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CAPABILITY


スマート・サービスが製造業界にもたらす破壊的イノベーション

スマート・サービスを使ったビジネスモデルが、自動車・産業機械メーカーなど成熟企業にもたらす脅威とは

スマートサービスとは

「スマート・サービス」は、センサーが搭載され、インターネットとつながった数十億ものスマート・プロダクトから得られるデータの収集・分析から生まれる、これまでにないまったく新しいサービスです。スマート・サービスを使ったビジネスモデルの登場は、自動車メーカーや産業機器メーカーといった成熟企業に大きな脅威をもたらします。革新的かつ付加価値の高いサービスの開発力において、成熟企業は今、新規参入企業たちに水をあけられているのです。

 インターネットとつながった数十億ものスマート・プロダクトが生成する大量のデータは、製造業界に甚大な影響をもたらし、伝統的なビジネス/決済/サービスモデルを破壊しようとしています。モノのインターネット(IoT)によって収集されるデータは分析によって新たな意味を持ち、相互に結び付けられて補完し合うことで、洗練されたスマート・データとなります。これらのスマート・データを「原料」として、革新的なスマート・サービスが生み出されるのです。

たとえば診断装置のオペレーティング企業は、運用・管理するあらゆる診断装置 のデータを収集・分析し、その結果を活用することで新しいサービスを開発することができます。ミュンヘンに拠点を置くデバイス・インサイト(Device Insight)は、機器類やプラントから集められたデータを分析・視覚化できるプラットフォームを開発しました。すでに100社を超える中小のオペレーティング企業が同社のプラットフォームを導入し、顧客のインテリジェント・マシンから得られるデータの活用に役立てています。

脅威に直面する成熟企業

製造業界では、こうした破壊的イノベーションに対する備えが十分ではないメーカーが少なくありません。特に、従来の製品主体のビジネスモデルからサービス主体のビジネスモデルへの転換を図れていないメーカーが多数見受けられます。最近の調査*では、製造企業の役員の88%は、IoTのビジネスモデルを深く理解していない、あるいは長期的な視点でIoTが業界にもたらす影響を認識できていないことが明らかになりました。IoTの実践に向けたデジタル戦略をすでに策定済みだと回答したのは、全体の40%にとどまっています。

コネクテッド・プロダクトや、データを真のビジネス・インテリジェンスへと変えるアナリティクス技術は急速に普及しつつあります。こうした背景から、デジタル・ビジネスモデルがもたらすより大きな価値やイノベーションに期待を寄せる顧客が製造業界においても増えつつあり、また彼らの期待に応えるべく、物理的資産を持たない企業を含めて、業界外からの新規参入企業が台頭しようとしています。

*スマート・サービスが製造業界にもたらす破壊的イノベーションに関する調査をインフォグラフィックで見る [PDF]


スマート・サービスの隆盛

これからの市場を制するのは、スマート・データを制する企業です。新たなデジタル・ビジネスモデルの誕生により、ビジネスの焦点はサービス・プラットフォームへと急速に移り変わるでしょう。デジタル・ビジネスモデルのプロバイダーはプラットフォーム市場を支配し、スマート・サービスの主力サプライヤーとして台頭してくるはずです。これらのサプライヤーはデジタル・エコシステムを構築し、自社のプラットフォームをサードパーティに提供することで、さらなる成長を遂げていくと考えられます。そして、サードパーティ各社はウェブベースのビジネスモデルを開発し、プラットフォームの一層の普及を促して、新たな収益源を生み出す未来が到来しようとしています。

トリンブル(Trimble)のコネクテッド・ファーム・プラットフォームがその好例です。コネクテッド・ファームは農業従事者向けの中央管理システムとして、農作のモニタリングを支援するプラットフォームです。ダッシュボード・ポータルには、商品価格や天候、ドップラー・レーダー、全降水量、灌漑モニタリング、車両位置、フィールド・オペレーション、作物のスカウティング調査、マップといったさまざまな情報をカスタマイズできるウィジェットを装備。サードパーティがコネクテッド・ファームを活用して、自社のスマート・サービスを農業従事者に提供することも可能です。

たとえば、農業機器およびインフラの世界的なメーカー/ディストリビューターであるAGCOは、自社システムとコネクテッド・ファームのワイヤレス・コネクション・サービス**を提供しています。このサービスを利用することで農業従事者は、コネクテッド・ファームのダッシュボードからAGCO製機器のデータにアクセスすることができます。こうしたプラットフォーム・ベースのコラボレーションにより、顧客は運用データに容易にアクセスして、生産性やモビリティ、意思決定を改善できるという仕組みです。

** 出典 : http://www.trimble.com/news/release.aspx?id=072715a

脅威に備える

既存のメーカーは今、新規参入者に取って代わられるリスクにさらされています。このような競争の脅威に立ち向かい、スマート・サービス市場で主力プレイヤーとしてのポジションを確立するためには、デジタル・エコシステムの中で今後どのような役割を担うべきか、戦略的な意思決定を下さなければなりません。たとえば、以下のような役割が考えられます。

  1. スマート・サービス・プラットフォームを開発する

  2. コネクテッド・デバイス、オープン・アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)、アナリティクス、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)など、基盤技術を提供する

  3. 決済、調達、スマート・データの管理など、プラットフォーム運用サービスを提供する

  4. 資金調達、保険、関連性の高い情報の即時提供など、プラットフォーム向けの製品やサービスを提供する

新たな役割に関する戦略的な意思決定に続けてやるべきことは、インテリジェント・インフラおよびアプリケーションへの適切な投資です。さらに、人材およびチェンジ・マネジメントに関する入念な検討も行わなければなりません。スマート・サービスは、マシンと人のインタラクションがより頻度を増すなど、人々の働き方に抜本的な変化をもたらすことになるからです。

製造業界とサービス業界の境界線があいまいになり、市場に大きな変化が起こりつつある今、メーカーが新たな市場の形成を主導したいと考えるなら、継続的な努力と投資は欠かせないものとなるでしょう。スマート・サービスは、業界の変革の大きな役割を担おうとしています。メーカーは、自らも変革を後押しできるよう準備を整えていかなければならないのです。


筆者

開示可能な詳細データもありますので、ご興味のある方はアクセンチュア製造・流通本部までお問い合わせください 。



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