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企業のデジタル化レベルバロメーター

ボーダフォン社とアクセンチュアによるイギリスでの調査に基づき、企業のデジタル化レベルを測定する指標と現状改善へのヒントをご紹介します。

あなたの会社のデジタル化対応はどのレベルでしょうか

Vodafone Ready Business Indicatorで現在のデジタル化レベルを測定し将来のビジネスプランを策定

現在ビジネスが変化するスピードはかつてないほど高まっています。デジタル革命によって世界が再構築された今、顧客やサプライヤーはもとより、変化し続ける市場への迅速な対応は今まで以上に重要となりました。このような過酷な環境において、デジタル化できているかどうかは企業生き残りを左右します。

今後成功する企業は、確実に「デジタル技術で業務効率を高め、自社のポテンシャルを100%活かすことのできる状態」にあります。例えば、社員はオフィスに固定されることなくいつどこにいても優れた成果を出せるツールやコネクティビティにより業務の質を向上させています。これは言い換えればお客様第一主義と同意義なのです。イギリス企業は従業員と顧客を大切にすることで知られています。しかし、これからのデジタルな世界でそれを実践するのは決して容易ではありません。

The Vodafone Ready Business Indicator

「Vodafone Ready Business Indicator」はデジタル化を目指す企業のデジタル化レベルを測定する指標です。この指標で自社の強みと弱みを把握し、現在の立ち位置や、未来への準備がどの程度整っているかを知ることができます。試したい方はこちらをクリック

2015年11月から2016年1月にかけて、イギリス中のあらゆる規模の官民セクターにおける4,239人が、このツールで自社のデジタル化レベルの測定を試みました。アクセンチュアは、そこから得られた知見を基に、イギリス企業のデジタル化現状と、現状改善へのヒント集をまとめました。本レポートは、上位に位置付けられた企業の特性を明らかにし、イギリス企業が自社の将来に向けた準備で焦点を当てるべきデジタル化推進力および障壁を紹介しています。

とはいえ、この取り組みはまだスタート地点にあり、現在も毎月500社以上の企業がReady Business Indicatorで測定を行っています。私たちはその測定結果を基に、デジタル化のレベルがどう進化しているかに関する独自の知見を継続的に蓄積し、今年後半にはそれら変化を改めて精査する予定です。特に「未来のデジタル・レベル・スコアは実現されたか」「デジタル化レベルにおけるパイオニアとして頭角を現しつつある業界/分野」「政治的な変化(スコットランド議会、ウェールズ議会、ロンドン市長、地方議会、ブレグジットの各選挙など)は、国内の官民セクターにどのような影響を及ぼすか」といった観点から精査することを計画しています。http://readybusiness.vodafone.co.ukでデジタル度レベルを測定し、皆様の組織が来るべき変化の波に乗ることができるかをご確認ください。

1:イギリスのデジタル化の現状

未来を見据えた組織への変革が必要な理由

ビジネス環境が刻々と変化する中、企業は機会と脅威の両方への対応を迫られています。たとえば新しい協業、協働、アイデアやリソース、顧客の共有など様々な良い機会がある一方、脅威には既存の競合に加え破壊的なITスタートアップの存在もあります(分野横断的に既存業界を脅かす最も注目すべき2016年のスタートアップ15社に関するVenture Beatの記事はこちら

現在の複雑なビジネス環境での成功にはデジタル化が極めて重要です。デジタルの活用で社員同士さらにはパートナー企業との今まで以上のコラボレーションが可能となります。また、顧客との信頼関係改善、またはプロセスの合理化によるさらなる業務効率改善も可能です。

