世界のグローバリゼーションはいま、「多極化」という新たな局面を迎えています。規制対応やファイナンス、リスク管理といった金融機関の「守りのプロ」における事業成長に貢献の仕方も変容しており、新たな視座の獲得が求められています。

規制対応・ファイナンス&リスク管理部門が創る、新たな付加価値

「多極化」時代で変化する、「守りのプロ」の役割

現代のグローバル経営環境の特徴を一言で表すならば、「多極化(マルチポール化)」の時代だといえるでしょう。米中貿易摩擦やGDPR・個人情報保護法に関するヨーロッパや日本の動向、GAFAに代表されるグローバルカンパニーの戦略からポスト・コロナ時代の政府官公庁のあり方の変化まで、社会のあらゆる変化は「金融機関の外部」で起こり、進行しています。

金融機関でファイナンスやリスク管理、コンプライアンス、規制対応といった機能を司る高度な専門人材が、そうした変化の影響に対して「後追いの対応」を余儀なくされているのには2つの大きな理由があります。

第1に、顧客フロントやマーケティング、商品開発部門と異なり、管理系部門(コーポレート機能委)は社会を変化させるインパクトの直接的波及を受けにくいこと、第2に事業や経営における「ブレーキ役」「番人」といった、“守り”の性格が強い役割を期待されている組織であること。そのため「変化に対して踏みとどまる力学」が働きやすいという事情があるのです。

変化スピードの加速と世界の多極化によってグローバル統一の対応が困難である今、日本の金融機関には「変化に対する柔軟な対応」が可能なファイナンス、リスク管理、規制対応の能力が必要とされています。

営業からコーポレート機能までを巻き込む「総力戦」モデル

これらの管理部門(コーポレート機能)は伝統的に守りのプロであり続けてきました。しかし現在は「守りの活動」だけでなく、「新しいルール作り」といったプロアクティブ的な視座と、自社のビジネスを拡大・成長させるための戦略的な顧客理解・規制対応といった攻めの姿勢によるアクションも期待されています。

デジタル化時代において、顧客はスピード感のあるサービスを求めています。オペレーショナルな業務を担う部門はチェック品質の厳格さを損なうことなく、デジタル化へいかに適応していくかを多面的・複眼的に捉え、自社の事業成長への貢献という観点で意思決定しなければなりません。

いわば、最前線に立つ営業から、ゲートキーパーを任されている各部門までが一丸となり、顧客サービス向上に「総力戦」で挑むことがデジタル化時代の金融ビジネスのあり方なのです。

しかし現行の組織には、守りおよび部門に閉じるサイロ化した働き方が染み付いています。多様なエコシステムを活用して、金融ビジネスを根本から変革してきた経験と実績を誇るプロフェッショナル集団であるアクセンチュアが、そうした現状の打破と、お客様のデジタル変革を力強く後押しいたします。

「データ活用人材」の能力をデジタルツールで飛躍させる

ファイナンスやリスク管理、規制対応を担ってきた人材は数字やデータの扱いに長けていることに加え、本質的には経営層と同じ視座で自社を俯瞰できるポジションにいます。そうした人材が、自社の顧客フロントにおける取り組み内容を改めて知り、多くの「気づき」を獲得したらどのような効果があるでしょうか。データ活用の素養に営業現場の知見を掛け合わせることで、金融機関はより力強く、サステイナブルな成長を達成できるでしょう。

とはいえ人材と知見を繋ぎ合わせ、高い付加価値を創出するには、最適なツールの活用が不可欠です。アクセンチュアが提供するそうしたツール群は、守り役とされた方々を成長の推進役へと変化させることで、事業成長へのダイレクトな貢献を実現します。

成長とリスクは「不可分な表裏一体」

多極化の時代である今、金融機関が自社に最適なオペレーティングモデルの構築するうえでは「グローバル均一の標準手法を取るべきか」または「ある程度の共通プラットフォームは構築しつつもローカルごとに異なるマネジメント手法を取るべきか」は戦略やビジョンによって異なってきます。

いずれの場合においても、現代のビジネスはリスクテイキングと事業成長が表裏一体です。デジタル変革を経営アジェンダの最上位とするにあたっては、ファイナンス、リスク管理、規制対応を全社変革のドライバー要素として位置付け直すことが「全社変革」を実現の鍵であるといえます。

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山本 晋五

金融サービス本部
ファイナンス&リスクサービス統括
マネジング・ディレクター

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