概要

概要

  • 新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、グローバル物流システムは近年にない規模での危機に直面し、サプライチェーンに深刻な課題が生じています。
  • また、パンデミックにより、ロジスティクスの極めて重要な役割とともに、携わるスタッフへの支援や保護の重要性が明らかになりました。
  • 企業においては、ロジスティクス運用モデルを見直し、さらに効率的、効果的にレジリエンスを強化するチャンスとなります。
  • 企業はいくつかの実務的対応をとることで製品物流の直近の課題に対処し、新たな常態へ対応することが可能となります。


新型コロナウイルス(COVID-19)は、ロジスティクスへどのように影響するのか?

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、グローバル物流システムは近年にない規模での危機に直面しています。国境における検査や税関手続きの強化により、待機時間は長期化し、配送におけるフルフィルメントも低下、ロジスティクスには深刻な課題が生じています。

そのため、企業はデジタル革新による迅速な対応を迫られています。デジタル化は数年前から取り組まれていたものの、これまでの動きは緩やかなものでした。オンライン小売事業者との取引による顧客期待の高まりにより、アマゾンやアリババをはじめ、ロジスティクスビジネス(英語)はリアルタイムでの発注状況のモニタリングや、エンド・ツー・エンドの在庫状況の可視化、リバースロジスティクス機能の強化に取り組み始めています。

既存企業は、危機的状況を最小限に抑えるために、かつてないスピードでイノベーションを推進し、新たなデジタルツールを導入することを強いられています。リーダーは新たな状況に対応(RESPOND)し、スタッフを支援し、事業を継続すべく、速やかな行動を求められています。

一方で、このチャンスを活用してデジタル能力を備えたオペレーションの再生(RESET)や、ロジスティクスモデルの刷新(RENEW)にも取り組む必要があります。再生によりオペレーションの効率や効果は改善します。さらに、企業は現在の危機を切り抜け、将来の危機に対するレジリエンスの高いサプライチェーン(英語)を構築することが可能となります。

RESPOND:新型コロナウイルス(COVID-19)のロジスティクスへの影響に対応するための5つの行動

1. 可視化の推進

総合的なロジスティクスコントロールタワーを導入し、オペレーションをリアルタイムで把握します。

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リーダーの知見に基づいた適切な判断を助けるため、企業はロジスティクスコントロールタワーを活用し、オペレーション状況をリアルタイムで把握することが必要です。より的確かつ迅速な意思決定には、社内(倉庫など)と社外(輸送業者及びサプライヤー)双方の統合ロジスティック市場情報(平均的な国境通過時間など)、在庫レベル、需要予測、キャパシティ制約のデータが欠かせません。また、現時点では範囲よりも規模を追求します。地域ごとに高度な機能導入を試みるのではなく、エンド・ツー・エンドのグローバルな優先課題へ集中的に取り組みます。

サプライチェーンへの迅速な対応計画の策定方法はこちら

2. フレキシビリティの向上

需要に合わせてケイパビリティと資産のバランスを調整します。

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企業は、需要拡大に応じて資産や在庫、ケイパビリティを再配備し、地域コミュニティの新型コロナウイルス(COVID-19)への対応を主体的に支援する方法を模索することが必要です。

  • マクロとミクロ両面の需給バランスを図ります。(例:需要が大きい場所や顧客セグメントへの車両や在庫の再配備)
  • 企業だけでなく個人やコミュニティと協業し、サービスの格差を改善します。
  • 従来と異なる資産の活用について創造的に考え、「Uber的な」サービスモデルを応用します。
  • 非接触取引を推進するために、集荷、配送、支払い時の非接触サービスを導入します。(例:QRコードの読み込み、デジタル署名)

3. 効果的なコミュニケーション

サプライヤー、輸送業者、顧客、在宅勤務の従業員と、積極的かつ明確なコミュニケーションを図ります。

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変革が求められる今、ロジスティクス全体のエコシステムにて、明確かつ効果的なコミュニケーションを定期的に図ることが不可欠です。フルフィルメントおよびロジスティクスチームは、次のような相手と積極的にコミュニケーションをとる必要があります。

  • 他のサプライチェーン機能:新たな輸送契約の獲得、需給調整の計画、顧客の優先順位調整のための販売/サービスなど、様々なサプライチェーン機能と連携、統合します。
  • サプライヤー/輸送業者:見直されたサービスレベルに対する期待をコントロールし、その効果を積極的にモニタリングします。
  • 顧客:卸売業者、販売業者、流通事業者、消費者などへ、新型コロナウイルス(COVID-19)によるサービスレベルの状況を最大限可視化し、情報提供します。
  • 在宅勤務の従業員:新たな働き方に迅速に適応し、在宅勤務の従業員のマネジメントを行います。例えば輸送プランナーによる日々の行動のモニタリングなどを通じて、チームの意欲や生産性を維持します。目的意識と達成目標を育み、危機を乗り越えて信頼関係を保ちます。