イギリス企業は好スタートを切ったものの、いまだ道半ばにある。

では、イギリス企業におけるデジタル技術の活用は、どの程度まで進んでいるのでしょうか。一見したところ、妥当なレベルまで進んでいるようです。現在のイギリス企業のデジタル化指数の平均値は48%です。これは、平均的なイギリス企業が完全なデジタル化を実現するための取り組みを半分程度達成していることを意味します。一方、未来のデジタル化レベル(ビジネス環境の将来的な変化とは関係なく、企業が予定しているデジタル活用計画のレベル)の平均値は、現在とほぼ同じの49%にとどまっています。これは言い換えれば、現状からの脱却を図ろうとしている企業がごくわずかで、いわば今後競合に後れを取る危険性があるということです。さらに私たちはデジタル化レベルの測定を終えた企業について、現在と未来のデジタル化レベルの指数で順位付けを行い、さらに各社を「レイトアダプター」から「パイオニア」までの4つのカテゴリーに分類しました。

デジタル化レベル

デジタル化レベル 4つのカテゴリー

デジタル化レベル 4つのカテゴリー

イギリスの企業はVodafone Ready Business Indicatorを使って、現在の能力や未来のプランに関する質問への回答を基に、自社のデジタル化レベルを測定することができます。この指標によって、企業はデジタル技術を活用して従業員とどの程度つながっているか、また顧客エンゲージメントや業務効率のレベル、今後に向けた計画の策定を行っているかを探り、そこから現在と未来のデジタル化レベル・スコアを導き出します(スコアの最大値は100%)。これにより、企業は自社のデジタル化レベルを正確に見極めることができます。

デジタル化レベルの4つのカテゴリー:あなたの企業はどのレベルか

パイオニア:未来のデジタル化レベルのスコアが高く、従業員と確実につながっている、従業員のコラボレーション能力が高い、シームレスな顧客体験を提供している、優れた業務効率を実現している、オペレーションが合理化されている、レジリエンスに優れている、ビジネスモデルが先進的であるといった特性があります。

上級レベル:さまざまな特性や能力によって高いデジタル化レベル・スコアを獲得しています。デジタル技術を効果的に活用し、変化し続ける顧客のニーズに合わせてビジネス戦略を見直し、それに適合していく努力をしています。

中級レベル:イギリス企業の大部分は、この中級レベルに分類されます。その中でも強い財務基盤を持つ企業ほどデジタル化レベル・スコアが高く、現在および将来的にわたって新たな課題に積極的に取り組める体制が整っています。

レイトアダプター:未来のデジタル化レベル・スコアが低く、従業員とつながっていない、従業員のコラボレーション能力が低い、優れた顧客体験が提供できない、オペレーションが極めて官僚主義的で無駄が多い、変化に対するレジリエンスが低いといった特性があります。

以上の分類結果からは、以下の3つの傾向が見えてきます。

1.公共部門は急速に変化し続ける世界から取り残される傾向にある。

2.一方テクノロジー企業や製造業は、イノベーションの実現を目指し成功している。

3.イギリスの成長の原動力は中規模企業にある。

公共部門は急速に変化し続ける世界から取り残される傾向にある

本レポートでは、公共部門と民間部門で著しい格差が確認されています。公共機関の40%は現在および未来のデジタル化レベルのいずれにおいても「レイトアダプター」に分類され、今後厳しい時代を迎えることが予想されます。

デジタル化は民間部門がリード

約10年前に始まった景気後退以降、公共部門は相次いで予算の課題に直面しています。2016年度もさらに0.5%の削減が発表されるなど、この課題が解消される気配はありません。

