アクセンチュアの最新調査レポート「コネクテッドなエネルギーエクスペリエンスの実現へ向けて」では、優れたエネルギープロバイダーは顧客から「愛される」ことがいかに重要であるか示されています。
競争の激しい小売エネルギー市場における顧客体験(CX)に最高評価を与えている住宅用エネルギー消費者(調査回答者全体の4分の1)のうち、20%は現在のプロバイダーを変更するつもりがなく、37%が周囲にプロバイダーを薦める意欲を持っており、22%が十分に満足を感じていると回答しています。この傾向は競争の少ないエネルギー市場においても同様で、高評価を与える消費者のうち34%が周囲に薦める意欲を持ち、20%が十分に満足を感じているという回答が得られています。

中小企業の消費者セグメントにおける潜在的影響も同様の結果でした。アクセンチュアの分析では、平均的な規制されたエネルギープロバイダーが、5年間の中小事業向けデジタルトランスフォーメーション施策を実施することで1,000~1,500万ドルのコスト削減を実現する可能性を示しています。競争の激しい小売市場ではさらに大きな価値の可能性が示されています。欧州の平均的な規模のエネルギー小売企業では、同期間で3,200~3,700万ドルの純利益を追加できる可能性があることが明らかになっています。

その一方で、住宅用および中小企業の顧客体験(CX)では、多くのエネルギープロバイダーがこれまで投資を行ってきたにもかかわらず、常に大きな成果を得ているわけではありません。背景として、オペレーションの不整合やデータ統合の欠如により企業のCXがサイロ化していることが挙げられます。また、エネルギー消費者の期待の変化が激しく、多くのエネルギープロバイダーが対応できていないという現実もあります。したがって、消費者の半数以上(54%)が他のエネルギープロバイダーのCXを検討していることは驚くべきことではありません。契約している企業のCXがAmazon社、Google社、Netflix社などの業界をリードする企業と同程度だと感じている消費者はわずか38%にすぎないという、この数値こそが重大なビジネス機会の存在を示しています。

顧客のニーズや期待を徹底的に探り応え続ける

変化し続ける環境にリアルタイムに対応しながら顧客のニーズと期待に応えていく能力―「レリバンス」はCXの中核です。エネルギープロバイダーは、消費者との強固なつながりを構築するために、継続的に新たなケイパビリティを評価、適用し、より機敏で柔軟かつ革新的なリビング・ビジネス企業となる必要があります。
住宅用および中小企業の顧客にかかわらず、キャッチアップに躍起になることをやめ、真の意味で顧客に追いつくことが重要です。コネクテッドエネルギーエクスペリエンスにおいてパーソナライゼーションを主要な施策とする際には、 Nike社 とNorth Face社のような業界を横断するCXリーダーの事例に追随する必要があります。両社は終わりのないチャネルの可用性とシームレスなクロスチャネルエクスペリエンスの実現を目指して、消費者がパーソナライズされたカスタマージャーニーを設計できるよう推進し、努力を続けています。

急速に変化するエネルギーエコシステムでは顧客こそが新たな価値の源泉です。コネクテッドエネルギーエクスペリエンスの確立はその価値を手にするための手段です。次回は、住宅用および中小企業の顧客から愛され続けるようなコネクテッドエネルギーエクスペリエンスの設計と活性化の手法について詳しく掘り下げます。

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