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ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー:アナリティクス、セグメンテーションとターゲットマーケティング

アクセンチュアはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのマーケティングの生産性向上に重要な役割を果たし、ハイパフォーマンスへの道を開く支援をしました。

概要

約1世紀前の設立以来、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)は英国で最も評価の高い劇団のひとつに成長し、世界中で名声を博しています。

古典劇と現代劇を上演しながら、ウィリアム・シェイクスピアの精神をひたむきに守り続けるRSCは、世界各地で意欲的な公演を行っています。RSCは世界的に高い評価を受けながらも、その観客基盤を拡張し、演劇愛好家にもっと頻繁に劇場に足を運んでもらう必要があることを認識していました。今後の資金繰りを確保し、21世紀の演劇界で確固たる地位を維持するためにはぜひとも必要なことだったのです。

他のどの企業とも同じく、劇団の長期的な成功は顧客のロイヤリティにかかっています。アクセンチュアが進めているハイパフォーマンス企業のを探る調査によると、顧客のロイヤリティの向上には、優れたマーケティング能力が重要な役割を果たしていることがわかりました。企業が新たな顧客を獲得し、既存の顧客を維持し、顧客全体にさらに多くのものを販売し、自社ブランドにプレミアムを確立する上で、優れたマーケティング能力は大きな助けとなるからです。

事業上の課題
RSCは世界的に高い評価を受けていましたが、中核となる忠実な観客を維持しながらも、より広範かつ多様な観客を獲得する必要があることを認識していました。観客のアナリティクスを向上させることは、RSCが成功を維持する上で必須事項でした。観客をより良く理解すれば、演目やマーケティング対象の選定にもっと効果的にその情報を生かすことができます。より多くのチケットの売り上げがあれば、RSCはさらに強力な収益を達成し、常連客やスポンサーへのファンディング・アピールを強化することにもなります。

観客をより良く理解することは、RSCにとっては困難な課題でした。劇団は17世紀の複雑な戦闘シーンを上演することには長けていましたが、詳細な観客の分析とセグメンテーションに基づいてマーケティング計画を立案するための技術的インフラやソフトウェア、スキルは所有していませんでした。チケット販売の基本的なデータベースが興業成績の唯一の情報源であり、既存の観客および潜在的観客の属性や行動に関するインサイトはほとんど提供できませんでした。

アクセンチュアは数年間にわたりRSCのコーポレート・スポンサーとなってきたため、劇団のハイパフォーマンスの達成と成功を支援する取り組みにおいて既に実績がありました。財政的支援に加えて、アクセンチュアは観客分析の能力を開発する手助けを申し出ました。この観客分析は、大胆なマーケティング戦略の策定を支援するとともに、RSCが既存の観客を維持・育成しながらも離反した観客を引き戻し、さらには新たな観客をシェイクスピアに引きつけることを可能にする、観客についてのインサイトを生みだす助けとなるものでした。

アクセンチュアはこの支援を提供するのに最適でした。カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)ソリューションの主要プロバイダーとして、観客のアナリティクスの価値を明確に理解していました。そして、その高度な専門スキルとアライアンス関係、グローバルな能力をもって、すべての産業分野のクライアントがマーケティング機能を変革し、ハイパフォーマンスを達成するのを支援してきたのです。

アクセンチュアの支援内容

アクセンチュアはCRMとマーケティング・アナリティクスにおいて高度なスキルを備えた専門家チームを配置し、RSCが芸術上と同じくCRMにおいても成功できるように支援しました。RSCの課題は、アクセンチュアの通常のクライアントと同じほど複雑であることがすぐに判明しました。劇団は、グローバルに事業展開する小売業者や多国籍金融機関がハイパフォーマンスを達成するのに必要となるような、同様の方法論と最先端のアナリティクス用ソフトウェアを必要としていました。RSCと協働して、アクセンチュアは劇団の既存および潜在的観客の輪郭を描きました。このプロファイリングは、ストラトフォード・アポン・エイヴォンとロンドンの観客に関する包括的なマーケティング戦略の基盤として役立つ、非常に重要な作業でした。

