アマゾン ウェブ サービス(AWS)とアクセンチュアが2015年から推進しているビジネス事業体「Accenture AWS Business Group(AABG)」は、2社の協業によってグローバル全域で包括的なサービスを展開しています。

AABGではお客様向けのセミナーイベントを定期的に開催し、AWSの最新事例の紹介、ノウハウやナレッジの共有、ユーザー/パートナーを招いた懇親会による情報共有などを継続してきました。

2019年12月にAABGが開催した本セミナーでは、クラウド活用をテコとして加速させるデジタル変革(トランスフォーメーション)の最前線を解説しました。

今回は、AABGのコアメンバーによるパネルディスカッションを実施し、今後の注目テクノロジーとデジタル変革における要諦が議論されました。本稿ではそのパネルの模様を詳しくレポートします。

テクノロジーだけではない。
デジタル変革実現のための「第1歩」とは?

パネルには下記3名が参加し、「クラウドを梃としたデジタル変革(DX)の実現に向けて、企業が抑えておくべきテクノロジーは何か?」をテーマにディスカッションされました。

  • 江原 孝大氏(アマゾン ウェブ サービス ジャパン 技術統括本部 パートナー技術本部 パートナーソリューションアーキテクト)
  • 岡 智也(アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービス グループ Cloud CoE シニア・プリンシパル APN Ambassador)
  • 門倉 新之助(アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービス グループ Cloud CoE マネジャー)

このパネルでは、聴講者が専用アプリを使って質問や意見を壇上のスクリーンに表示できるサービスを活用。非常にインタラクティブなパネルディスカッションだったといえます。その模様をダイジェストでご紹介します。

江原 孝大 氏
アマゾン ウェブ サービス ジャパン 技術統括本部 パートナー技術本部 パートナーソリューションアーキテクト

江原氏 そもそもデジタル変革とはどのようなものでしょうか? それぞれの考えをお聞かせください。

 今後の私たちの生活やビジネスにおける様々な場面が、オンライン(=システム上)で解決するようになります。一方で、リアル店舗や接客業などのサービス従事者にとっては、お客様と対面している裏でシステムがリアルタイムで動作してフィードバックを返すサポートを受けられる時代になります。

門倉 デジタル変革によって、「変化し続ける」「変化に耐える」「変化を受け入れる」「心地よく変化できる」といったことが実現可能になります。技術は常に最新のものが登場し続けますから、私たちも常に挑戦し続けなければいけません。そうしたことを会社組織や個々人が受け入れる体制を作ることが、デジタル変革のポイントだと思います。

江原氏 そういう意味では、会社が自ら変わっていけるかどうかですね。テクノロジーだけでなく、組織、人材、いろいろなものが絡み合い、全体で進めていくことがポイントだと感じました。デジタル変革を進めるうえでは、何から手をつけ、第1歩を踏み出せばいいでしょうか?

 「自らイニシアチブを持って実行すること」です。デジタル技術やAWSを活用しているお客様には特徴があります。お客様自身が技術を学び、理解し、企画して勉強して開発する。こうした企業がデジタル化を成功させやすい傾向にあります。情報システム部門の方々は日々の仕事に忙殺されているケースもありますが、それを打ち破って、仮説ベースで思考してビジネスを立ち上げ、フィードバックを得て、継続的に改善する。これをお客様自身がイニシアチブを持って取り組むことが大切だと思います。

門倉 「まずは企業文化を作ること」が大切だと考えます。「変化を恐れない」「変化していく」というマインドになることです。変化することに慣れ、いい結果が出て、繰り返しやってみようということが増えると、全体としてのトランスフォーメーションが増え、文化として定着します。

re:Invent 2019における注目リリース

江原氏 re:Invent 2019でリリースされた新機能/エンハンスのうち、おふたりが注目しているものは何ですか?

 お客様が抱えている「日々の課題」の解決に貢献するサービスに注目しています。具体的に1つ挙げると「不正検知機能」です。私はECのお客様をご支援するなかで、リスト型攻撃の予防と対策を行うことがあります。今回発表されたAmazon Detective を利用することで、ユーザビリティを下げることなく様々なリスクを解決できるのでは、と期待しています。

門倉 私が注目しているのはGraviton 2を用いた新しいインスタンスタイプです。現在担当しているお客様でハイパフォーマンスコンピューティングを実現させるために強力なコンピューティングリソースが重要と考えています。具体的には大量データ処理と大量の計算ですね。30〜100台くらいのインスタンスを最新のタイプで効率的に使用することで、1日掛かった処理が半日へ、半日が4時間へと短縮することが可能になると考えています。

江原氏 現在、クラウドコンピューティングの消費電力が、1つの国の消費電力を超えるほど増大しています。これは国際的な社会問題です。これを削減できれば、お客様にコスト還元できます。Graviton 2は消費電力の削減の面で効果があると期待しています。ちなみに私はContact Lensに注目しています。既存サービスを繋ぎ合わせる作業がContac Lensで簡素化されます。このような機能エンハンスがこれからも続いていきます。

左から 岡 智也(アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービス グループ Cloud CoE シニア・プリンシパル APN Ambassador)、門倉 新之助(アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービス グループ Cloud CoE マネジャー)

お客様のデジタル変革のためにAWSとアクセンチュアのできること

江原氏 会場からの声(書き込み)としては、「echoのプログラミングの簡単化」や「VPCのネットワークマップ作成機能」「データ分析・データクレンジング」などへの要望が多いようですね。「硬直化した文化を変えてくれるサービス」が欲しいという声もあります。 おふたりからAWSにお願いしたいことは何かありますか?

 AWSのサービス料金ですが、「もっと安く」なりますか?(笑)

江原氏 実はAWSは過去に60回以上値下げしています。IT業界では珍しいことですが、小売企業であるAWSには「多くの方にご利用いただくことで、運用コストを削減でき、その効果をお客様に値下げという形で還元してく」という考え方があります。会場からは「DX推進における陥りがちな罠を教えて欲しい」というリクエストがきましたね。

 「企画から3ヶ月程度以内にサービスをリリースする文化」を社内に醸成する必要があります。ウォーターフォール開発で1年以上かけているうちに、ビジネス環境が変わってしまいますから。

江原氏 今後の展望という観点ではいかがでしょうか。

 デジタル変革で重要なことは、「ベンダー丸投げでは実現しません」という点でしょう。今後も私たちはお客様の伴走者として、お客様自身がスキルアップし、企画や開発の経験を増やしていくプロセスをご支援していきます。

門倉 AABGは、お客様と共に「戦略から始める」ことができます、AWSとの協業が密であるメリットを活用し、お客様と新たな時代を作っていきたいと考えています。

江原氏 AWSも使いやすい「ピース」を揃えていきたいと思います。お客様の戦略やデジタル変革の加速をご支援する上では、アクセンチュアのナレッジを活用していきます。本日のトークの中から、気づきや持ち帰られるものがあれば幸いです。

ラップアップ|AABGはお客様とともに

AWSとアクセンチュアのアライアンスによるビジネス事業体AABGは、これからもお客様のデジタル変革のご支援を通じ、「既存事業の効率化」と「新規ビジネス創出」の両面でサポートを継続してまいります。

ニュースレター
最新コラム・調査をニュースレターで 最新コラム・調査をニュースレターで