調査レポート

概要

概要

  • アクセンチュアでは毎年、ITランドスケープに関する調査を行い、企業や組織に最も大きなインパクトを与えることが予想されるトレンドを明らかにしています。
  • アクセンチュアの「テクノロジービジョン2019」調査では、世界26 カ国の602名の消費財・サービスのリーダーの方々にアンケートを実施しました。
  • 調査の結果、消費財・サービス企業の88%が、新たなテクノロジーを試験的に導入してイノベーションと成長を加速化していることが分かりました。
  • 業界リーダーは今後数年間で、3つのトレンドを活用して業界の未来を形成していくとみられます。


イノベーションの移り変り

消費財・サービス業界のイノベーションは、これまで主に2つのアプローチによって実現されてきました。1つは、企業がイノベーション部門を新設して新製品を開発し、市場に投入するというアプローチです。そしてもう1つは、企業買収を通じてイノベーションや新たなビジネスモデルを取り入れるアプローチです。

しかし、時代は変わりました。今は消費者が求めているものが瞬時に伝わり、直ちにそれが満たされることが期待される時代になりました。それはかつてのイノベーション戦略では、もはや大きなインパクトが足りない世界、企業にとってハイパー・パーソナライゼーションとオンデマンドのデリバリーを実現する能力が、製品そのものと同じくらい重視される世界です。つまり、消費者1人ひとりのニーズにタイムリーに応える能力が競争優位性の新たなゴールとなるのです。

こうした世界で新たなテクノロジーである「DARQ」(分散型台帳技術(Distributed Ledger Technology:DLT)、人工知能(Artificial Intelligence:AI)、拡張現実(Extended Reality:XR)、および量子コンピューティング(Quantum Computing)))は、製品とビジネスモデルのイノベーションを実現するまったく新しい機会を企業に与えてくれます。本稿では、次世代のイノベーションと成長を実現する3つのトレンドをご紹介します。"



トレンド1:高い能力を備えたワークフォースの活躍

消費財・サービス企業の従業員は、テクノロジーを活用して(特に論理的思考に基づく意思決定といった領域で)ワークフォースの能力を高めることができます。これらの最新テクノロジーと新たなデータ管理アプローチを併用すれば、従業員の時間の使い方を根底から変えることができます。たとえば、以下のような改善が可能です。

  • AIシステムと機械学習は、顧客とのインタラクションで次に取るべき最適なアクションをセールスチームに提案します。また、これは消費者との直接的なインタラクションでも可能になりつつあります。
  • ビッグデータアナリティクスはルートやスケジュールを最適化することで、週につき1日分の時間を解放し、セールスチームは最も重要な業務である販売業務そのものに注力できるようになります。
  • ビッグデータアナリティクスが大規模な統合データセットから情報を収集し、マーケティングや品揃えに関する計画、販売予測にかかる時間を最適化します。

消費財・サービス企業は、変化が目前に迫っていることを認識しています。業界リーダーも、変化に備え始めています。

88%

すでにDARQテクノロジー活用の実証実験を始めている消費財・サービス企業の割合。

87%

「カスタマイゼーションとオンデマンド・デリバリーを組み合わせることで、次世代の競争優位性を確立できる」と回答した消費財・サービス企業の割合。

トレンド2:「瞬間的な市場」の誕生

テクノロジーの進化によって、人の暮らしはより最適にパーソナライズされるようになりました。世界にはいくつもの現実と瞬間が多元的に存在し、そうした中で企業は目の前の機会を確実に捉えていかなければなりません。企業はそれぞれの機会を個々の市場、つまり「瞬間的な市場」として捉える必要があり、ある1つの瞬間を逃したら次のチャンスはないのです。

デジタルテクノロジーを用いて消費者(および消費者のデータ)に直接アクセスできるようになった今、企業は消費者市場をこれまで以上によく理解できます。俊敏性に優れた革新的な小規模ブランドが積極的な動きをしている環境では、こうした能力は特に重要です。

トレンド3:個々の消費者を対象とした市場への進化

消費者が真に求める製品とサービスをジャストインタイムで「今」提供するためには、消費財・サービス企業はそうした機会が存在することを事前に察知できなければなりません。つまり、ライバルよりも前に、あるいは消費者自身よりも前に、消費者のニーズに気づく必要があります。そのためには、消費者の欲求を予測し、その欲求を満たすための革新的なアイデアを、個々の消費者のために生み出す必要があります。これを可能にするのが、消費者1人ひとりとつながるための「ダイレクトチャネル」です。

テクノロジーを基盤としたインタラクションは、次世代の消費者に関する情報源としてますます重要になっています。消費財・サービス企業は、消費者のデジタル・アイデンティティとデジタル・デモグラフィックを把握することで、まったく新しい市場ニーズに応えられるようになるだろうと認識しています。

新たなイノベーションのチャンスをつかむ

消費財・サービス企業が新たなイノベーションの力を最大限に引き出すには、3つのアプローチで次世代に備える必要があります。

「DARQ」を活用する: 消費財・サービス業界のリーダーは、今後も所有するすべてのデジタルツールを駆使しながら、新たなイノベーションと顧客体験を実現していくでしょう。それと同時に業界リーダーは、DARQテクノロジーの活用にも着手するはずです。調査でも消費財・サービス企業の88%がすでにDARQテクノロジーを実験していると回答しており、これは朗報と言えます。実験に積極的な文化は、今後画期的なイノベーションを実現する鍵となるからです。

高い能力を備えたワークフォースを構築する : 消費財・サービス企業は人材とインテリジェントテクノロジーという生来の強みを生かすことにより、強力なアドバンテージを生み出すことができます。業界リーダーは次世代の成長を現実のものとするためには、従業員、マシン、フリーランサーを統合した次世代のワークフォースモデルが必要であることを知っています。

セキュアなエコシステムを確立する: 消費財・サービス企業は、エコシステムの新設あるいは既存のエコシステムへの参加を通じて製品の共同開発を推し進め、アイデアやデータ、イノベーションを共有する数多くの機会を活用できるようになります。業界リーダーはそうしたエコシステムにおける自らの役割を慎重に選び、連携するパートナーを堅実に選んでいます。さらにリーダーは、新たなエコシステムのサービスを通じてデータをメンバー間で大規模に共有することを踏まえ、エコシステムのセキュリティ強化にも注力しています。

未来へのロードマップ

消費財・サービス業界は、新たな時代に突入しつつあります。それは消費者の期待が著しく高まり、かつてないイノベーションが実現し、「瞬間的な市場」が生まれる時代です。そして革新的なテクノロジーをクリエイティブな方法によって活用し、顧客体験、ワークフォースの生産性、オペレーショナル・エクセレンスに至いたるあらゆる側面において、変革がもたらされる時代です。

先見の明ある企業は、新たな現実に向けて歩みを進めています。

貴社はもう、準備できていますか?

著者について

James Baker

Managing Director – Global Technology Lead, Consumer Goods & Services


Theo Forbath

Managing Director - Technology Advisory Products Lead


Oliver Wright

Managing Director – Accenture Strategy, Consumer Goods & Services


Marco Lavezzo

Technology Consulting Principal Director

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