調査レポート

サマリー

サマリー

  • ユーティリティ業界の旧態依然としたビジネスモデルおよび投資策では、新たに発展を遂げるエネルギー・エコシステムに対応することは困難です。
  • 困難なかじ取りを迫られますが、成長および業績拡大の可能性に恵まれてもいます。
  • エネルギー各社は、創造的破壊のオポチュニティを最大限に活かし将来を形作ることが求められます。
  • 業界の未来は旧態依然の運用方法から脱却し、熱意を持って創造的破壊を推進する、既存企業の肩にかかっていると言えます。


エネルギー企業は、かつてない創造的破壊の時代を迎えています。業界に根強く残る従来型のビジネスモデルや、保守的になりがちな革新アプローチでは、創造的破壊に立ち向かうことは不可能です。

高度にデジタル化された最新エネルギー技術の導入や、閉鎖的かつ過渡期にある市場トレンド、消費者動向の変動が変化を加速しています。脱炭素および再生可能エネルギーの義務化、化石燃料市場、新規参入企業の台頭など、あらゆる要素が市場のボラティリティおよび脆弱性に拍車をかけています。

関連記事:アクセンチュア・ユーティリティのブログに見る最新のインサイト(英語のみ)

従来型のビジネスモデルや既存の投資計画では、新たに発展を遂げるエネルギー・エコシステムに対応できないことが明白です。規制当局もこれまで以上に開かれた市場という主要なトレンドを見据え、新規企業の参入を促進し、顧客の選択肢を拡大するとともに、再生可能および分散型の資源をエネルギー・システムに組み込んでいます。このような努力の積み重ねや規制改正に創造的破壊という潮流が合わさって、今後数年で業界は大きく変化することが予想されます。

レガシー・アセットと化石燃料集約型の発電システムを抱えながら、新たな電力モデルへの転換を進めるエネルギー企業にとって、向こう10~15年間は長期的な変動の時代となるでしょう。エネルギー企業の多くはハイブリッドモデルによる操業を求められます。このモデルは地理的条件によって異なる市場の成熟度、テクノロジー、顧客への普及曲線に合わせ、多角化し運用速度を変化させると考えられます。

エネルギー企業は創造的破壊の潮流に乗ることで、コアビジネスの再編へ向けた変革および革新戦略を導入する機会を獲得し、業績と成長の新たな可能性を獲得することが可能です。

エネルギー各社が目指すのは、脱炭素的かつ分散型で顧客志向のデジタル・エネルギー・システムを用いた、インテリジェントなユーティリティ企業

エネルギー企業は、過去のビジネスおよび運用モデルの中で見過ごされてきた、潜在的な価値をうまく活用することで再投資額を拡大し、これにより投資能力を高めることが可能です。またデジタル技術の普及により、顧客中心かつダウンストリームのビジネスモデル、発電システムの脱炭素化、インフラの近代化、グリッドの強化および拡大などの分野でも、優れた価値が生み出されるでしょう。

すでに脱炭素的かつ分散型の新たなデジタル環境に向け、着実に転換を図っている企業も少なくありません。これらの企業は新たな価値を獲得し迅速な拡大を図るために、未来志向の戦略開発と最新のケイパビリティ構築に努めています。

今後インテリジェントなユーティリティ企業へ向け転換を図るためには、以下の3ステップを組み合わせた取り組みが必要であるとアクセンチュアは確信しています。

  1. コアビジネスの変革:最新のデジタル技術を駆使し既存事業を最大限効率化します。
  2. コアビジネスの成長:国内における需要拡大、総資産利益率(ROA)の向上、規制予測の可能性を追求します。
  3. 新たなビジネスの拡大:次世代型テクノロジー、および分散型資源が持つダウンストリームの可能性に加え、全く新しい顧客関連サービスを用いて、これまでにない新たな成長トレンドを構築します。

15-20%

コネクテッド・ワーカーの取り組みを通じ保守サービス費用を削減

20-50%

カスタマーオペレーションのデジタル化により人件費を削減

異なる市場構造、経済的実態、創造的破壊が、エネルギー企業に与える影響は様々です。しかし全企業が共通して直面しているのは、大規模な変革が求められているという現実です。取り組みを前進させるための一元的なアプローチは存在しませんが、状況を打開する戦略的な必須事項として以下が挙げられます。

  1. 新たなビジネスモデルの実現
  2. イノベーション構造の確立
  3. 顧客重視体制の定着
  4. コアビジネスだけでなくあらゆる領域でデジタル技術に投資
  5. コストの最適化
  6. 柔軟な労働力確保の推進
  7. 新しい市場および規制モデルの開発

マティアス・アロンソ​​​​

アクセンチュア、ユーティリティ担当シニア・マネジング・ディレクター

関連コンテンツはこちら


Subscription Center
Stay in the Know with Our Newsletter Stay in the Know with Our Newsletter