Skip to main content Skip to Footer

LATEST THINKING


通信業界におけるアナリティクス・AIの活用動向

デジタル時代の到来によって、人間の経験つまり私たちの生活、仕事、遊び方は、大きなパラダイムシフトを迎えている。私たちは日々生活に溢れるコンテンツを通じて、世界との繋がりを認識しています。特に通信業界においては、毎秒数百万テラバイトという驚異的な量のデジタル情報にアクセスすることができます。一般的な通信・サービス事業者は平均して1日に10億件を超える通信のデータレコード・毎月0.5ペタバイト以上のデータを生成しています。

このような事実がある一方で、通信・サービス事業者の多くは、ビッグデータ活用を通じたリアルタイムでの効率的なデータ集約、整理、分析ができておらず、オペレーションの最適化・合理化、あるいはカスタマエクスペリエンスの向上を通じた収益創出を実現できていません。つまり、データサイロ、規制上の制約、プライバシーとセキュリティの問題、最適な人材の不足やスキルギャップの懸念、柔軟性に欠けるレガシービジネスモデルなどが起因して、通信・サービス事業者はビッグデータ活用という観点において、苦境に立たされていると言わざるを得ない状況となっているのです。

アクセンチュアの最近の調査によると、ビジネスリーダーの90%は、ビッグデータがビジネスのやり方を劇的に変え、インターネットの奇跡に類似したランドマーク的な影響を受けると予想しています。※1

※1参考:https://www.accenture.com/us-en/digital-index

ビッグデータは、あらゆる業種の組織にとって非常に重要です。しかし、ビックデータやアナリティクスから得られる価値を高めるためには、データ主導型の意思決定に基づいて精緻なアナリティクス戦略を策定し、自社や業界、顧客にとって新しい機会を創出する必要があります。通信業界がデジタルライフのあらゆる場面に関与している事実に鑑みると、ビッグデータへのアクセスは、業界の継続的な発展と拡大を促進する価値ある生命線となる可能性があります。
通信・サービス事業者は、ビッグデータのユースケースを実装することに着目しがちですが、エンドツーエンドのプロセス、統合ポイント、分析ツール、ストレージなどを統合的に設計し、高度な分析を適用してデータからインサイトを導き出すことが必要です。更にはビックデータやアナリティクスから得られる価値を高めるために、データ主導型の意思決定に基づいた分析戦略を策定し、自社や業界、顧客にとって新しい価値を創出するべきです。

データが創造する新しい価値



最新テクノロジー適用領域

データエンジニアリング

  • データ収集 - パラダイムシフト
    ソフトウェア主導型の新たな運用/オーケストレーションのアプローチと、数百万もの仮想マシン(VM)から得られる複数レベルの情報によって、通信キャリアがデータを収集する手法には大きな変化がもたらされています。この新たな手法をクラウドアナリティクスと併用することで、これまで以上の顧客体験(CX)を創出し、ビッグデータがもたらすメリットを最大化することができます。

  • 顧客インサイト
    通信キャリアは、第1世代または第2世代の顧客体験(CX)の改善に向けた取り組みを自社のネットワークやサービス環境の中で推進しており、ここでは膨大なデータが顧客対応の領域で活用されています。これらの取り組みは、利用可能なデータのより効果的な活用や、顧客の行動に関する価値あるインサイトをネットワークやOSSデータから引き出すことにも役立っています。CXアナリティクスから得られるインサイトと顧客価値データの組み合わせは、通信キャリアにおける顧客体験の向上に特化したイニシアチブの設計・実践を可能にしています。

  • 非動画コンテンツ
    通信キャリアは、すでに従来型のデータ/コンテンツのマネタイゼーションの先にあるサービスを模索しています。たとえば、北米最大の加入者数を誇るモバイル通信キャリアのVerizonでは、大規模なコンテンツの収集を開始しており、こうした動きは、広告、検索、天候、ニュースなどをはじめ、非動画コンテンツの顧客利用状況に関するアナリティクスの重要性を強く示しています。

  • 体験型サービス
    メディア企業にとって、データは新たな通貨としての意味も備えています。コンテンツの提供だけでなく、それらのコンテンツを中心に構築された体験型サービスの提供をスタートしているメディア企業にとって、リアルタイムのデータアナリティクスとコンテンツ管理は特に重要です。

  • ダイナミックなセマンティックパブリッシング
    キュレーション、編集、あるいは消費者の心理に読み解く人間の能力は、膨大な異なるデータセットの分析から得られる定量的なインサイトによって補完することができます。これにより、ビッグデータに潜在する価値はM&E(メディア&エンターテインメント)業界でさらに発揮され、活用が拡大することになります。

