日系企業が直面する課題

国内市場の飽和を受けて、M&Aなどを通じた日系企業の海外進出が増えています。しかし、残念ながら日系企業に関しては、特に海外現地法人に関する会計不祥事のニュースが多くのメディアを騒がせています。

会計不祥事は必ずしも経理・経営管理だけの問題ではありません。その原因となるリスクはプロセスの上流で発生していることが多く、上流での適切なチェックが機能しないまま下流でも検知できず、結果として会計不祥事として露見しているのです。

事業活動を支える基盤としてのグローバルビジネスサービス

グローバル先進企業は、コンプライアンス・ガバナンスを担保するために、事業活動を支えるオペレーション基盤をここ20年間で進化させてきています。「グローバルビジネスサービス」です。

グローバルビジネスサービスは時代と経営の要請に応じてさまざまな形に進化を遂げてきました。昨今はデジタルテクノロジーの進展に伴い、圧倒的な処理速度や効率性が実現され、従来は費用対効果の観点から難しかった分析が実現できるようになったことで、自社の貴重な経理・経営管理部門の力をオペレーション(記帳者)から高付加価値業務(経営者の右腕)へとシフトすることに成功しています。弊社では、この最新形態を「次世代グローバルビジネスサービス」と呼んでいます。

グローバルビジネスサービスの進化過程

次世代グローバルビジネスサービスの特徴

これまでのシェアードサービスと次世代グローバルビジネスサービスは何が異なるのでしょうか。大きく以下の三点に集約されます。

  1. End to End視点でのプロセス改革
    事業活動をEnd to Endという視点で捉え部門横断でプロセスの無駄・重複を見直し、標準化と全体最適を目指していく活動がEnd to Endプロセス改革です。End to Endプロセスの代表例として、「Opportunity to Order(商談から受注)」「Order to Cash(受注から入金)」「Procure to Pay(調達から支払)」「Hire to Retire(採用から退職)」「Record to Report(記録から報告)」などがあります。
  2. オペレーションサービス(Center of Scale = CoS)
    CoSはオペレーションの集中処理センターとして、圧倒的なスケールと効率性・正確性をもってトランザクションを処理していきます。最近ではRPAを活用して、更なる正確性と効率性を目指す企業が増えています。
  3. データファクトリーとプロフェッショナルサービス(Center of Expertise = CoE)
    End to Endでプロセスを標準化・最適化し、オペレーションを集約することで、意味のあるデータが大量に収集可能となり、登場したのが「データファクトリー」です。データファクトリーを活用して、昨今では、アナリティクスやAIを使った高度な分析(例えば回収リスク分析や経費不正リスク分析)が時間と手間をかけずに可能になり、経理・経営管理部門の貴重なパワーを集計・分析からアクションにシフトすることができるようになりました。

次世代グローバルビジネスサービスの実現に向けて

プロセスをEnd to End視点で整流化し集約することで、財務・経営管理部門は従来の記帳・集計・分析といった労働から解放され、高精度データを活用した付加価値の高い業務へと転換することが可能になります。

グローバルビジネスサービスを事業活動の確固たる基盤とし、事業に資する経理・経営管理部門と変革するためにも、RPAやAIといった施策のつまみ食いではなく、全体像とロードマップを持ちながら推進していくことが必要になるでしょう。

稲葉 啓介

通信・メディア・ハイテク本部
財務・経営管理グループ
マネジング・ディレクター

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