調査レポート

概略

概略

  • 消費者の態度、行動、購買行動は変化しており、10の消費者トレンドが消費財企業に大きな影響を及ぼしています。
  • Eコマース(EC)の利用は、新たなユーザーやこれまで利用頻度の低かったユーザー、食料品をはじめとするEC普及率の低かった分野では、従来の160%増に達する見通しです。
  • 家族や社会の中心は「自宅」となり、それ以外では親族や友人の家が消費者にとって最も快適な場所となります。
  • 自らの雇用への影響に対する消費者の懸念は、過去3回の消費者調査よりも高まっています。


COVID-19と消費財:変化する消費行動

消費者の暮らし方、買い物の仕方は変化しつつあり、多くの意味で考え方も変わりつつあります。新たに形成されたさまざまな習慣はコロナ禍以降も続くとみられ、人々の価値観、買い方と買う場所、暮らし方、さらには働き方も永続的に変わることが予想されます。

アクセンチュアがこれまでに実施した4回の消費者調査では、COVID-19が消費財業界に甚大な影響を及ぼしていることが明らかになりました。パンデミックによって生じた長期的なトレンドを背景に、一部の製品やサービスに対する需要は供給を大幅に上回っており、企業はスピーディな対応を求められています。企業が成長を続けるためには、消費者への理解をより一層深める方法を検討しなければなりません。

新たな環境に順応する消費者

消費者はこれまでとは違った時間とお金の使い方をするようになり、また未来についても考えることで、それぞれが置かれた新たな環境に順応しつつあります。

COVID-19の感染状況が沈静化しつつある市場では、健康への不安も収まる傾向が見られます。そうした市場では、健康への懸念を示した人が69%まで低下している一方、依然として感染が拡大している市場では、その割合は80%に達しています。ただ、経済への懸念は感染が沈静化しつつある市場で85%、感染が拡大中の市場で86%と高止まりが続いています。また今回の調査では、自らの雇用への影響に懸念を示す消費者の割合が、4回の消費者調査で最も高い65%に達しました。

今後1~2カ月間で公の場所に出向くことについては、人々はまだ不安を感じているようです。友人や親族の家に行くのは不安ではないと答えた消費者は41%で最も高い数値でしたが、公共交通機関も含む混雑した場所に行くことには、多くの人が不安を感じています。

多くの消費者は、公の場所を訪れることに不安を感じている

多くの消費者は、公の場所を訪れることに不安を感じている

購買パターンは劇的に変化

COVID-19の流行は、消費者の購買理由、購買対象、購買方法に変化をもたらしています。たとえば、新たにオンラインで買い物をするようになった人が増えた結果、オムニチャネルでの製品/サービス提供が激増しており、このトレンドは感染状況が沈静化した後も続くとみられます。ホームデリバリーやチャット機能、バーチャルコンサルティングといったオムニチャネルサービスを利用する消費者も増えており、この傾向も今後続くことが予想されます。

消費者が利用している(今後も利用するとみられる)オムニチャネルサービス

51%

アプリでの注文

45%

ホームデリバリー

41%

ライブチャット/チャットボット/音声アシスタント

35%

バーチャルコンサルティング



ニューノーマルでの暮らしの中心は自宅

COVID-19の流行は、多くの消費者の生活のペースを遅くし、暮らし方に変化をもたらしました。また、時間の過ごし方や他者との接し方にも大きな影響を及ぼしています。消費者の多くは今、自宅での長い時間を過ごす新たな方法を模索しています。家族の場合、共に過ごす時間が増えたことを歓迎し、結果的に互いの距離が縮まったと感じています。こうした変化は、ブランドに消費者の新たな創造性を呼び覚ます大きなチャンスももたらします。ブランドは消費者と共創したり、今までとは違う「家時間」の一部となったりすることで、消費者体験を拡張できるはずです。

家族とのつながりが強まったと感じている消費者の割合

79%

子どものいる家庭

65%

子どものいない家庭

企業に対する信頼感は薄れつつある

COVID-19の流行へのさまざまな企業の対処について、消費者はおおむね肯定的に評価しています。とはいえ、新たな消費者ニーズに応える適切な行動を通じて、企業が消費者の認知を向上する機会はまだありそうです。ヘルスケア関連企業、教育機関、小売業者、政府機関、メーカーといった企業のCOVID-19対策が適切であると評価した消費者の割合は、3月から5月にかけてマイナス8%の減少傾向にあります。

勤務先に対する評価は二極化しています。肯定的な意見としては、従業員の過半数(55%)は勤務先のCOVID-19対策を評価しています。平均で見ると、従業員の63%は勤務先が積極的な対策で社員の健康保護に努めていると評価。さらに63%は勤務先が危機下において適切に対処したとして信頼感を示し、62%は勤務先から在宅勤務に必要なツールを提供されたと回答しています。

45%

COVID-19への勤務先の対応を「どちらともいえない」「悪い」と評価した従業員の割合

12%

COVID-19への勤務先の対応を「悪い」と評価した従業員の割合

これらの評価を踏まえ、企業は適切な措置を講じて人々の新たな期待に応えることができなければ、将来的にブランドとしての評判を損ない、大切な従業員を失う恐れがあります。

「勤務先のCOVID-19対策」に対する従業員の評価

「勤務先のCOVID-19対策」に対する従業員の評価

出典:アクセンチュア新型コロナウイルス(COVID-19)消費者調査(5月5~11日実施)

今の状況はより良い企業へと生まれ変わるための機会である

世界中の人々が以前の生活へ戻ることを待ち望んでいます。しかし現実には、世界はすでに変わってしまいました。人々の態度、嗜好、行動もそれに合わせて変化しています。企業もまたこれらの変化に順応しながら、苦難に耐えています。

劇的な変化の過渡期にあって、人と企業と組織にはさまざまなことをいったんリセットし、再生する機会がもたらされています。今こそ企業はこの機会を生かして、ビジネスを再構築し、不確実性の時代を乗り越えなければなりません。

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