  • オーディエンス + コンテンツインサイト
    デジタル資産のマスターデータ管理(MDM)、あるいは顧客エンゲージメントの向上や顧客単位で商品をパーソナライズするためのアナリティクスといった新たな機能は、インサイト・ドリブンのマーケティング/オペレーションとともに、データによってもたらされるM&E業界の重要な革命の触媒となっています。

データ マネタイゼーション

  • IoTアナリティクスのビジネスオプション
    • 新規ビジネス:通信キャリアはIoTアナリティクスを直接マネタイズするためのポジションを確立することが可能(サービスとしてのIoTアナリティクス:AaaS)です。
    • イネーブラー:通信キャリアはより高い価値を備えたサービスの提供に焦点を当て、自社のデータセット(ネットワークやロケーションデータなど)と関連して、データの取得や処理、保管、公開を行います。
    • 共同制作パートナー:通信キャリアはサードパーティとの連携によって、将来的に共同で市場に投入できる革新的なサービスの開発に向けて、社内データとパートナーのデータを組み合わせて活用することができます。
    • プロフェッショナルサービスプロバイダー:通信キャリアはデータの設計、データのフレームワーク、テクノロジーアーキテクチャなどの分野でコンサルティングや導入サービスの提供を検討できます。また顧客向けのイノベーションワークショップや、対応/即応性の評価、戦略・ロードマップの策定が行えます。

  • IoTアナリティクスのデータマネタイゼーション
    通信キャリアが提供可能なIoTアナリティクスについて、さまざまなマネタイゼーションのモデルが検討されています(デバイス毎の課金、価値に基づく課金、レベニューシェア、データアクセスの頻度に応じた課金など)。

  • 新たな収益モデル
    通信キャリアによるエンタープライズ向けデータマネタイゼーションの手法は、サービスとしてのデータ管理、データストレージ、アナリティクスなど、新たなモデルの登場とともに進化を続けています。

アナリティクスのアドバイザリー

  • 専門グループ
    Orange Business Servicesなどの通信キャリアは、IoT、リアルタイムな情報交換、セキュリティ分野における専門技術を活用しながら、ビジネスコンサルティングのための新たな事業グループを立ち上げ、クライアントのビジネスモデルに破壊的な変革をもたらしています。

  • IoTにおけるデザイン思考
    多くのテクノロジーサービスプロバイダー(TSP)は、現時点ではまだデザイン思考などの具体的な顧客体験(CX)主導型のアプローチを導入するには至っていません。ガートナーは、業界内におけるIoTブームの隆盛に伴い、TSPの提供するIOTソリューションにデザイン思考アプローチが応用されるケースが増えるだろうと予測しています。

高度なアナリティクス

  • 処方的/予測的アナリティクス
    類似したアナリティクスのニーズを持つ組織全体でユースケースを探して知識を継承することで、より複雑な処方的/予測的アナリティクスに限られたデータサイエンスのリソースを活用できるように注力します。こうした手法の例には、計画/予測、スケジュール設定、自動化、次善策の選択などが考えられます。

  • 仮想現実(VR)及び拡張現実(AR)アナリティクス
    M&E業界において最も刺激的で新しい開発分野の1つが、拡張現実(AR)及び仮想現実(VR)です。これらの先進的なテクノロジーは、コンテンツ制作にかつてない数々の機会をもたらしています。新たに生み出されるAR・VRを活用した次世代のビッグデータ可視化/アナリティクスツールは、カスタマーインサイトの獲得やコンテンツのパーソナライゼーションをさらに加速させます。

  • エッジアナリティクス
    データの発生源に限りなく近い場所 (エッジ)でのリアルタイム・アナリティクスに対するニーズが、エッジコンピューティングへの関心を高めています。IoTのさらなる普及に伴い、企業はエッジコンピューティングにリアルタイム・アナリティクスの改善とビジネスプロセス最適化支援を強く求めるようになります。

  • 非従来型データ
    コンピュータビジョン、パターン認識、及びコグニティブアナリティクスの最近の進化をきっかけに、企業は未活用のデータソースに目を向けて非従来型のデータソース(画像、音声、動画ファイルなど、IoTによって大量に生成される機械/センサー情報)から新たなインサイトを引き出せるようになります。

