価値の高い業務へシフトし、真に価値のある組織になることができます。

LIXILグループは、Enterpriseプロジェクトを通じた経理組織のトランスフォーメーションを皮切りにグループ全体で組織のグローバル化を推進し、真のグローバル企業へと変革することを目指しています。今後も業務集約スコープの拡大を進め、グローバルで高効率な間接業務オペレーティングモデルの構築を進めてきます。

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