ボーダフォンが『Perspective』レポートシリーズの一環として最近行った『Strengthening Communities』調査では、この予算削減が公共サービスに対する信頼低下につながっていることが明らかになっています。公共部門のリーダーの66%は、この公共サービスに対する信頼の低下が問題として表面化していると回答しています。また、公共部門のデジタル化レベルが低い要因として、中央および地方政府機関が直面する課題が浮かび上がりました。これらの政府機関は、半数以上が「レイトアダプター」に分類されます。『Strengthening Communities』調査では、約74%がレガシー・システムに関する問題の克服、67%が高額な保守費用、そして59%がITおよびデータセキュリティに関する懸念を抱いていることが明らかになりました。これらの基本的なインフラへの投資が十分でないこともあり、公共部門は未来に備えるどころか、現在の効率性維持すら危ぶまれています。また、政府機関以外の公共部門の多くも、デジタル化の課題に直面しています。2016年の初頭、国民保険サービス(NHS)では28,000人以上の医師および看護師が足りていないこと1、教育機関のリーダーの3分の1は優秀な教育者の採用・維持を「大きな課題」と捉えていること2が分かっています。政府機関よりデジタル化レベルは高いものの、ヘルスケアや社会福祉、教育分野も苦戦を強いられています。これらの分野では、全体の3分の1から2分の1が「レイトアダプター」に分類されました。公共部門全体がデジタル化レベルの低さに苦しんでいるのは疑いようのない現実なのです。

1 www.bbc.co.uk/news/health-35667939
2 www.bbc.co.uk/news/education-35531982

中央/地方の政府機関が特に苦戦

テクノロジー企業や製造業はイノベーションの実現を目指すことで成功を収めている

苦戦する公共部門とは対照的に、民間部門はデジタル化レベルが著しく高く、特にテクノロジー企業と製造業でその傾向が顕著です。

最もデジタル化レベルが高いのはテクノロジー/製造業

これらの業界のデジタル化レベルを上げている主な要因が、イノベーションに対する彼らのコミットメントです。『Perspective』レポートシリーズの最新調査である『Unlocking Corporate Innovation』でも、テクノロジー企業が現在のビジネス環境において最も革新的と見なされていることが明らかになっています。エンジニアリング事業者連盟(EEF)のInnovation Monitorも、イギリスの製造業の94%が現在、イノベーション活動に積極的に取り組んでいると指摘しています3

測定結果によると、製造/テクノロジー企業はイノベーションの推進に向けて、テクノロジーに大規模な投資を行っています。社外から業務関連の書類やデータベースにアクセスできるようにするなど、従業員が柔軟に働ける環境を整備するといった取り組みをしています(テクノロジー企業の87%、製造業の83%)。彼らは従業員が時間や場所を問わず情報を入手できるようにして生産性を高め、革新的なアイデアの創造を推進しています。

3 www.eef.org.uk/resources-and-knowledge/research-and-intelligence/industry-reports/innovation-monitor-2015-16

イギリスの成長の原動力は中規模企業にある

企業規模で見た場合、個人事業者は活用できるリソースが少なく後れを取る傾向にあり、全体の3分の2以上が「レイトアダプター」に分類されました。スタートアップの10社に6社が創業5年未満で倒産することを踏まえるとこれは当然の結果と言えます4

10社に6社は創業5年未満で倒産

現在のデジタル化レベルが最も高いのは小規模企業(従業員数10~149人)および大企業(従業員数750人以上)で、未来のデジタル化レベルが上昇傾向にあるのは中規模企業(従業員数150~749人)です。

中規模企業が未来のデジタル化レベル・スコアをリード

ノーザン・パワーハウス(英政府による北部の経済復興策)にとりわけ強固な基盤を有し、積極的に活動を続ける国内の中規模企業の従業員数と生産性は、市場平均を上回る勢いで拡大しつつあります。私たちが最近行った調査『Growing Britain from the Middle』でも、中規模企業はプロセス・オートメーションやグローバル市場への製品/サービスの輸出を推進して、未来のデジタル化レベルを著しく向上させていることが分かっています。

4 ONS Business Demographics 2014

2:デジタル化レベルの推進力

パイオニアになるための3つのステップ

ボーダフォンでは、デジタル化向上を目指すあらゆる企業をサポートしたいと考えています。では、そのためには具体的にどのような施策が必要なのでしょうか。

Ready Business Indicatorの測定結果から、デジタル化レベルの高いパイオニアには成功を後押しする3つの推進力が備わっていることが分かりました。

