ユーティリティ企業における将来的な価値と成長の実現に向けて
2018/05/16
2018/05/16
エネルギー企業は、かつてない創造的破壊の時代を迎えています。業界に根強く残る従来型のビジネスモデルや、保守的になりがちな革新アプローチでは、創造的破壊に立ち向かうことは不可能です。
高度にデジタル化された最新エネルギー技術の導入や、閉鎖的かつ過渡期にある市場トレンド、消費者動向の変動が変化を加速しています。脱炭素および再生可能エネルギーの義務化、化石燃料市場、新規参入企業の台頭など、あらゆる要素が市場のボラティリティおよび脆弱性に拍車をかけています。
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従来型のビジネスモデルや既存の投資計画では、新たに発展を遂げるエネルギー・エコシステムに対応できないことが明白です。規制当局もこれまで以上に開かれた市場という主要なトレンドを見据え、新規企業の参入を促進し、顧客の選択肢を拡大するとともに、再生可能および分散型の資源をエネルギー・システムに組み込んでいます。このような努力の積み重ねや規制改正に創造的破壊という潮流が合わさって、今後数年で業界は大きく変化することが予想されます。
レガシー・アセットと化石燃料集約型の発電システムを抱えながら、新たな電力モデルへの転換を進めるエネルギー企業にとって、向こう10~15年間は長期的な変動の時代となるでしょう。エネルギー企業の多くはハイブリッドモデルによる操業を求められます。このモデルは地理的条件によって異なる市場の成熟度、テクノロジー、顧客への普及曲線に合わせ、多角化し運用速度を変化させると考えられます。
エネルギー企業は創造的破壊の潮流に乗ることで、コアビジネスの再編へ向けた変革および革新戦略を導入する機会を獲得し、業績と成長の新たな可能性を獲得することが可能です。
エネルギー各社が目指すのは、脱炭素的かつ分散型で顧客志向のデジタル・エネルギー・システムを用いた、インテリジェントなユーティリティ企業
エネルギー企業は、過去のビジネスおよび運用モデルの中で見過ごされてきた、潜在的な価値をうまく活用することで再投資額を拡大し、これにより投資能力を高めることが可能です。またデジタル技術の普及により、顧客中心かつダウンストリームのビジネスモデル、発電システムの脱炭素化、インフラの近代化、グリッドの強化および拡大などの分野でも、優れた価値が生み出されるでしょう。
すでに脱炭素的かつ分散型の新たなデジタル環境に向け、着実に転換を図っている企業も少なくありません。これらの企業は新たな価値を獲得し迅速な拡大を図るために、未来志向の戦略開発と最新のケイパビリティ構築に努めています。
今後インテリジェントなユーティリティ企業へ向け転換を図るためには、以下の3ステップを組み合わせた取り組みが必要であるとアクセンチュアは確信しています。
15-20%
コネクテッド・ワーカーの取り組みを通じ保守サービス費用を削減
20-50%
カスタマーオペレーションのデジタル化により人件費を削減
異なる市場構造、経済的実態、創造的破壊が、エネルギー企業に与える影響は様々です。しかし全企業が共通して直面しているのは、大規模な変革が求められているという現実です。取り組みを前進させるための一元的なアプローチは存在しませんが、状況を打開する戦略的な必須事項として以下が挙げられます。