調査レポート

概略

概略

  • アパレル業界は、業界が排出する膨大な廃棄物に対する消費者の懸念が高まっていることを受け、「レスポンシブル・リテール」へのシフトを推し進めています。
  • ファッションおよびアパレル業界で「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」が普及する中、アパレル製品のレンタルや中古品の購入が増加傾向にあります。
  • 実店舗は依然としてなくてはならないチャネルと見なされている一方で、消費者は実店舗に単なる購入場所以上の役割を期待するようになっています。


アクセンチュアの最新の「ホリデーシーズンのショッピングに関する調査(Holiday Shopping Survey)」では、消費者の60%(女性の割合は66%)がホリデーシーズンに最も買いたいものとして衣料品と履物を挙げ、ホリデーシーズンの全支出額に衣料品が占める割合は平均20%に達する見通しです。今年のホリデーシーズンの全支出額のうち、この割合を上回ったのはギフトカードのみです。

消費者は環境と社会問題に対して一層強い関心を持つようになっており、責任について語るだけではなく、実際にそれを行動で示すブランドを支持する傾向が見られます。

アパレルリテール企業に対する消費者の期待は変化しつつあります。今や消費者の多くが、価値観や信念を共有できるアパレルリテール企業を好むようになっています。

アパレル業界の廃棄物が環境に及ぼす悪影響は、消費者にとってますます大きな懸念事項となっています。その結果、店舗とブランドはサステナビリティ(持続可能性)、レスポンシブル・リテールおよびサーキュラーエコノミーといったモデルを参考にしながら、従来のビジネスモデルの見直しを余儀なくされています。こうした現状を背景に、中古品やヴィンテージ品の再販売が増える傾向にあるほか、購入ではなくレンタルを選ぶなど、サーキュラーエコノミーに目を向ける消費者も増えてきました。

消費者はサーキュラーエコノミーに注目しており、中古品の購入やレンタルが流行しています。

48%

アパレル関連の中古品をプレゼントとして選びたいと回答した消費者の割合。

56%

アパレル関連の中古品をプレゼントとしてもらうことを歓迎する回答した消費者の割合。

24%

全消費者のうち、ホリデーシーズンのパーティーにアパレル製品をレンタルする可能性が高い/極めて高いと回答した人の割合。

34%

ミレニアル世代の年齢が上の層のうち、ホリデーシーズンのパーティーにアパレル製品をレンタルする可能性が高い/極めて高いと回答した人の割合。

出典:2019年の米国のホリデーシーズンのショッピングに関するアクセンチュアの調査

先見の明のあるアパレルリテール企業は、こうしたトレンドに合わせてサーキュラーエコノミーモデルにシフトし、廃棄物の削減や競争優位性の向上を実現しているほか、業界のバリューチェーン全体にもプラス影響をもたらしています。

調査では、アパレル製品の単体のレンタルやサブスクリプション形式のレンタル、リサイクル、再販売といったビジネスモデルは、環境に良い影響を及ぼすだけではないことが分かりました。アパレルリテール企業(特に高級市場をターゲットにする企業)にとっては、収益の向上というメリットも得られるのです。

見直される実店舗の重要性

実店舗でのショッピングは依然としてリテール企業に不可欠なチャネルの1つであり、ホリデーシーズンを目前に控えた時期には特にそれが顕著です。アクセンチュアの調査でも、消費者は今年のホリデーシーズンのショッピングの約半分を実店舗で行う予定だと回答しています。

また、CO2排出量を懸念する消費者は、スピード配送よりも店頭での受け取りを選ぶ傾向が高まっており、実店舗の役割が変化しつつあることがうかがえます。つまり、実店舗は今やショッピングを楽しむだけでなく、オンライン購入プロセスが完結する場所でもあり、さらにブランドの倫理観や事業の目標を体験する場でもあるのです。

リテール企業は実店舗のロケーションと顧客サービス戦略、オンライン購入プロセス、人材戦略、品揃え、在庫配分のすべてを統合することで、ブランドの目的を真の意味で反映させた店頭体験を消費者に提供しなければなりません。これにより、リテール企業は今年のホリデーシーズンの売上拡大をシーズン終了後にも維持できるようになるはずです。

​Jill Standish

Senior Managing Director – Global Retail Consulting Practice

関連コンテンツはこちら

レスポンシブル・リテール
成長をドライブするリテール企業のCMOの役割

ニュースレター
最新コラム・調査をニュースレターで 最新コラム・調査をニュースレターで