  1. モバイル化
  2. 全社的なデジタル技術の活用
  3. デジタル面のアップデートやグレードアップを通じた顧客とのエンゲージメント向上

1.モバイル化

今こそ企業はモバイル・ファーストを目指さなければなりません。加速するモバイル化のトレンドは、もはや後戻りすることはありません。ボーダフォンの『Perspective』レポートシリーズの一環として行った『Connected Nation』調査によると、平均的な消費者はインターネット接続できるスマート・デバイスを3台以上所有していること、インターネットを利用する消費者の96%はオンラインショッピングを楽しみ、なかでもモバイル・デバイスをオンラインショッピングで利用する消費者の増加率は、実店舗やモバイル以外のオンラインチャネルを利用する消費者の増加率を著しく上回っていることが明らかになりました。また、消費者の4分の3以上が、公共部門とのコミュニケーションの大部分をオンラインで行いたいと考えていることも分かりました。

エンゲージメント向上にモバイルは不可欠

モバイル化は対消費者という観点だけからではなく、従業員により自由で効率的な労働環境を提供するという観点からも不可欠となります。現在のデジタル化レベルは、優れたリモートワーク環境、およびモバイル・スキルに精通した従業員を育てることによって促進されます。とはいえ、モバイル・スキルについては今後も注視する必要があります。本レポートの「イギリスのデジタル化の現状」セクションでも明らかにした通り、未来のデジタル化レベルを現状のレベルから引き上げるためには課題が山積しています。これはモバイル・スキルについても言えることです。現在のところ、従業員のスマート・デバイス活用能力を「低い」「劣っている」と評価する企業は全体の17%にとどまっていますが、2年後にはこの割合が29%まで上昇すると見られています。

モバイル・ファーストとリモートワーク環境の重要性の高まりを背景に、企業は従業員にこれらへの対応に必要なモバイル・スキルを今すぐ、そして将来的にも身につけさせなければならないと考えています。

エンゲージメント向上にモバイルは不可欠

2.全社的なデジタル技術の活用

デジタル時代の到来で、産業革命以降最大の働き方の大変革が進んでいます。しかしフォーブス誌が最近の記事で指摘しているように、この変革はまだ始まったばかりです。テクノロジー指向な業界では、すでにデジタルで著しく生産性が向上する一方、そうではない他の業界ではデジタル技術が浸透せず生産性の改善も停滞気味です。100%のデジタル化は一夜で実現しません。最初のステップとしてどの企業でも比較的簡単に実践できるのが自社サイトの改修です。企業が顧客を迎え入れる最初のタッチポイントであるウェブサイトは、自社の認知度を高め、顧客と価値ある関係性を築いていくために欠かせないものです。また、オーディエンスのモバイル化に合わせて、多くの企業もモバイル化を積極的に推し進めています。実際、従業員数10人以上の企業の約61%が、すでに各種デバイスに対応したウェブサイトを展開するようになっています。しかし、これは言い換えると従業員数10人以上の企業の39%がいまだにマルチデバイス対応のウェブサイトを展開できていないということを意味します。この状況は個人事業者になるとさらに深刻です。個人事業者の42%は、ウェブサイトさえも用意できていません(従業員数10人以上の企業では、この割合は8%)。マルチデバイス対応のレスポンシブなウェブサイトを展開するのに役立つヒントは、こちらをご覧ください。

もちろん、デスクトップ、タブレット、モバイルのいずれにも対応したウェブサイトの構築は、あくまで出発点に過ぎません。ウェブサイトの改修の次に取り組むべきは、オペレーションの自動化、データ分析、およびデジタルHR戦略の策定などが挙げられます。公共部門の多くはデジタル化レベルが低迷していますが、デジタル化は一部の公共機関にとって大きな強みとなります。

