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無駄を富に変える:サーキュラー・エコノミーで競争優位性を確立する

サーキュラー・エコノミー(CE)はいかにして、生産と消費のあり方に創造的破壊をもたらすか

日本経済新聞出版社より

ピーター・レイシー&ヤコブ・ルトクヴィストが著者の 『Waste to Wealth –The Circular Economy Advantage-』 がついに日本語化されました。

「無駄」を「富」へと変える今世紀最大の資本主義革命とも言われる“サーキュラー・エコノミー”と、5つのビジネスモデルに移行することによって得られる競争優位性(サーキュラー・アドバンテージ)を丁寧に解説。日本の戦略コンサルティング本部による日本企業への示唆をまとめた章も追加されています。

【書籍名】: 『サーキュラー・エコノミー ~デジタル時代の成長戦略~』

【出版社】: 日本経済新聞出版社
【価格】: 2,500円(税抜)

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『サーキュラー・エコノミー ~デジタル時代の成長戦略~』

概要

サーキュラー・エコノミー(Circular Economy:CE)とは、再生し続ける経済環境を指す概念です。製品・部品・資源を最大限に活用し、それらの価値を目減りさせずに永続的に再生・再利用し続けるビジネスモデルも意味します。

世の中には、非常に多くの「無駄」が存在しています。たとえば、資源の無駄、遊休資産、捨てられる素材、まだ使用できるにもかかわらず破棄されている製品などです。企業はサーキュラー・エコノミーのビジネスモデルを導入することで、そうした無駄を活用し、利益を生み出すことが可能になります。

サーキュラー・エコノミーは、過去250年間続いてきた世界経済における生産と消費のあり方を今までに無いレベルで変革し、さまざまな機会をもたらす可能性を秘めています。デジタルの進化を追い風に、サーキュラー・エコノミーは企業に優位性を築く大きなチャンスをもたらすでしょう。実際にアクセンチュアの調査では、「無駄」を「富」に変え、持続可能な経済を実現することによって2030年をめどに4.5兆ドルの利益が生み出されることが明らかになっています。

この持続型の経済において新たな「富」を生み出すと期待されるのは、廃棄物としてのいわゆるゴミばかりではありません。企業の会議室や自動車、日用品など、現状「働いていない」「使われていない」「空いている」資産や天然資源も含まれます。「無駄」という考えを改め、あらゆるものに価値があることを認識することによって、持続型のサーキュラー・エコノミーを実現できます。

「無駄を富に変える:サーキュラー・エコノミーで競争優位性を確立する」のエグゼクティブ・サマリーをダウンロードする(日本語) [PDF]


詳しくは、アクセンチュア監修の書籍「Waste to Wealth(無駄を富に変える)」をご参照ください。
書籍版『Waste to Wealth: The Circular Economy Advantage』を購入する

5つのビジネスモデル

サーキュラー・エコノミーを抽象的な概念にとどまらせず、ビジネスの現場に適用して経済的な効果を上げるには、実用レベルのビジネスモデルに落とし込む必要があります。

そこでアクセンチュアは、革新的な方法で資源効率性を向上させている120社以上の企業を分析し、ビジネスモデルの5つの類型を特定しました。


再生型サプライ:繰り返し再生し続ける100%再生/リサイクルが可能な、あるいは生物分解が可能な原材料を用いる。

回収とリサイクル:これまで廃棄物と見なされてきたあらゆるものを、他の用途に活用することを前提とした生産/消費システムを構築する。

製品寿命の延長:製品を回収し保守と改良することで、寿命を延長し新たな価値を付与する。

シェアリング・プラットフォーム:Airbnb(エアビーアンドビー)やLyft(リフト)のようなビジネス・モデル。使用していない製品の貸し借り、共有、交換によって、より効率的な製品/サービスの利用を可能にする。

サービスとしての製品(Product as a Service): 製品/サービスを利用した分だけ支払うモデル。 どれだけの量を販売するかよりも、顧客への製品/サービスの提供がもたらす成果を重視する。

ビジネスモデルの5つの類型(別ウィンドウで拡大画像が開きます)

ケース・スタディ:自動車業界におけるサーキュラー・エコノミー

環境問題への対応や資源の再利用は重要テーマであるが、今後ユーザへ大きな価値をもたらすのは、自動運転とCaaS (Car as a Service)となる。


製品のサービス化(Product as a service)
  • これまでに存在しない全く新たな顧客体験「自動運転」がデジタル技術によって実現しつつある。
  • 個人所有の自家用車の稼働率は6%前後と言われている。

所有からシェアへの転換(Sharing platforms)
  • 自動車の維持費削減とスポット利用をアプリ上でマッチングするサービスが続々登場
  • 「Anyca」、「Greenpot」、「CaFoRe」などのカーシェアリングサービス。米国では、「RelayRides」を利用してクルマをシェアしているユーザーは、平均250ドル/月を稼ぐ(エコノミスト誌)