  • プロアクティブ・ケア
    既存のコンテキスト情報を使用し、ネットワークやデバイスで起きている問題を瞬時に特定することにより、顧客は対応が必要となる問題に対するアラートを受け取ることができる。バックグラウンドプロセスによって問題を自動的に処理する仕組みによって、カスタマーサポートの効率化とCX向上を実現することができる。 分析と機械学習技術を使用して、顕在化している問題、または将来起こりうるリスク要因を特定し、バックグラウンドでアクティビティを実行、顧客のオペレーションを介さずに事前に問題を解決することでCXを飛躍的に向上させることができる。

  • スモールセル・インフラ
    リアルタイムのモバイルアナリティクスにより、スモールセル・インフラへの投資をマネタイズできるようになる。アナリティクス機能、リアルタイムな対応機能、レポート機能を備えたWi-Fiソリューションを提供する通信キャリアが増えています。

  • 運用効率
    通信キャリアはトラフィックのパターンや障害予測のために、アナリティクス主導型の機能をネットワーク内に導入しています。ネットワークの最適化は、アナリティクスとインテリジェントなポリシー/課金制御ソリューションをリンクさせることにより実現します。

  • エンタープライズサービス
    通信キャリアのエンタープライズ向けデジタルサービスポートフォリオでは、 群衆行動アナリティクス、トラフィックアナリティクス、ターゲットマーケティング/広告向けアナリティクス、セキュリティアナリティクスなど、高度なデータアナリティクスのサービスが提供されています。

AI

  • ネットワークのモダナイゼーション
    通信キャリアは高度に自動化された運用システム(人工知能、機械学習、アナリティクスなど)への投資やNFV/SDNの活用を通じて、デジタル分野におけるパラダイムシフトを目指しています。ネットワークや顧客要件に対して、より一層予防的、予測的、自動的にアプローチできるエンド・ツー・エンドのインフラ管理においては完全なクローズドループ型の自動化が求められ、この実現にはアナリティクスや機械学習アルゴリズムなどのオペレーショナル・インテリジェンス機能のアップグレードが不可欠となります。

  • セキュリティ
    ますます高度化するセキュリティ攻撃の増加を受けて、ソリューション設計においては、AIによるユーザーエンティティ行動アナリティクス、IoTとインテリジェントなデジタルメッシュのセキュリティに対応した新たな手法/ツールといった、最先端のテクノロジーを駆使したアダプティブなアーキテクチャが不可欠となっています。また、通信キャリアはネットワーク、デバイス、オンラインアプリケーション、製品・顧客のアイデンティティ、ならびに不正の検知/予防とアナリティクスに至るまで、すべての領域に監視対象を拡大するとともに、特定のテクノロジー領域に関連した「ニッチな」脅威も調査する必要があります。

  • 顧客体験(CX)
    業界全体でクラウドベースの仮想化インフラへのシフトが進んでいる状況からも、通信キャリアのテクノロジー部門のリーダーは自動化のインテリジェンスを活用して、CX品質のさらなる向上を目指している。

  • ネットワーク診断・自律型運用
    通信キャリアは機械学習アルゴリズムと高度なアナリティクスを併用することで、ネットワークの問題を事前に予測・対応することでCXを向上させている。また、予測精度が高い作業や反復的な操作を自律的に判断し、ネットワークの運用をより効率的に行う取り組みでもある。

  • コンテンツモデレーションの自動化
    結果の予測可能性が高く、より高速なリアルタイムのコンテンツスクリーニングを支援する人工知能は、コンテンツモデレーションのタスクにおいて重要な役割を果たします。これにより、レビュー担当者の負担を軽減できるほか、モデレーションコストの削減にもつなげられます。Facebook、HuffPost、Twitter、YouTubeといった企業は、こうしたAIソリューションの活用に積極的に取り組んでいます。
    • Facebookが導入したテキスト理解エンジン「DeepText」は、ディープラーニングをベースに1秒間あたり数千件の投稿のテキストコンテンツをほぼ人間と同じ精度で理解できることに加えて、20以上の言語をコンテンツモデレーションに利用できます。この新しいソリューションは、Facebookで従来使用されていたテクノロジーよりも20%高い精度を発揮します。
    • 人工知能ツールの開発に注力するTwitterのCortexチームは、ライブビデオフィードの内容を瞬時に認識できるアルゴリズムの開発に成功した。現在、このツールはTwitterのPeriscopeアプリでテストが行われています。
    • HuffPostは「Julia」という機械学習アルゴリズムを用いて、1カ月あたり950万件のコメントをプレモデレーションしている。これにより、悪意のあるメンバーの排除やプロモーションで利用できるインテリジェントな会話、またHuffPostの広告主にとって不適切なコンテンツの特定を行っています。

お問い合わせ

お問い合わせは、下記リンク先のフォームよりご連絡ください。


お問い合わせ