4.スタッフの支援 

社員および関係スタッフの健康と安全の確保に努めます。

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従業員やその関係者は、強いストレスを感じることの多い、慣れない労働環境に置かれています。企業は、彼らの精神面、感情面、身体面の安全を守り、健康に関するあらゆる基準を遵守しなければなりません(食堂やワークスペースでのソーシャルディスタンスの確保など)。また、連続シフトの回避や出勤時の体温チェックなど、スタッフを守る手法を確立する必要があります。スタッフがレジリエンス(英語)を強化するためには、リーダーが自分の健康と生産性を守ってくれることに信頼を置く必要があります。

5. 他のサプライチェーンへの支援

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けている顧客やサプライヤーに対する独自の支援を考えます。

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新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって、現代社会におけるロジスティクスは極めて重要であるということが明らかになりました。そのためロジスティクス業界の対応は、企業としての責任と事業継続のバランスを図るものでなければなりません。パンデミックによって企業業績が深刻な影響を受けるなか、リーダーは、顧客とサプライヤーを支援する最善策を柔軟な発想で模索しています。例えば、(契約済みのものも含めて)資金繰りに苦労しているパートナーに対する速やかな支払いや、手数料や罰則を撤廃してサプライチェーンの停止を回避するなどの対応をとっています。また大手企業は、自社の車両やチームを緊急輸送に対応させ、病院や医療機関で必要な医療機器を配送しています。

RESET:新型コロナウイルス(COVID-19)後の学び、進化、さらなる成長

新型コロナウイルス(COVID-19)によって、グローバルな物流ネットワークやロジスティクスオペレーションのレジリエンスと柔軟性が試されています。企業は、今回のコロナ対策をきっかけにロジスティクスやサプライチェーンマネジメントを再考、再生(Reset)、刷新(Renew)し、事業とコミュニティの長期的な利益につなげなければなりません。

アクセンチュアは、オペレーションの再生(RESET)に向けて次のような行動を提案します。

対応フェーズの詳細な分析。強化、保護、拡張すべき点を判断するために、新型コロナウイルス(COVID-19)によって露呈した弱点や新たに発見、または習得した効果的なケイパビリティを識別します。

大手サプライヤー、販売会社、輸送業者、サードパーティーロジスティクス事業者との主要契約の見直し。条件および状況をニューノーマル(新常態)に適応します。また、新たな車両配置、ルート、サービスレベル見直しの必要性を検討します。

パンデミックの影響による新たな需要パターンやサービスへの期待を考慮しながら、顧客チャネルのセグメンテーションと、セグメンテーションごとのロジスティクスに関する契約を見直します。

必要に応じた既存労働力の再編。物流センターのオペレーション、フルフィルメント、トレーサビリティ、カスタマーサービスなどのチームの見直しを行います。

コロナ危機の最中に使用したデジタルテクノロジーを対象に、長期的なケイパビリティ向上のために今後も活用できるテクノロジーを判断します。

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けた地域コミュニティを支援し、信頼に基づくエコシステムとネットワークを構築します。

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RENEW:ロジスティクスの将来に向けて

新型コロナウイルス(COVID-19)による緊急事態はいずれ収束することでしょう。一方で、経済復興のスピードは企業や業界の危機からの回復力に依存します。つまり、直ちに意思決定し行動することが、売上を増やし、雇用を守り、成長軌道への復帰につながるのです。

また、今回の危機は、ロジスティクスの未来を考えるチャンスでもあります。企業は、いかにしてロジスティクスのオペレーションモデルを再生し、レジリエンスや責任ある行動能力を高め、効果的かつ効率的なシステムを構築するか検討しなければなりません。

アクセンチュアは、今後のロジスティクスとフルフィルメントの再生に向けて次のような行動を提案します。

ゼロベースの発想への転換。オペレーションをゼロから見直し、今後のビジネスに最適なコスト構造を考案します。

エコシステムの成熟度向上。サービスレベルの向上とコストコントロールに不可欠なデジタルケイパビリティを高めます(例:ロジスティクスネットワークの可視化、コントロールタワーの導入、物流や車両の「Uber化した」プラットフォームの実現)

オムニチャネルのフルフィルメントプラットフォームへの投資。ダイナミックな注文割当能力を付加します。

ロジスティクスの自動化とロボット化推進に向けた投資の必要性認識。人間+マシンの高度なオペレーションによるレジリエンスの強化とオペレーションの増大を目指します。

ロジスティクスにおける連携の強化。業界を超えたフォーラムや委員会を立ち上げ、ロジスティクスプロセスやサービスイノベーションの共同創作モデルを活用します。

責任感と信頼の構築。グリーンなロジスティックネットワークを構築し、物流や保管に関した戦略的意思決定を実施し、環境に配慮します。

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