製品寿命の延長(Product life extension)
  • 製品ライフサイクルを通して卓越した顧客エンゲージメント
  • Parkmobile 社と提携し、駐車場のモバイル決済サービスも構築(BMW)

代替燃料(Alternative Fuels)
  • 排ガス規制、環境問題への対応による電気自動車、水素などの次世代燃への対応

原材料の循環(Circular supplies)
  • 再生アルミニウムを車体の75%に使用。うち50%はアルミ端材から、25%は使用済み車両からの回収(ジャガー・ランドローバー)
  • 内装部品に植物由来のバイオプラスチックを使用(トヨタ自動車)

10のテクノロジー

サーキュラー・エコノミーのビジネスモデルの多くは、革新的なテクノロジーを効果的に活用することで実現されます。すなわち、ソーシャル、モバイル、アナリティクス、クラウド、およびM2Mコミュニケーションといったデジタル・イノベーションが、物理的チャネルとデジタル・チャネルを効果的に結び付け、莫大な可能性を秘めたサーキュラー・エコノミーの具現化を可能にするのです。


サーキュラー・エコノミーを実現する10のテクノロジー

サーキュラー・エコノミーを実現する10のテクノロジー

提言

サーキュラー・エコノミーへの転換は、「取って、 作って、捨てる」という旧来のアプローチから、 「取って、作って、作り続ける」アプローチへのシ フトを意味します。では、このようなシフトを実現するにはどうすればよいのでしょうか?

  • サーキュラー・エコノミーで成功を収める上で、あらゆる企業にとっての一つの「正解」は存在しないことを認識したうえで、自社にとって最適なビジネスモデルを慎重に選択する。新たなビジネス・モデルの実践においては、社外のパートナーや協力者およびビジネス・エコシステムを慎重かつ確実に特定し、活用する。

  • サーキュラー・エコノミーを実現するためのビジネス・モデルの実践や規模拡大に必要なテクノロジーへのアクセスを確保する。これらのテクノロジーを用いて資源の効果的な管理や廃棄物の削減と収益化を図り、顧客に製品/サービスを提供することで、事業成長と製品開発を恒常的に推し進める。

  • サーキュラー・エコノミーの原理を効果的に取り入れ実践するための能力を組織的に開発する。『Waste to Wealth(無駄を富に変える)』の書籍版では、生産、販売、使用、回収、修繕、再利用という循環フローを確立するために、企業が必要とする5つの能力を詳述している。

さらに詳しく

サーキュラー・エコノミーに関する関連リンク


アクセンチュア監修の書籍「Waste to Wealth(無駄を富に変える)」

本書は、グローバルにおける企業120社、50名の経営幹部を対象にした調査に基づき、サーキュラー・エコノミーが創りだす世界的なビジネスチャンスを明らかにした著書です。先進的な企業のサーキュラー・エコノミーの成功事例を数多く掲載しており、既に英国、中国、ドイツで出版されています(米国では2015年9月25日に出版)。本書は、amazon.com、 amazon.co.ukまたは書店で購入できます。

書籍版『Waste to Wealth: The Circular Economy Advantage』を購入する



著者

Peter Lacy

Peter Lacy
Managing Director
Accenture Strategy, Sustainability

ピーター・レイシー(Peter Lacy)は、アクセンチュア・ストラテジー、サステナビリティ・グループのグローバル・マネジング・ディレクター。世界各国で多数の企業および経営幹部、国連、欧州連合、各国政府に対し、戦略ならびに持続可能性(サステナビリティ)についてコンサルティングを行っている。オックスフォード大学の特別研究員を務め、『フィナンシャル・タイムズ』『ガーディアン』『ファスト・カンパニー』の各紙誌に定期的に寄稿。また、世界経済フォーラムの循環経済に関するヤング・グローバル・リーダーズ・タスクフォースの共同会長を務め、世界初の循環経済アワードの共同設立者でもある。レイシーは英国ロンドンを拠点に活動している。


Jacob Rutqvist

Jakob Rutqvist
Manager
Accenture Strategy, Sustainability

ヤコブ・ルトクヴィスト(Jakob Rutqvist)は、アクセンチュア・ストラテジーおよびサステナビリティ・グループのマネジャー。アクセンチュアに入社する以前は、イノベーション、気候変動、およびエネルギーに関するロビイストとして、大手多国籍企業のほか、国連や世界銀行、世界経済フォーラム、欧州議会をはじめとする政府機関や組織の活動に携わってきた。クリントン・グローバル・イニシアティブおよびワン・ヤング・ワールドの元メンバーであり、ハーバード大学を卒業。『ファスト・カンパニー』『フォーチュン』各誌に寄稿し、現在はストックホルムを拠点に活動している。