金融機関が目指すべきイノベーション型の組織は、どのような人材によって構成されるべきなのでしょうか。「ハイパフォーマー」と呼ばれる会社に持続的な成長と事業の転換をもたらす人材には「自社への誇り」が強いという相関関係があります。アクセンチュア自身の経験を踏まえ、DX時代の人材・組織のあり方を明らかにします。

管理する側・される側の双方をバランスよくフォーカスする人材・組織変革のあり方

経営課題としての「ハイパフォーマーの活躍促進」

会社で働くことに誇りをもっている、そう言える社員が貴社にはどのくらいいらっしゃるでしょうか?

採用した優秀な人材が長期にわたって成果を挙げ、会社に持続的な成長をもたらしてくれることを願わない経営者はいないでしょう。各社の人事部門は成果報酬などのインセンティブを用意し、研修を充実させ、福利厚生や労働環境面の厚遇を図ることでモチベーションを喚起する定番の施策を繰り返しています。

しかしアクセンチュア独自の働き方改革「Project PRIDE」で実施したアンケート調査によると、「高いパフォーマンスを発揮して会社の事業成長に持続的に貢献している人材」は「自社に誇りを持っている」ことと相関関係にあることが判明しています。つまり真にパフォーマンスが高い稀少な人材は、自己の利益をもたらすインセンティブよりも「ロイヤルティ(忠誠心)を持てる会社かどうか」が、より大きなウエイトを占めているのです。

優秀な人材は“引く手あまた”であり、自分の能力を開花・最大活用させるための最適な環境を、自ら選べるオファーや機会を持っています。「高スキル人材ほど流動性が高い」ということが現実になりつつある中で、会社の持続的な成長とは「社内に優秀な人材をどれだけ増やせるか」「その人材が能力を存分に発揮できる組織・環境かどうか」の2つのテーマに対して、経営者がどれほど真摯に取り組むかにかかっているのです。

アクセンチュアが提供する人材・組織変革の関連サービスは、そうした取り組みを支援するものです。人材を分析するアナリティクス、組織運営の実態可視化や課題に関する知見、社員一人ひとりの「この組織に貢献したい」「自社を誇りに思う」といったマインドを育て、社員同士のコラボレーション(協働と共創)を促進する体系化した手法などのサービスを展開しています。

「管理される側」の人材にフォーカスし、やる気を引き出す

これまでの金融機関が大規模・一斉処理を実現する事務やシステムをもった巨大な装置産業であったのに対して、技術進展や多様化する顧客ニーズを受け、顧客ごとの高難度な業務プロセスを適切かつスピーディに処理できる高い能力を持って、各自がそれぞれの分野の専門性を持つ「少量多品種」型の組織へと転換することが迫られています。

こうした組織では今後、「少量」の専門家同士が部署を超えたコラボレーションで高い付加価値のあるサービスを創造し、顧客に提供するワークスタイルが浸透していきます。アクセンチュアのアナリティクスのサービスは、個々人の強みやスキルを可視化し、どのような裁量と自由、責任を持たせることが有効かの意思決定に寄与し、業績やトレンドを踏まえてリアルタイムで見直すことを支援します。

新型コロナウイルス感染症は、リモートワークの普及を急拡大させました。柔軟な働き方が実現した一方で、コラボレーションや主体性をどう発揮するのか、手探りでの上司によるマネジメントや社員による働き方が模索されています。またこれまで手厚い指示やコミュニケーションを受けてきた社員には十分なマネージを受けられない不安も増大しています。従来の人材・組織関連サービスは「管理する側」にフォーカスしたマネジメント手法に偏っていましたが、アクセンチュアでは「管理される側」である社員視点が重要であると考え、社員の本気・やる気を引き出す体験である「真実の瞬間(Momentum of Truth)」を、データ分析に基づいて具体化しています。

組織が高い成果を出すには、スキル保有者が所属するヘッドカウントを管理しているだけでなく、社員が自身のもつスキルを最大限発揮しようとするモチベーションや、コラボレーションを促進する仕掛けといった神経系統が正しく通っていなければなりません。高度な専門人材をいかに見つけ、育てるか。アクセンチュア自身の経験に基づく実践的方法論は、あらゆる企業に高い価値をご提供しています。

イノベーション創造組織における、ジョブ型雇用の危険性

アクセンチュアにはかつて、「職場環境が過酷すぎて優れた人材を紹介できない」と外部の人材企業から突き放された事実があります。その現実を直視し、組織トップが自ら旗振り役となって「働き方改革」に取り組んだことで、マイナス評価は過去のものとなり、いまでは「学生の働きたい企業ランキング」で首位を獲得するまでになりました。

昨今はジョブ型雇用へのシフトも議論されていますが、「スキルの定義」を先行させてから、新たなジョブを構想するべきです。デジタルトランスフォーメーション(DX)による新事業創造へのピボット(転換)は企業にとって「未知の領域の開拓」であり、部門内で仕事の範囲と内容を規定し過ぎるジョブディスクリプションは人材のコラボレーションによるオープン・イノベーションを阻害しかねないからです。

社員が「誇りとやりがい」を持てる会社は、「新しいことが始まる昂揚感」「月曜日の朝が待ち遠しい期待感」が付属します。アクセンチュアは、そうした仕事・職場を実現するためのCEOのリーダーシップ、現場管理者層のオーナーシップの醸成、人材の技能習得や制度整備、デジタルワークプレイスといった「イネーブラー」に関するノウハウを提供します。

人材・組織変革の本質は、ビジネスが目指すべき将来像に向けて、必要な人員を揃え、高い生産性を生む働き方をサポートすることだと考えます。アクセンチュアは、お客様の事業の将来構想から逆算した中長期的な働き方・企業文化の実現をご支援しています。

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堆 俊介​

​​​金融サービス本部
人材・組織コンサルティング統括
マネジング・ディレクター​

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