デジタル技術がもたらすメリットによって、ビジネス、オペレーション、社員の潜在能力的な実力を最大限に引き出すことができます。これは企業や組織のデジタル化レベルを高めるためのみならず「イノベーション、競争力、成長の加速に最も重要な要素であり(中略)、欧州の起業家に大きな機会をもたらし(中略)、将来的な成長を左右する最大の要因である」と欧州委員会は指摘しています5

5 ec.europa.eu/growth/sectors/digital-economy/importance/index_en.htm

大企業ほど広く普及しているデジタルサービスのアップデート/グレードアップ

3.定期的なデジタルサービスのアップデートやグレードアップを通じた顧客とのエンゲージメント向上

顧客エンゲージメントをめぐる競争は激化する一方です。マーケティング情報が氾濫し、ますます移り気になっていく市場で、自社のプレゼンスを高めていくことは今まで以上に重要です。その手段の1つとして、デジタルレベルの定期的なアップデートやグレードアップがあります。従業員数150人以上の企業の場合、約10社に9社(85%)が顧客に定期的なアップデートや特別グレードアップを提供することで、顧客の維持や再獲得を促しています。これに対し、同様の施策を実施している従業員数10人未満の企業は半数強にとどまっています。とはいえ、重要なのは顧客とのコミュニケーションの回数だけではありません。ますます目の肥えた顧客は、コミュニケーションの質も重視します。デジタル化の進んだ企業にとって、パーソナライズされ、ターゲットを絞り込んだ定期的なアップデートやグレードアップよる顧客エンゲージメントの向上は、重要な資産なのです。

大企業ほど広く普及しているデジタルサービスのアップデート/グレードアップ

3:デジタル化の障壁

企業が「レイトアダプター」に陥る落とし穴

デジタル化レベルには推進力が必要となる一方で、避けなければならない障害もあります。

  1. 分断されたシステム
  2. 縦割りの組織
  3. アナリティクスの活用不足
  4. スピード不足

1.分断されたシステム

分断されたシステム

大企業におけるレスポンシブなウェブサイトの構築をデジタル化レベル推進力の1つとして挙げましたが、「オンラインツール」に関する取り組みにはさらなる投資が必要となります。たとえば、オンライン予約システムや決済システムがないと顧客との「パイプライン」は不在です。これにより多くの遅延、機会喪失およびビジネス拡張のチャンスも見落とされています。また、マーケティング・オートメーションを活用せず、パーソナライズされたコミュニケーションや、ユーザのニーズの掘り起こしを行うには膨大な人手を要します。そもそもそうした施策の実施自体が不可能であることも珍しくありません。

セルフサービス・システムやマーケティング・オートメーション活用が進展しない原因は、根本的なテクノロジーへの投資の不足にあります。ほとんどの企業にとって、一晩でオフラインのセルフサービス・システムをオンラインに切り替えることは現実的ではありません。だからこそ、オンラインとオフライン間のコミュニケーションを効率化し、業務のシンプル化および効率化をしていく必要があります。また、詳細な情報管理と直感的な操作が可能な最新のCRMを利用せずして、マーケティング・オートメーションを最大に生かすことは困難でしょう。とはいえ、多くの企業はこれらの課題をすでに正しく認識しており、継続的なシステム改善のための予算見直しを行っています。

  • これまでにオンラインとオフラインの顧客体験の統合に大規模な投資を行ったのは全体の19%にとどまりますが、61%は今後2年間でこの領域への投資を計画しています。
  • 現時点でCRMを導入済みの企業は全体の52%ですが、72%は今後2年間で新規導入またはCRMのさらなる改良のための投資を計画しています。

オンライン・セルフサービスおよびマーケティング・オートメーションの改善の取り組みはすでに動き始めており、これらを実現することがデジタル化レベルの向上に不可欠です。