アクセンチュアのチームは、7年以上分のチケット購入データをイタリアのミラノにあるアクセンチュアの顧客インサイト・センターのシステムに読み込むことから着手しました。このデータには200万人を超える常連客の氏名、住所、来場した公演、チケットの購入額が含まれていました。アクセンチュアは提携先であるNCRコーポレーションの一部門、テラデータのデータ処理技術を利用して、顧客の行動に基づき容易かつ迅速にセグメント化ができるRSCの新しい観客データベースを作成しました。インドのバンガロールにあるアクセンチュア・顧客インサイト・ラボでは、必要なデータチェックが実施され、必要に応じてデータモデルを改変し、変更および結果が報告されました。高度なデータ・マイニングおよび分析ツールのメーカーであるKXENとの戦略的アライアンスを活用して、大量のデータを綿密にチェックし、具体的な観客セグメントと観客の来場行動パターンを割り出しました。

アクシオムとの提携関係を活用する際には、アクセンチュアは観客分析においてより多くの属性を考慮しました。これらの新たな要素には、年収、職業、子どもの年齢、ライフスタイルといった指標が含まれていました。この水準のデータを得たことで、RSCは顧客の特徴がどれほど異なるセグメントにわたる多様なものであるかを理解できました。アクセンチュアは現在アクシオムと協働し、RSCの観客プロファイルに地域属性情報を利用しています。その目的は、観客が地元で行われる公演に足を運ぶ可能性を理解することです。この作業は、RSCが地方および全国ツアーにおいて地域ごとに最適のターゲットを定めるのに役立つでしょう。

この関係における最近の展開としては、ストラトフォード・アポン・エイヴォンにある劇団の新しい仮劇場、コートヤード劇場への来場傾向モデルをRSCが開発する際に、アクセンチュアが行った支援があります。この取り組みの目標は、RSCの常設劇場スペースが変化する中で観客の来場を最大化し、これを維持することです。コートヤード劇場での公演に来場する可能性の最も高い顧客をRSCが特定し、それをターゲットとするのを支援するために、アクセンチュアのチームは傾向モデルを作成しました。このモデルは、RSCが来場しなさそうな顧客をターゲットにして経費を無駄にすることなく、コートヤード劇場の客席をより効率的に埋められるようにし、新たな観客をRSCに引きつけるさらなる資源を提供することになるでしょう。

ハイパフォーマンスの実現へ

アクセンチュアは、RSCが優先すべき観客セグメントを定義し理解する手助けをし、また、興業部門、マーケティング部門、資金調達部門のデータを単一の顧客データベースに統合する技術の選択において支援を行いました。インプレサリオLLCのTessitura Software®を選択して以来、RSCはCRMを向上させる意欲を支え、これを刺激するシステムと、機能横断的な新しい働き方を享受してきました。

RSCのマーケティング・チームは、新たに獲得した分析能力を基盤にして一連のターゲット・メールや取り組みを行い、これにより中核となる観客基盤を30パーセント増加させました。特に、アクセンチュアが関与を始めてからの成果は次のとおりです:

  • RSCのストラトフォードのチケット購入者数は50パーセント以上増加し、32万人を超えた

  • ストラトフォードの「常連客」と定義されるセグメントの観客数は、RSCに全体として最大の寄与をしているが、4万人から6万8,000人超へと70パーセントの増加がみられた

  • ストラトフォードの家族の観客数は、セグメントとして20パーセントを超える増加がみられた

  • ロンドンの観客にシーズン前に送られるターゲット・メールに関しては、以前よりかなり早く売り切れとなった。これによりRSCは売り上げをより正確に予測し、より多様な観客を引きつける努力を行うことができるようになった

  • RSCは「新顔」と呼ばれるロンドンを基盤とする貴重な新セグメントを特定した

効果的かつ利用可能なセグメンテーションの開発に加えて、アクセンチュアはRSCがより迅速に収益目標を達成できるよう支援しました。興業目標をシーズンの初期に早くも達成できたことで、RSCは客席を埋め、これから数年にわたる忠実な顧客層を構築することに集中できるようになりました。