体験の再創造


金融サービス体験の再創造


Reimagine the Banking Experience
金融サービスにおける新たな体験の提供
世界規模のパンデミックによって顧客の期待や習慣の変化が加速しています。金融機関がデジタル社会で勝ち残り成長するためには、一人ひとりの顧客との感情的なつながりを重視し、信頼を強化する必要があります。
パンデミックを経て、顧客はお金や金融機関との関係、経済的なレジリエンスについて見直しています。

今日、ビジネス・社会・個人は、金融機関が信頼できるパートナーとなり、パーパスと利益を両立させることを望んでいます。これは世界的な危機を経て頼りがいのあるヒーローとして(あるいは少なくとも価値あるパートナーとして)立ち上がるチャンスであり、2008年の世界金融危機の時に金融機関が呈した姿とは大きく異なるものです。

変革の機運は何年も前から高まっていましたが、今、古いルールを根本的に書き換える絶好の条件が揃っています。顧客や従業員の自社ブランドにおける体験と向き合うことが、金融機関にとっての成功の羅針盤となります。​

今こそ、金融サービスの体験を再創造する時です。すなわち、卓越した体験を届けられるようビジネス全体を再構築する変革が必要です。再構築の対象にはもちろん、マーケティング、コマース、セールス、サービスなど顧客対応の機能も含まれます。

私たちは、金融サービスにおいて体験再創造の機会がある4つの領域を特定しました。それぞれが重要な意味を持っており、すべて組み合わせることで、これまでの金融サービスを根本的に再構築することができます。​
他の業界における顧客体験の再創造についての提言

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1. クレジット体験のニーズに応える


商品の多様性や利便性において、金融機関は顧客の期待に応えられていません。金融機関はローン商品や与信モデル、企業文化の再構築を通じてこれらのニーズに対応することで、次世代のクレジット体験を提供することができます。

クレジット体験を再構築し、金融サービスを向上させましょう。

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2. 決済のパラダイムシフトを主導する


決済のパラダイムシフトが起きています。決済はもはや製品・サービスを得るための最後の障壁ではなく、むしろ、消費者がコネクテッド・コマース体験を実現するための手段になります。金融機関が消費者との関係を保ち続けるには、コマース体験を再構築しこの変化を主導しなければなりません。

シームレスな決済体験を創出しましょう。

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3. パーパスを持ち
価値に基づき成長する


顧客や従業員は、自らが関わる企業には製品・サービスを売るだけでなく価値観を共有しながら共感に基づく関係を築くことを望んでいます。これは金融機関にとって、社会問題などに対する立場を明確にすることを意味します。今こそ、パーパスを再定義する時なのです。

自社の立場を明らかにしましょう。

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4. 個人に寄り添うため共感に投資する


デジタル時代の今、顧客との交流は主にオンラインで行われます。金融機関は機能的には完成されているものの、感情面においては顧客に寄り添えているとは言えません。一人ひとりの顧客との感情的なつながりを構築することで存在感を示し、信頼を維持・拡大するため、今すぐ行動を起こす必要があります。

顧客と共感に基づく関係を構築しましょう。

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変革の機運は何年も前から高まっていましたが、今、古いルールを根本的に書き換える絶好の条件が揃っています。

変革の波

今日の金融業界では、顧客や従業員の期待が利益を上回るスピードで高まっています。デジタル変革の加速を通じて人とのやり取りで提供されてきた業務をデジタルに置き換えた結果、金融機関のサービスはコモディティ化しました。そして、顧客は「信頼できる金融アドバイザー」ではなく、低コストの金融事業者を求めるようになるという危機に直面しています。

新型コロナウイルス感染症は金融業界の変化を加速させ、顧客の行動とニーズもまた急速に変わっています。パンデミック時にはデジタル取引が増加しており、50%の消費者が週に1回以上モバイル・アプリやウェブサイトを通じて金融機関とやりとりしています。この数字は2年前には32%にとどまっていました1。これに伴い、支店での取引は大幅に減少しています。

これらの変化により、消極的だった顧客や金融機関も利便性やアクセス性の高いデジタル化を受け入れざるを得なくなりました。

パンデミック発生から1年が経過した今、顧客行動が変化し、デジタル・ファーストの新しい習慣や働き方が採用され、物事がパンデミック前の状態に戻ることはないでしょう。例えば、この1年間にデジタルウォレットや現金を使わない決済方法が急速に普及したことで、決済方法のパラダイムシフトと共に将来にわたって広く利用される新しい決済方法が生まれています。

