調査レポート

要約

要約

  • 成長を目指す企業は、常に変化し続け、既存事業を継続的に活性化しつつも新規事業の機会を拡大する必要があります。
  • しかし、ほとんどの企業では新規事業への移行は思うように進んでいないのが現状です。
  • 新規事業の展開を予定通りに実行している企業は6%にとどまります。
  • アクセンチュアは、組織が決然と新規事業を展開して、より高いパフォーマンスを達成するための3つの前提条件を明らかにしました。


多くのリーダーが自社は立ち止まっていられないと理解しています。前例のない創造的破壊の時代において成功を収める企業は常に変化し続ける必要があります。意図的にレガシービジネスを活性化してイノベーションを創出しながら、他方では未来に向けて新たな機会を拡大しなければなりません。このバランスを取るのは容易ではなく、組織変革およびそのための新たなアプローチが必要です。このアプローチをアクセンチュアでは「新規事業への転換」と呼んでいます。大半の企業は新規事業への転換をゆっくりと進めている中、わずか6%の企業のみが迅速に賢明な転換を実行しています。

未来志向の企業は意欲的に新しい市場へ参入し、成果をあげています。米国の大手ヘルスケア企業のCVS ヘルス社は、長年にわたり成長戦略を追求しながらも、堅調な中核事業である薬局事業と並行して新規事業も構築しています。1963年に健康および美容のディスカウントストアとして創業し、その4年後には店舗内薬局部門をスタートさせました。その後数年間にわたるビジネスモデルの着実な移行は、店舗併設ヘルスクリニック事業のパイオニア、ミニットクリニック社を2016年に買収したことでさらに加速しました。革新的な店舗内ウォークインクリニック(予約不要の診療所)のネットワークを構築し、通常のクリニックの時間外に、緊急性が低く慢性疾患を持つ患者に対して医療サービスを手頃な価格で提供できるようになりました。現在、CVSヘルス社は米国最大規模のヘルスケアプロバイダーであり、9,800店舗を超える小売薬局を運営しています。

賢明なピボットを実行するためには、まず投資の準備を整え、計画的にイノベーションを創造し、旧事業と新規事業を融合させる必要があります。

変革をもたらす計画的なアプローチ。ローテーションマスターとは。

デジタル時代に意欲的に競争している企業は絶えず自らを改革しています。このようなリーダー企業グループ(ローテーションマスター)は、収益の75%以上が過去3年間に開始した事業から生まれると回答しています。また同時期に極めて堅調な財務実績を報告しました。

「リーダー企業は、レガシービジネスを抱えているにも関わらず新規事業への方向転換を成功させているのではなく、むしろレガシービジネスを強化して新規事業の拡大に必要なリソースを生み出しているから成功しているのです」

オマール・アボッシュ(Omar Abbosh)、アクセンチュア 通信・メディア・ハイテク本部 グループ・チーフ・エグゼクティブ(前最高戦略責任者)

賢明なピボットによってもたらされる効果

企業は組織変革に向けて新たなアプローチを採用する必要があります。適切な投資戦略のもとで、既存の事業を変革・成長させながら同時に新規事業を拡大することは、新規事業への賢明なピボットを実現するために不可欠です。ローテーションマスターの業績を見ればその成果は明らかです。ローテーションマスターの64%が2桁(10%以上)の売上伸長を達成し、57%がEBITD(利払い前、税引き前、減価償却前利益)でも同様の成果をあげています。

決然と新規事業を展開している企業がより強力な成果を享受します。

Bar chart showing companies that invest in new businesses enjoy stronger performance.

組織を改革するための3つの前提条件

  1. 投資の準備を整える
    • 変化に必要な投資レベルを把握します。ローテーションマスターの3分の2以上が、既存の中核事業を再活性化しながら、新規事業を拡張するための十分な投資能力を有しています。
    • 投資能力を確保します。変革的な選択(例えば、断固とした企業再編、戦略的なコスト削減の遂行など)を行い、適切なタイミングで新しい事業活動に投資する能力を創出します。
今すぐにできることは中核事業の活性化です。堅固な中核事業は、新規事業への転換に必要な投資能力を生み出します。
  1. 計画的なイノベーション
    • イノベーションを促進。 目的特化型の部門と、リーダーシップ、十分な投資を準備し、計画的なイノベーション創出を可能にする組織を構築することにより、最適なアイデアを特定・具現化します。
    • 変革に向けてイノベーションを起こす。 クラウドソーシングの優先やイノベーションセンターおよび研究開発機能の利用促進など、社内外のイノベーション能力を組み合わせ、エンドユーザーと共に製品アイデアの実証実験や検証を実施します。
意図的にイノベーションを起こしましょう。イノベーションを活用してレガシービジネスを変革し、未来に向けて新しいビジネス機会を特定して拡大させます。
  1. 旧事業と新規事業の融合
    • 新規事業を推進することで旧事業を活性化します。 新たなケイパビリティを備えた新規事業を立ち上げて、従来の文化や働き方を変革します。ローテーションマスターの60%は、旧事業の文化を再構築するためには新規事業を活用する可能性があると考えています。その他の企業では28%にとどまりました。
    • コラボレーションが鍵となります。 コラボレーションパートナーシップや合弁事業などの外部ネットワークの力を活用して、迅速にイノベーションを創造します。
今すぐにできることは新規事業に向けた包括的なアプローチを取ることです。レガシービジネスと外部とのつながりによる相乗効果を創出しつつ、新規事業に向けた明確な拡大戦略を策定します。

ピボットへの準備は万全ですか。

企業の多くが、今後3年間で新規事業に速やかに移行したいと考えています。レガシービジネスを再活性しつつ新たな機会を拡大するためには、イノベーションの風土と、継続的に変化し続ける能力が必要です。思いのままに組織を改革するために必要な準備をしましょう。

調査方法について

アクセンチュアは、自動車、銀行、化学、消費財・サービス、エネルギー、ハイテク、保険、製薬、小売、情報通信、ユーティリティの11業界の企業を対象に世界的なオンライン調査を、2017年4~5月に実施しました。この調査では、既存のレガシービジネスの変革と新規事業への拡大という2つの観点から、大規模企業が破壊的な変化への対応にどのように備えているのかを検証しました。

1440

収益が5億米ドル以上の企業の最高幹部

12

調査対象国:オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、インド、日本、シンガポール、英国、米国

調査では、新しい領域への転換の過程にある企業を現在到達している段階別に4つのグループ-ローテーションマスター(転換の達人)、 ローテーションドライバー(転換の推進者)、 ローテーションストライバー(転換の努力家)、 ローテーションスターター(転換の入門者)-に分類しました。各企業の進捗は、過去3年間に企業が開始した新規事業が全体的な収益にどの程度貢献しているかをヒアリング・評価して測定しました。

オマール・アボッシュ(Omar Abbosh)

グループ最高責任者-通信・メディア・ハイテク本部(前 最高戦略責任者)


ポール・ヌーンズ(Paul Nunes)

グローバル・マネジング・ディレクター-ソート・リーダーシップ


ヴェドラナ・サビッチ(Dr. Vedrana Savic)

マネジング・ディレクター - ソートリーダーシップ 

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概要

創造的破壊の力を生かすためにリーダー企業が実践している投資とイノベーションの手法とは

所要時間:約45分

新たな領域への賢明なピボットの実行

ローテーションマスターについての詳細はレポートをご覧ください。

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