2.縦割りの組織

公共部門はデジタル化レベルで民間より後れていることがわかっていますが、その要因の1つは縦割りな組織や職場環境です。公共部門の組織では、新人に他のチームとのコラボレーションの機会が与えられているのは全体の半数弱(43%)です。結果他チームと積極的にコラボレーションできていると考える職員は、わずか3分の1(35%)にとどまりました。これに対し民間部門の従業員の割合は、約3分の2(61%)に達しています。

イギリスの南西部においては、「無関心」という課題も見られています。市場の変化をきちんと理解しているかという質問に対して、理解しているという回答はわずか3分の1(33%)にとどまっており、イギリス全体平均である56%を大きく下回っています。

こうした数字からも、社内コラボレーションの不足ならびに市場への理解不足が、デジタル化を妨げる大きな要因になっていることは明らかです。

Tony Bailey

Head of Vodafone Business Services
Vodafone UK
トニー・ベイリー(Tony Bailey)
ボーダフォン・ビジネス・サービス・ヘッド
ボーダフォンUK

ボーダフォンUKのビジネス・サービス・ヘッド トニー・ベイリーが、縦割り組織の改善、およびフレックス制度の導入によって、ボーダフォンの企業文化を変革させ生産性拡大を実現したか

社内コラボレーションと生産性を最大化するための5つのヒント

  1. 新しい働き方のためのスペースを設ける
    コラボレーションを促す環境には、共同エリアや休憩室、大きなミーティングルームといったスペースが不可欠。
  2. 幹部レベルから企業文化を見直す
    社員同士のコラボレーションを促す一方で、幹部が個室に閉じこもっているのは大きな矛盾である。オープンプラン方式のオフィスなど、あらゆるレベルで企業文化の変革が必要だ。
  3. モバイル化以上の施策を
    場所や時間を問わずに働ける環境とは、モバイル・デバイスの提供だけでは足りず、クラウド活用などモバイル・ワークをフルに活用するための基盤やトレーニングも大切である。
  4. ビジネス上のメリット、従業員へのメリット、両方の追求
    フレックス制度は、ビジネスにも従業員にもメリットをもたらすものでなくてはならない。フレックス制度を適切に導入できれば、従業員の満足度は高まり不動産コストも削減可能になる。
  5. 継続的な改善
    フレックス制度導入・活用の改善を止めることは失敗を意味する。仕事は常に変化し続けるものなので、働き方や環境は常に柔軟性が求められる。

3.アナリティクスの活用不足

ビッグデータ時代の到来と言われるようになってしばらく経ちますが、それは本当でしょうか?多くの企業は依然としてその概念に惑わされ、圧倒され続けています。ボーダフォンが2015年に行った『Perspective』レポートシリーズの調査『Unleashing the Mega Trends』でも、約3分の2の企業が⑥はビッグデータ活用に着手したものの、ビッグデータを深く理解していると明言できたテクノロジー責任者は全体の半数弱でした。経営幹部からこの領域で十分にサポートを受けられているという回答も、⑦5人に1人に満たないという結果でした。企業のビッグデータ活用は、まだ神頼みレベルであるのが現実です。

デジタル化レベル測定を行った企業のうち、新技術開発をリードしたいと回答したのが4社に1社(28%)にとどまっているのは、チャレンジから生じるリスクへの懸念が理由と考えられます。ビッグデータ活用は、一人歩きするそのイメージとは裏腹に、大多数の企業にとって依然未知の領域なのです。

また、データ・アナリティクスも多くの可能性を秘めていますが、先行きは不透明と言わざるを得ません。そのため多くの企業では、ビッグデータを全社的に導入するのではなく、「ちょっと触れてみる」だけにとどまっているようです。これも同様に、成果が明確でないものを受け入れるリスクに対する懸念が背景にあると考えられます。とはいえ、何らかのリスクが伴うのはこうした戦略の常というものです。世界で最も大きな成功を収めているディスラプターに共通した特性の1つとして高度なデータ・スキルが挙げられますが、既存の企業がデータドリブンな戦略を展開できないのであれば、明るい未来の見通しは決して見えてきません。ビジネスリーダーがデータドリブンな世界に自信をもってチャレンジするためには、これまで以上の教育やサポートが不可欠です。

