G成長の全てはエクスペリエンスから始まります
ビジネス成長を再び促進するエクスペリエンスの再興
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2020年のCOVID-19 (新型コロナウイルス感染症)のパンデミックによって、私たちが行うほぼすべてのこと ―何をどう購入するか、どこでどう働くか、お互いにどのようにコミュニケーションするか― の構造は大きく変わりました。今日の消費者行動の変化は一過性のものではありません。この変化は今後も続き、場合によっては常態化することも考えられます。パンデミック以前から徐々に生じていた変化がパンデミックの影響を受けて加速しています。
今まさに、エクスペリエンスの再興が進行しています。企業は従来の顧客体験(CX)の定義を超えて、卓越したエクスペリエンスの提供を中心にビジネス全体を組織化しようとする気運を高めています。エクスペリエンスは、顧客の新しい、しばしば満たされておらず頻繁に変化するニーズに応え、顧客が望む結果を達成できるようにしなければなりません。これが「ビジネス・オブ・エクスペリエンス(Business of Experience:BX)」です。
CXの進化系であるBXは、企業がより顧客志向にシフトし、確実なビジネス成長を再び促進するためのより包括的なアプローチです。CXはCMO(最高マーケティング責任者)またはCOO(最高執行責任者)の権限の領域とされてきましたが、BXは企業運営のあらゆる側面に関連するため、CEO(最高経営責任者)の優先課題となり、経営戦略として扱われます。アクセンチュアの調査では、77%のCEO が「顧客との関わり方やコミュニケーションの取り方を根本的に変える必要がある」と回答しています。
BXによって新しいリーダーシップの形が現れます。豊富な知識を持つCEOとリーダーシップチームは、次の10年で勝ち残るためにさらに深化するであろうBXを積極的に採用していくでしょう。
革新的なアプローチでビジネスを強化
本調査では、世界21カ国、22の業界にまたがる1,550人の経営者(うち約4分の1がCEO)から回答を得ました。その結果、アクセンチュアがBXにとって重要と定義した要素を採用し、実践できるよう方向転換した組織は、同業界の他社と比較して少なくとも平均6倍以上の前年比収益を達成していることが分かりました。
実際に、BXリーダー企業の前年比収益の平均はCX指向の企業を大幅に上回っています*。
1年
0.0倍
3年
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5年
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7年
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*BXに関連する調査項目への回答に基づき、組織全体で優れたエクスペリエンス創出に注力する企業上位15%(BXリーダー企業)を特定し、公開されている財務データをもとに各企業の1年、3年、5年、7年のCAGR(年平均成長率)に対する産業指標EBIT(利息及び税金控除前利益)を算出。