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イタリアの郵政公社ポステ・イタリアーネ:仮想移動体通信事業者設立で事業変革

ポステ・イタリアーネは、同社が立ち上げた仮想移動体通信事業者(MVNO)「ポステ・モバイル」を通じ、どのようにして短期間で革新的なモバイルプロバイダーに成長したのでしょうか。

概要

ポステ・イタリアーネは、イタリア国内で以前から提供していた郵便、銀行、認証機関の各サービスを統合し、それらのサービスに一般的な携帯電話端末からアクセスできる仕組みを構築しました。現在はそれを駆使することで、非常に魅力的な新しいモバイル・サービスを利用者に提供しています。

同社は、「ポステ・モバイル(PosteMobile)」という名称で仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)を設立し、携帯電話サービスを提供するという意向を2007年に発表していました。それを実現するMVNE(Mobile Virtual Network Enabler)として、重要な役割をポステ・イタリアーネから託されたのがアクセンチュアです。

ポステ・イタリアーネは、MVNOの立ち上げに当たり、次のような構想を描きました。すなわち、無線通信技術を活用して革新的かつ収益性の高いサービスを提供しつつ、利用者が携帯電話を介して同社既存の郵便/金融商品にアクセスしやすくするという構想です。

ポステ・イタリアーネ・グループは、郵便サービスに加え、通信/物流/金融分野のサービスと商品を、イタリア全土にわたって提供しています。この10年間で事業プロセスの刷新に取り組んだ結果、同グループはサービスの幅を広げるとともに品質を向上させることに成功しました。ポステ・イタリアーネは、このような改革を迅速に進める過程においても、1万4000カ所近い郵便局と15万人を超える従業員を通して、同社が企業として掲げる使命を忠実に果たしてきました。さらに、個人、企業、行政機関といった利用者のニーズに応えるという、創設以来の使命も全うし続けています。

事業上の課題

イタリアのモバイル通信市場は、世界でも最も収益性が高い水準にある半面、最も飽和が進んだ状態にあります。また、世界的に見ても、MVNOが成功を収めるのはそれほど容易ではありません。実際に、欧州や米国では既に数年前からMVNOが事業を展開していますが、MVNOがモバイル通信市場で大きなシェアを獲得できている国はわずかです。

そうした背景からポステ・イタリアーネは、自社が新たなMVNOの取り組みを成功させるには、いくつかのハードルを乗り越える必要があると考えました。まず、単なるモバイル通信サービスにとどまらず、それを活用して他社と一線を画す革新的なサービスも提供しなければなりません。また、計画策定からサービス提供開始までの工程を、高いコスト効率で迅速に進めることも不可欠です。加えて、まったく新しい組織を、非常に短い期間で立ち上げる必要もあります。

さらに、1万3800カ所にも上る既存の郵便局をポステ・モバイルの販売網として機能させるための技術プラットフォームを構築しなければなりません。しかも、その技術的な課題を解決すると同時に、既存の郵便局をモバイル通信サービスの新たな販売網に取り込むには、組織変革の高度な管理スキルと大規模なトレーニングも必要です。

アクセンチュアの支援内容

ポステ・イタリアーネは、MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)としての重要な役割をアクセンチュアに託しました。その理由は、同社とアクセンチュアが既に強固な関係を築いていたからです。また、業界における経験が豊富なことや、「アクセンチュアMVNOアクセラレータ・ソリューション」のように実績のあるサービスを有していることも、アクセンチュアが選ばれる理由となりました。

アクセンチュアは、アクセンチュアMVNOアクセラレータ・ソリューションを適用することでポステ・イタリアーネのリスクを軽減し、MVNOサービスの提供に向けた準備作業を加速することに成功しました。アクセンチュアは、高い専門性を持つ経験豊富なチームを編成して同ソリューションを提供するとともに、MVNOの立ち上げと運営に不可欠な要素についてポステ・イタリアーネを支援しました。具体的には、以下のような要素です。

  • ビジネス・サポート・システム(BSS)機能:CRM、課金処理、顧客用ポータルサイト、ディーラー用ポータルサイト、データウェアハウスなど
  • ネットワークの要素:サービス制御ノード、GPRS(汎用パケット無線サービス)ゲートウェイ支援ノードなど
  • サービス提供プラットフォーム:SIMベースのVAS(付加価値サービス)提供を可能にするモバイル用ポータルサイトなど

ハイパフォーマンスの実現へ

アクセンチュアは、多様なクライアントに対してサービスを提供してきた経験と、実績のあるサービスを活用することで、ポステ・モバイルが使用するインフラの設計から実装までを5カ月足らずで完了させました。具体的には、102のインタフェースを構築し、41のシステムを統合しました。統合したシステムには、ポステ・イタリアーネのシステムと、同社が選定したネットワーク事業者のシステムが含まれています。アクセンチュアは、ポステ・モバイルのサービスを販売する担当者が利用するシステムを実現しました。そのシステムには、ポステ・イタリアーネの1万3800カ所の郵便局と、販売代理店の担当者6万人がアクセスしています。

アクセンチュアがMVNEとして実現したプラットフォームは、最新のソリューションや技術に対応する更新/強化を継続的に施せる仕組みになっています。それによりMVNOは、魅力的な商品をサポートしたり、革新的なサービスを提供したりすることが可能です。さらに、総合的な運用性とユーザビリティを改善することもできます。ポステ・イタリアーネは、MVNOサービスを提供する子会社としてポステ・モバイルを設立しました。それにより、イタリアの郵便事業は大きな変革を遂げました。

結果として、この変革はMVNO業界に新たな競争軸をもたらしたのです。ポステ・イタリアーネは、イタリア国内で以前から提供していた郵便、銀行、認証機関の各サービスを統合し、それらのサービスに一般的な携帯電話端末からアクセスできる仕組みを構築しました。現在はそれを駆使することで、非常に魅力的な新しいモバイル・サービスを利用者に提供しています。

ポステ・イタリアーネとポステ・モバイルのビジネスは、大きな成果を上げています。それにより、両社の業績は大幅に改善しました。ポステ・モバイルは、新興企業として始動してから1カ月間で、10万人ものサービス加入者を獲得しました。現在の加入者数は300万人にも上り、イタリアで最大規模のMVNOへと成長を遂げています

郵便業界におけるアクセンチュアの取り組みについては、郵便業界向けサービスページをご覧ください。