「データ・アナリティクスの大規模な活用を計画している組織は、半数以下(42%)にとどまっている」

Kerrie Laird

Customer Experience & Innovation Lead
Vodafone UK
ケリー・レアード(Kerrie Laird)
カスタマー・エクスペリエンス&イノベーション・リード
ボーダフォンUK

ボーダフォンのカスタマー&イノベーション・リードを務めるケリー・レアードは、収集したデータの価値を最大化して、革新的な方法で活用するためのサポートを企業に提供しています。

私たちがぜひとも解消したいと思っているのが、データ活用そのものについての疑問です。企業の多くはデータの収集は行っていますが、それらのデータを活用しない企業もあれば、どのように活用すればよいかが分からない企業も少なくありません。そこで私たちはイノベーション・セッションを開催し、企業がデータを活用してカスタマーサービスを改善する方法や収益を高める方法、将来的なビジネスの方向性や拡張に関する意思決定を行う方法などに関して、アイデアを共有しています。

オランダのTomTom社はイノベーション・セッションに参加した後、ボーダフォンとパートナーシップを締結。同社はこのパートナーシップのもと、トラフィック・サービスを開発しました。現在、世界40カ国でサービスを展開し、高速道路や幹線道路、周辺道路におけるリアルタイムおよび過去の交通情報の提供を行っています。

ケーススタディを見る

こうしたアプローチは小売りの分野にも応用できます。たとえば小売業者はデータを活用することで、店舗内や店舗周辺の消費者の行動を理解することができます。これらの情報を基にして、看板をどこに置くかといった簡単な判断から、店舗の移転や拡張といった大きな選択に至るまで、さまざまな意思決定に役立てることが可能です。

4.スピード不足

イギリスの大企業(従業員数750人以上)は、中小企業よりもデジタル化レベルが高い一方で、顧客への対応に時間がかかるという欠点も見られます。顧客からの問い合わせ対応に要する平均時間は、企業規模が大きくなるにしたがい長く、大企業の約半数が、問い合わせに1日以内に対応できず、18%が対応に1週間以上を要しています。

スピード不足

今消費者は「今すぐこの場で」、直ちに満足したいのです。レコメンドを重視した市場が発展しつつある今、顧客に向けて優れたサービスをタイムリーに提供できなければいけません。

結論

急速に変化し続けるデジタル社会では、自社のデジタル化レベルの把握は最も重要な経営課題です。イギリスの官民部門は今、臨界点にあります。現在のデジタル化レベルはある程度の企業インフラを実現していますが、近い未来のおいてのこれは十分ではありません。現在イギリス企業の半数は、今後5年間のデジタルの進化のペースに追随できるかどうかに不安を抱いています8

すでに測定を行った企業の結果を見ても、未来のデジタル化レベルが重要であることは明白です。大切なのはモバイル化、全社的なデジタルの活用、アップデートやグレードアップを通じた顧客とのエンゲージメント向上の3つです。同時に、分断されたシステム、縦割りの職場、アナリティクスの未活用、ビジネススピードの不足という4つの課題にも対応しなければなりません。

これらの基本原則を押さえることができれば、企業はこれからも成長を持続できるはずです。本レポートについての皆様の感想やご意見を、ぜひお聞かせください。デジタル化を目指すためのステップをどう考えるか? 貴社はどのようなアプローチによってデジタル社会に適応していますか? 皆様からのご意見をお待ちしています。

8 mediacentre.vodafone.co.uk/pressrelease/millions-of-british-businesses-dont-feel-ready-to-deal-with-the-future-of-digital-technology/

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