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薬剤償還の認可取得を加速するバリュー・マネジメント5つのアプローチ

製薬企業は人々の健康に貢献し、当局による承認および償還の認可取得を加速するために、研究開発とビジネスの決定にバリュー・マネジメントを取り入れる必要があります。

概要

製薬企業はオペレーティング・モデルにバリュー・マネジメントを取り入れることにより、患者のアウトカムを高め、新薬の承認、薬剤償還の認可取得、ROIを増やすことができます。

多くの製薬企業やバイオ医薬品企業、その他のライフサイエンス企業のオペレーティング・モデルは、当局や保険会社に薬の有効性・安全性を示すことを主な目的とした従来型モデルです。しかし、これら従来のモデルは、明確なバリューをもたらし、患者の実際のアウトカムを改善するという今日の厳格な要件を満たすには不十分なものです。

製薬企業、バイオ医薬品企業、その他ライフサイエンス企業は、バリュー・マネジメントを研究開発やビジネス上の決定の中心に置くオペレーティングシステムを採用する必要があります。

本稿では、ライフサイエンス企業が規制や償還に対する承認を確実に取得できるようなバリュー・マネジメント体制の構築に向けた5つのアプローチを紹介します。

背景

世界中で、製薬企業、バイオ医薬品企業、その他ライフサイエンス企業は、初期にも長期的にも製品価値を示すよう厳しい規制がかけられています。米食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)は、薬の効能・効果を総合的に見ており、効果に関する書類の審査を一層強化しています。

当局と保険機関が新薬を審査する際には、以前に比べてバリューに基づいた償還基準を用いるようになってきていますが、ほとんどの企業がまだそれをオペレーティング・モデルに取り入れていません。アクセンチュアがこれまでライフサイエンス企業を支援してきた経験に基づくと、多くの企業が治験計画を狭い範囲でしか立てておらず、短期的な製品商品化戦略を使い続ける傾向にあります。このような戦略では、償還の認可取得を加速するのに必要な高いバリュー基準を達成することができません。

分析

バリュー・マネジメント・オペレーティング・モデルを採用するには、新しい取組みが必要となります。また、グローバルな組織と個々の市場レベル両方において従業員の新しい役割と責任を定義する必要があります。

このような移行は、プロセスのリエンジニアリング、特定の研修プログラム、投資、営業・非営業組織を取り込む包括的な取り組みが必要となる大規模な企業文化の変革を意味します。

製薬業界ならびにバイオ医薬品業界は過去数年に渡り、景気低迷から特許期限切れや成熟市場および新興市場におけるヘルスケア再編まで、絶え間ない激震と戦う必要がありましたが、今後バリュー・マネジメントへ焦点を移すことにより、企業は市場の課題を上手く克服していくことが可能になります。

優れたバリュー・マネジメント・アプローチは製品を強化し、患者の健康にさらに貢献し、高い費用対効果で償還の認可取得を大幅に加速させます。

提言

アクセンチュアは、ライフサイエンス企業がバリューに基づいたオペレーティング・モデルに移行するため、下記の5つのアプローチを提案しています。

  1. バリューを追求する協力体制・チームの育成: バリュー・マネジメント・モデルは研究開発に携わるすべてのメンバー、営業部門の管理者層、そして、医療業界・保険機関の担当チームすべてが採用する必要があります。例えば、企業はすべての新薬に対してビジネスケースをつくり、これを更新していく必要があります。これにより、常に成功確率をモニターし、正しく理解できるようになるため、最終段階での予測しない事態の発生を防ぐことができます。

  2. 営業組織のバリュー追求型組織への変革: 各企業や営業組織のリーダーは、営業組織のキーポジションにつくメンバーが、社内だけでなく、外部機関とやり取りにおいてもバリューを強調するように意識改革をしていく必要があります。

  3. バリューを高めるための情報技術(IT) への投資: バリューに基づく環境で競争力を維持するためには、ITの役割を拡大する必要があります。例えば、データをコスト効率よく用いて成果(アウトカム)を向上させるため、ITを活用してデータ管理や分析力を強化することができます。

  4. 継続的プロセスとしてのバリュー・マネジメントの組み込み: 保険機関は製薬企業・医療機器メーカーとの交渉の中で、治験の結果に基づきながら臨床試験や製品のバリューを評価します。よって、償還の認可を確実に取得するには、製薬企業・医療機器メーカーは製品のバリューを説明する資料を、刷新・強化する必要があります。例えば、製薬企業・医療機器メーカーは社外の関係者から広くフィードバックを集め、それらをバリュー説明の資料に盛り込むべきです。

  5. 業界ステークホルダーとの関係の拡大と再定義: ライフサイエンス業界のより広範なステークホルダーとの相互協力により、スムーズな当局の審査や、保険機関との建設的で透明度の高い交渉が可能となり、また、医療従事者や患者がその製品を受け入れやすくなるでしょう。