概要

インターネットが世界を覆い尽くして約20年。デジタル化の波は金融業界にも影響を及ぼし始めた。特にリテール金融の分野では、決済のあり方が大きく変わろうとしている。

これからの時代、決済業界のイノベーションの波に乗れずに衰退していく企業、あるいは企業としては生き残るもののビジネスモデルの一大変革を余儀なくされる企業が出てくるだ ろう。一方で、大きなチャンスを手にする新規参入企業の登場も期待される。今後、決済の世界で覇者となるのは、従来のカード会社か? 小売や通信などの異業種プレーヤーか? はたまたGAFAなのか? これまで以上に国際ブランドが力をつけてくる可能性、あるいは、今は誰一人として想像もしていないプレーヤーが勝者となることも考え得る。生き残りを賭けた戦いは既に始まっているのだ。

本書では、ともすると供給者側の論理に終始することも懸念される、昨今の消費者不在のキャッシュレス推進に一石を投じ、日本においてあるべきキャッシュレスと、キャッシュレス社会で勝ち抜くための要諦を、決済事業者と加盟店それぞれの経営戦略の観点から論じていく。日本におけるキャッシュレスは、加盟店と決済事業者がウィン−ウィンの関係を構築するとともに、キャッシュレスを通じて企業の売上成長に貢献し、消費者も自分では気付いていなかったニーズが満たされるような形で進展すべきだと考える。

今は残念ながらそうはなっていない。真のキャッシュレス時代到来へ向けたアクションを考えていこう。

(「はじめに」より一部引用)

キャッシュレス・マーケティング

目次

はじめに

序 章 2020年のビジネスマンMr.CL(Cashless)さん45歳のある1日

第1章 なぜ、今キャッシュレスなのか?

第2章 キャッシュレスからキャッシュレス・マーケティングへ

第3章 キャッシュレス推進だけで経済は活性化しない

第4章 これまで「ほぼ無風?」だった日本のクレジットカード業界

第5章  「QR祭り」はクレジットカード業界に刺激を与える起爆剤

第6章 GAFAが大きな脅威になることはないが、テクノロジーの進化は見逃せない おわりに

著者

長谷部 智也
Tomoya Hasebe

ビジネス コンサルティング本部
ストラテジーグループ マネジング・ディレクター

東京工業大学大学院修了、ミシガン大学ビジネススクール修了(MBA Essentials for Executive Education)。三井住友銀行を経て、A・T・カーニー、べイン・アンド・カンパニー、アクセンチュアにて20年に及ぶコンサルティング経験。コンサルタントとしてキャリアを積む一方で、事業会社役員としても国内大手アパレルの株式会社TSIホールディングス上席執行役員、マスターカード日本地区上席副社長兼営業統括責任者を歴任し、事業のターナラウンドを担う。著書に『企業価値4倍のマネジメント』(共著)『いたいコンサル すごいコンサル』(いずれも日本経済新聞出版)、その他ビジネス誌への寄稿多数。

キャッシュレス・マーケティング
キャッシュレス・マーケティング キャッシュレス・マーケティング