日本のナショナル・アジェンダ(国家レベルの社会課題および解決のための行動指針・計画)として、「地域経営の継続性」を担保するためには、「生産性の向上」と「トータルコストの軽減」そして、「住民生活の満足度向上」を実現する必要があります。そのための方法論として「地域のデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現」の重要性はますます高まっています。ではDX実現のための「キーファクター」は何でしょうか。その1つが「スマートシティ・アーキテクチャー構築と、その標準モデル策定」であると私たちは確信しています。

図:スマートシティ・アーキテクチャにおける構成要素の概要
(出所:NEDO 「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期ビッグデータ・AI を活用したサイバー空間基盤技術におけるアーキテクチャ構築及び実証研究」公募要領におけるSociety 5.0リファレンスアーキテクチャ図を記載)
アーキテクチャは、システム全体を俯瞰する設計図。機能、データ、アセット等を各層に分け、各層の構成要素(個別機能、ルール、データ、アセット等)とそれらの関係性を可視化する。

「東京一極集中」により、加速する「少子高齢化」と「地方における産業構造の空洞化」が日本社会の重要課題であることは広く知られています。日本全体で社会基盤の再整備が急務とされている昨今、市民生活や企業活動に浸透しつつあるデジタル技術をいかに活用して課題解決するかが問われています。そして、日本全体で社会課題の解決と経済成長を両立させていくために、持続可能性のある「まちづくり」が求められています。

そうした、未来志向の新しい「まちづくり」の具体的方法論こそ、いわば日本型「スマートシティ構想」であり、未来社会像の実現における最重要アプローチの1つです。

地域の持続性を実現するスマートシティは公共・行政だけの取り組みで実現するものではありません。市民の参画、地域の産学官の連携を前提とした地域主導が不可欠です。こうしたモデルの実現においては、様々な世帯構成の中で市民一人ひとりの生活に幅広く対応するサービスの実現が求められるほか、特定地域に閉じることなく、「標準化の視点」で、自治体同士による広域連携による全国規模で連携・効率化することが不可欠です。

アクセンチュアはこれまでに、アムステルダム市やニューヨーク市など、国内外で80以上の都市で、あるべき将来の都市の在り方のデザインや市民への新たな価値の創造、さらには行政における先端のデジタル技術の導入など、さまざまなスマートシティプロジェクトに参画してきました。なかでも福島県会津若松市では、2011年からデジタルを活用したさまざまな地方創生施策を支援してきました。2015年より運用を開始している行政と市民のコミュニケーションポータル「会津若松+(プラス)」では、エネルギー・行政サービス・ヘルスケア、観光、教育など、市民生活を幅広く支援する8分野のスマートシティのサービスが提供され、市民利用率がすでに20%程度までに浸透しています。また、市や大学、地元企業、首都圏企業との連携を「機能分散型産業モデル」として推進してきたことで、首都圏や海外からICT企業の機能移転などが進み、先端企業21社(400名以上)の立地などの実績に結びついています。
そして、他の自治体もこの取り組みを参考とし、スマートシティの立ち上げが進んでいます。たとえば、奈良県橿原市では、「会津若松+(プラス)」の仕組みを活用した「かしはら+(プラス)」の運用がスタートしています。

これらの取り組みを推進して来た私たちの目指すモデルが、市民中心・地域主導の「日本型スマートシティ」です。そのために、「ひな形」といえる標準モデルを定義する事業を継続してきました。特に産学官民連携による私たちの活動は高い評価をいただいており、内閣府主導で進行中の都市間連携・分野連携、拡張性と持続可能性を持つスマートシティ・アーキテクチャーの構築における、スマートシティ導入の戦略・政策や組織のあり方、ルールの整理・定義における、実績に基づいた全体要件を提言してまいります。

その中で、デジタルで実現するテクノロジー階層を標準化し、システムの共通化と多地域展開を可能にするスマートシティプラットフォーム「都市OS」はスマートシティの実現において最低限必要な機能や要件を規定し、そのためのAPIを定義します。これにより、これまで見られた、異なる地域システム間連携の弊害であった、コネクテッドコストの解消や、優良サービスの即時再利用等を実現し、全体コストを最適化します。私たちは、国内外での経験を活かし、日本のあるべきスマートシティモデルを示し、実現してまいります。

標準化

「市民中心」「地域主導」の日本型スマートシティを拡大していくためには、標準モデル・ひな形となる定義(スマートシティ・アーキテクチャー)が重要です。

世界各地の成功事例

アムステルダム市やニューヨーク市、会津若松市など、国内外で80以上の都市のスマートシティプロジェクトに参画し、様々な問題解決を図ってきた実績と知見があります。

内閣府SIPを受託

内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム」第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術におけるアーキテクチャ構築及び実証研究」の研究開発項目「スマートシティ分野:アーキテクチャ構築とその実証研究の指揮」の委託先にアクセンチュアが採択されました。

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