11月6日、第4回Accenture Connectでは「プロダクト/サービスの立ち上げで、これからのエンジニア/エンジニアリングに求められること」をテーマにMeet Upを開催。エンジニアを取り巻く現状の課題は何か、将来を見据えてどのような考え方が必要かという観点で意見交換を行いました。

Accenture Connect

近年、エンジニアへのニーズに下記のような変化があると考えられます。これが今回のテーマの背景です。

  1. プロダクト/サービスがスマート化していく中で、HW/SWという領域だけでなく、NW、プラットフォーム、UX(デザイン)など含めた“フルスタック”的に何でも知っているエンジニアが求められている。
  2. エンジニアの働き方が変化した。デザイナー、マーケター、データサイエンティストなどとの密接なコラボレーションが求められるようになった。
  3. 売れるものを素早くつくることを、今まで以上に強く求められるようになった。

今回のAccenture Connectでは、こうした前提のもと、各界から様々なゲストをお招きして闊達な議論を交わしました。

【ゲスト】(五十音順)
楽天株式会社 CDO / 北川拓也様、株式会社Takram代表 デザインエンジニア / 田川欣哉様、名古屋大学 未来社会創造機構 客員准教授 / 野辺継男様、株式会社永和システムマネジメント 代表取締役社長 / 平鍋健児様、ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社 取締役副社長 / 松本義典様

【グラフィックファシリテーター】
株式会社しごと総合研究所 代表取締役 / 山田夏子様

【アクセンチュア株式会社 通信・メディア・ハイテク本部】
シニア・マネジャー/上山雄一、シニア・クライアント・アカウントエグゼクティブ/ 古嶋雅史、マネジング・ディレクター/ 高橋良之

グラフィックレコーディング(参加メンバーの皆様のご紹介)
グラフィックレコーディング(参加メンバーの皆様のご紹介)

これからのエンジニア/エンジニアリングとは?

  • 今後、エンジニアの定義をもっと広くとらえてもいい。エンジニアとは「工学を通じて物事を解決する人」の総称。プロダクトマネージャもエンジニアになれるし、文系/理系も関係ない。何が社会の課題であり、顧客の要求は何かを見抜く力を持っていることと、そうした課題を解決したいと思う気持ちや、どうやったら解決可能なのかを考える力のある人はエンジニアである。
  • たとえば、イーロン・マスクには「エネルギーの使い方を変える」という意志がある。そのツールがEVである。彼は技術についても深く理解しており、技術こそが思い描く未来を実現させるという信念を持っている。まさにエンジニアである。SpaceXも地球が滅亡に瀕した際に備える、人類存続のためのセカンドオプション。こうしたエンジニアリングに基づく新しい経営スタイルを実践する重要性を、イーロン・マスクから学ぶことができる。

エンジニアに何が求められるか。

  • 多くのエンジニアが、ユーザーニーズを押さえられていない。例えばキッチン用プロダクトを企画・設計するにしても、R&D部門にきれいなキッチンを再現するだけで、ユーザーを理解した気になっている。だが実際の家庭に、モデルハウスのようなキッチンなど存在しない。エンジニアと共にユーザーである一般家庭を訪問すると、研究者や開発者は自分たちの一年の努力が無駄だったと衝撃を受けることも少なくない。こうした事態を回避するための方法は、エンジニアにユーザーフォーカスを教育することである。
  • 先日、小学生の息子と外出し、Nintendo Switch用のゲームソフトを購入した。息子に「なぜそのゲームを選んだのか」と聞いてみたら、返ってきた答えは「(下取りの時に)高く売れそうだから」というものだった。こういうユーザニーズの変化に気づくという感覚がモノづくりにおいても重要だ。
  • Googleなどでは、プロダクトマネージャもエンジニアも、全員が共通のデータをみており、自分の取り組んだことが、どのような反応を得ているのかを知っている。そのため、ユーザーニーズへの感度が高い。つまり重要なことは「ユーザーニーズを深く知っているか」や「マーケットで勝てるという感覚を磨いているか」といったことだ。ビジネス、社会的インパクトに対するアンテナを働かせるということの重要性がますます高まっている。
  • SWでもHWでもプロダクト開発が終わったら、ユーザーと一緒にいい食事をするような関係を構築できることが大切。
  • チャネルを押さえておくことは、「ユーザーの反応を得る」「イノベーションを起こす」、そのどちらにとっても非常に重要。最近D2Cでビジネスを展開している面白い会社がある。エアロバイクのPeloton、マットレスのCasperがその例で、彼らはチャネルを押さえることでHWのリニューアルのサイクルとオンラインのUI/UXの改善サイクル、価格コントロールを握った。同時にブランドも確立している。これはAppleApple Storeで実践した手法と同じあり、いまではNikeもやり始めている。チャネルを握れば、ユーザーを押さえられる。また、結果としてエンジニアは「やりたいこと」ができ、高い報酬も得られる。

何でもできるエンジニアになるには?

  • 社会の変化するスピードに追随するために知るべき技術の幅は広がり、コラボレーションする相手は増え、知らない言葉にも日々出会う。しかし学び続けることで、「なんでもできるエンジニア」へと成長できるはず。ポイントは「学べる人」かどうか。
  • ネットの世界になって学習効率が上がり、ラーニングコストは劇的に下がった。これはインターネットのおかげ。世界の天才たちがブログを通じて日々発信している。ポッドキャストもビジネス系、時事ニュースなどは特によい。インターネットにアクセスして自学自習できることが、これからのエンジニアの成長の秘訣。一方でマネジメントの立場では、そうした機会をどれだけ提供できるかがキーポイントになる。
  • 英語の情報が多いことも事実。自動翻訳技術は進化しつつあるが、英語―日本語の変換は、英語―スペイン語変換などに比べるとニーズが低く、進化が遅い領域。国費を投入してでも、変換精度を向上させることが望ましい。
  • 本を読むことも重要。ウェブ情報は一次情報であるため、オーガナイズされていない生データのようなもの。生データから情報を読み取れるようになるには相応の力が必要。書籍は編集された二次情報であるが、二次情報には二次情報の価値がある。企業は社員が本を買い放題にしてもよいのではないか。

「最近おもしろいことあった?」と聞くと、その人が学び続けている人かどうかがわかる。熱心に語ってくれる人は、学び続けているなと思う。定期的に会う人からよく聞かれる質問でもあるので、それが学び続ける刺激や動機になる。

学び続けて、よいプロダクトを作っていくために。
経営とエンジニアの心構えとは?

  • 企業においては、多くのエンジニアが「説明業務」に時間を使っている。プロコンを付けたり、そもそも技術を理解できない経営陣に対する基礎説明に時間をとられたりするのがその代表例。もっとソリューションの中身の議論や学びに時間を使えば、格段に成果が上がる。経営の仕事は投資判断だから、「中身がどうか」よりも、「担当が情熱を持っており、できると確信しているかどうか」を見極めるほうがよい。経営者自身が技術の内容を理解できるかどうかは、二の次のことだともいえる。
  • 日本では、エンジニアが堂々と「これが好きだ、だからこれをやりたい」といえない風潮がある。若いエンジニアも経営者も、やりたいことを、やりたいようにチャレンジするために、恐れず堂々と主張してほしい。
グラフィックレコーディング(エンジニア・エンジニアリングの将来)
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グラフィックレコーディング(今後エンジニアに求められることとは?)
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