金融機関はより共感を得られるパーソナライズされた魅力的な方法で顧客にサービスを提供しなければなりません。

顧客との強いつながりと利益を維持するためには、顧客の意思・心・財布の結びつきを再構築する必要があります。そのためには、自社のパーパスや個性、製品やサービス、オペレーション、特にクレジットや決済商品にどのように反映させるかを再考することから始めましょう。​

クレジットと決済を見直す時

クレジットを取得する従来の方法は顧客にとって負担が大きく、混乱を招くプロセスとなっています。クレジット取得に必要な財務履歴や手段をすべて備えている層(「審査を通過する」と予想される層)であっても、顧客は以下のような課題に直面します。

  • 時代遅れで分かりにくい申請・審査プロセス
  • 複雑な契約取引条件
  • 重複し煩雑な書類の作成
  • 不明確な信用基準
  • 融通がきかないクレジット商品

健全な財務活動を営んでいるが信用情報の履歴に乏しい中堅の借り手や、従来からのリスクモデルでは不利な借り手にとって、審査を通らないという経験は「金融機関は自分たちの味方ではない」という認識を形成してしまいます。しかし、このような層の顧客像やお金の使い方を深く理解することで、新しいクレジット商品やリスク管理の枠組みを開発し、より多くの人々に責任を持ってクレジット商品を利用してもらうことができます。新しい層に対して、クレジット体験を再構築することができるのです。

金融機関はまた、多くの人が経験している決済時の煩雑な手続きや時間の浪費を軽減するために常に先頭に立ってきたわけではありません。決済分野において新たな提案を行っておらず、消費者や加盟店に対して新しい価値を提供してきたとは言えません。

デジタル・ディスラプターや非金融機関は新しい手法やアイデアを積極的に取り入れてサービスや体験の付加価値を高め、既存金融機関の決済ビジネスを代替し、収益を獲得することを狙っています。しかし、カード発行会社、ウォレット・プロバイダー、決済ファシリテーター、小売業者など、エコシステムを形成するいずれのプレイヤーもシームレスなコネクテッド・コマース体験を実現する総合的なソリューションを提供できていません。ここに、金融機関が介入し、消費者、小規模ビジネス、加盟店にこのような体験を提供する機会があります。

パーパスと個性

金融機関が実用的なニーズを満たす存在以上になるためには、いくつかのチャレンジを乗り越える必要があります。

  • お金は生活に欠かせないものであり人々の生活を支えているにもかかわらず、人々は銀行に興味を持つことは少なく、ましてやわくわくすることもない。
  • 社会的立場を明確にしない企業は孤立する。
  • 金融機関はサービスを提供する個人や地域社会と、より深く感情的につながる必要がある。人間的なつながりを構築しロイヤリティを高めるには、機能的な能力だけでは不十分。

しかし金融機関は多くの問題について寡黙であることが多く、そのため顧客や従業員は「何を大切にしているのか」「何を支持しているのか」を知ることが困難でした。すべての企業において、環境問題から社会正義に至るまでのテーマについて立場を表明し、株主だけでなくすべてのステークホルダーに利益をもたらさなければならないという圧力が高まっており、金融機関も例外ではありません。

パーパスは単に打ち出せばよいものではなく、体験されるべきものです。「本物だ」と感じられるためには、パーパスが社内外のあらゆるやり取りに浸透し、継続的に提供されなければなりません。これを可能にするには、企業のビジネスモデルやオペレーションの中核にパーパスが織り込まれていなければなりません。

ますますデジタル化が進む世界で人々はより共感できる人間的なつながりを求めるようになっています。しかし金融機関は機能的には完成しているものの、感情面においては顧客に寄り添えているとは言えません。その結果として、同じような商品やサービスを提供する同質的な存在とみなされ、コモディティ化や「手数料の値下げ競争」という悪循環に陥りかねません。

金融機関には、消費者や地域社会の経済的な幸福に焦点を当て、長期的な関係に基づいた信頼と利益をもたらすWin-Winの関係の中で価値と価値観を一致させるという他にはない機会があります。

私たちがここに紹介した領域には、金融機関が次時代に向けて顧客体験を再構築するチャンスがあるのです。

ケイパビリティ


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金融業界の豊富な知見で企業変革を支援し、人々の生活をもっと楽しく安全で意義あるものにする新たな体験を提供します。

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柳澤 佑

Accenture Song マネジング・ディレクター

浜野 雅之

Accenture Song マネジング・ディレクター 
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