エネルギープロバイダーは、新たな顧客価値の創出機会をもたらすための様々な課題と業界のディスラプションに直面しています。アクセンチュアの調査と分析により、新たなエネルギーエコシステムにおける最大の成長は、新商品やデジタル化が実現するサービスとインテリジェントな価値命題を通して、ダウンストリームのエネルギー小売からもたらされることが明らかになりました。現在エネルギー小売が占める業界価値全体における割合は10%にすぎませんが、新たな収益機会を導入することで今後10~15年間で24%まで拡大すると予測されています。

注力すべき領域はバリューチェーンの終端である顧客サイドであり、目標を達成する方法は魅力的な消費者エクスペリエンスの創出です。すべてのデジタル化は、個々のインタラクションで企業に勝利をもたらすような顧客体験(CX)を提供し、消費者とハイパーレリバントを確立するための機会だと言えます。エネルギープロバイダーは、マーケティングやオペレーション、テクノロジーを駆使し、商品購入がもたらす期待を上回る新たな次元のコネクティビティを実現する必要があります。企業は新次元への適応力を身に付けた「リビング・ビジネス」企業へと進化しなければなりません。

リビング・ビジネスとはどのような企業を指すのでしょう?リビング・ビジネス企業は、顧客データとテクノロジー、マーケティング、営業、サービスそれぞれの重要性を明確に認識しています。それだけではありません。アクセンチュアは調査結果から、企業が消費者とハイパーレリバントを構築しそれを持続するための3つの主要な文化的性質を特定しました。

  1. 一貫したインテリジェントの提供:ブランド価値に忠実であり続ける一方で、顧客、パートナー企業、社員のすべてのニーズにリアルタイムで対応可能なデータ駆動型の体験を創出している。
  2. レスポンシブイノベーションの実現:企業のインフラと文化が新たなアイデアや行動、テクノロジーの効果を受け入れる素地を持ち、迅速に予測して対応するための準備が整っている。
  3. アジャイル型組織の確立:組織のサイロ化を徹底的に排除した業務運用モデルによって、必要な人が必要なタイミングで知識を得ることができて素早い意思決定が行える。

アクセンチュアの調査では、ユーティリティ業界のハイパフォーマンスなリビング・ビジネス企業は、組織文化の転換を実現するために、ハイパーレリバントを構築し持続するために必要な特性である「活力 (vitality)」を定義する5つのケイパビリティすべてにおいて秀でていることが明らかになりました。

  1. 継続的なイノベーションを促進するコア施策とディスラプティブな成長施策をターゲットとした戦略を立てている。
  2. ビジョンと目的を反映したハイパーレリバントを実現するためのプラットフォームとして商品およびサービスを設計している。
  3. プロトタイプを構築し、企業におけるすべてのエンゲージメントチャネルで、新しい革新的なエクスペリエンスを実現し、消費者からの生きたフィードバックを得ることができる。
  4. 幅広くエコシステムパートナーと連携して能力を拡大し、プラットフォーム、パートナーシップ、アライアンスを通じて市場における可能性に到達できる。
  5. 顧客中心のマインドセットを取り入れて強化することで企業文化とワークフォースを再構築して、組織の構造、指標、文化などを変革している。組織が目指すハイパーレリバントを実現させるために、従業員自身が業務でどのように貢献できるかを具体的に理解できるようにしている。

リビング・ビジネスの動向を探る

アクセンチュアの最新調査では、すべてのエネルギープロバイダーがリビング・ビジネス企業に進化すべきことの必要性が示されています。

調査結果によると、ハイパフォーマンスなエネルギープロバイダーの90%が「3年前と比較してはるかに反復的で、ダイナミックかつアジャイルなアプローチが必要」と考えていることが分かりました。さらに、80%が「現状で成功するためにビジネスを再考する必要がある」と回答しています。これらのリーダー企業では新たな顧客中心のマインドセットの重要性を認識しており、90%が「より優れたレリバントとリアルタイムかつダイナミックな体験によって、今後の消費者の期待が形成されるようになる」という考えに同意しています。対照的にパフォーマンスが低い企業では、こうした現実に同意を示す割合ははるかに少なくなります。

エネルギー業界のリビング・ビジネス企業は、自社を境界のないコネクテッドエネルギーエコノミーの中に位置づけ成長を目指しています。コアビジネスと新たなケイパビリティの双方にバランスよく投資し、顧客中心のマインドセットを受け入れて継続的に活力を養っており、新たなエネルギーエコシステムでの生き残りと成功を確実なものにしています。

まずは、アクセンチュアの「リビング・ビジネスに関する調査」を読んで、組織の活力を高めるために必要な要因と成功を収めている企業について知識を深めてください。その後「 ユーティリティ企業における将来的な価値と成長の実現に向けて」で、インテリジェントな顧客オペレーションを活用して変革したコアビジネスを、パーソナライゼーションを用いてさらに成長させ、新たなコネクテッドエネルギーソリューションの革新と拡大に向けたビジネス機会について掘り下げていくとよいでしょう。

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