Lending領域では、企業間のサプライチェーン基盤を銀行が提供したり、消費者のフロントに立つ「商流逆転」といったビジネスモデルの転換で、金利競争に陥らない新しい収益源の獲得を実現します。

Lending as a Serviceを構成する代表的なオファリングは以下の通りです。

  • Supply chain finance
  • 商流逆転

Supply chain finance

企業同士の受発注および、発注に基づいて納品に至るまでのロジスティクスなど、供給の連鎖をシステムで管理するSCM(サプライチェーンマネジメント)の利用はもはや現代のビジネスにおいて不可欠な要素です。しかし、今なおそれらの管理は分断されており、個別最適に近い状態であるといえます。Supply chain financeは、そうした課題を解決すべく、全体最適を可能にする包括的サプライチェーンとファイナンスのサービスを組み合わせて提供します。

一般的に、日本企業は商慣習として支払サイトが長い傾向にあります。しかし受発注の情報をSCMで把握できれば、中小企業においても信用の高い大手企業等との取引実績を金融機関は容易に知ることができます。よって、ファイナンス面で顧客企業と効果的な取引が可能となります。

また配送会社のSCMと連携することで、物流状況や在庫管理の把握などに基づき、ファイナンスに必要な企業の格付けも合理化できます。こうしたサービスを銀行が提供できる点がSupply chain financeにおける大きなメリットです。

Supply chain financeは、全体最適を可能にする包括的サプライチェーンとファイナンスのサービスを組み合わせて提供します。

商流逆転

消費者が大きな購買行為をする一連の流れにおいては、まず異業種へのニーズがあり、決済のための最終段階で金融機関が関与していました。たとえば住宅購入のバリューチェーンにおいて、購入者は不動産業者やハウスメーカーとの交渉を済ませたのち、最後に住宅ローンのために金融機関を訪問します。つまり銀行が住宅ローンから得ている収益は、住宅購入のバリューチェーンにおいてごく一部にすぎないのが実態です。

商流逆転は、銀行が主体となって顧客(消費者)に上流プレイヤー企業の選択肢を紹介するという新しい考え方です。たとえば上記の住宅ローンの場合、不動産会社やハウスメーカーを銀行が顧客へ紹介します。不動産会社は銀行へ「逆提案」を行うため公正な競争原理が働くほか、顧客にとって一生に一度の重要な買い物を銀行の安心感の中で意思決定できることで、より良い顧客体験を得られます。このように、文字通りビジネスを「逆転」させ、新しい顧客体験の創造を実現するプロセスが商流逆転です。

銀行にとって商流逆転のメリットは、顧客獲得のフェーズに直接参入でき、他の銀行と差別化しにくい金利での競争からの脱却にあります。また異業種への送客フィーの獲得、クロスセルでの収益機会へとつなげることも可能です。

商流逆転は、銀行が主体となって顧客(消費者)に上流プレイヤー企業の選択肢を紹介するという新しい考え方です。

森 健太郎

ビジネス コンサルティング本部 ストラテジーグループ 銀行 プラクティス日本統括 マネジング・ディレクター​


粟倉 万統​

ビジネスコンサルティング本部
ストラテジーグループ
マネジング・ディレクター​

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