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Accenture Technology Vision 2015:デジタルビジネスの時代――業界の垣根を越えて

企業同士が業界を越えて相互に補完し合う、デジタル時代の新しい経済「We Economy」が生まれつつあります。本レポートでは、先進的な企業が共通して取り組む5つのテクノロジー・トレンドを解説します。

概要

「個(me)」から「全体(we)」へ――。今、デジタルビジネスに取り組む先進的な企業の間で、急速なシフトが起きています。

「SMACS」と呼ばれるデジタル・テクノロジー、すなわちソーシャル(Social)、モバイル(Mobile)、アナリティクス(Analytics)、クラウド(Cloud)、センサー(Sensor)の進展は、すべての人にデジタルがもたらす可能性を示しただけではなく、デジタルの活用を不可避なものにしました。さらに、「モノのインターネット(IoT:Internet of Things)」はあらゆるモノと消費者の行動をもデジタルの世界に引き込み、新たなイノベーションと機会を生み出す原動力となっています。

大局的に見れば、企業は自社が手掛ける1つひとつの事業、顧客との関係、そしてこれらを取り巻くすべての環境において、さまざまな可能性を秘めたデジタル構造とつながっています。これにより、いまだかつてないほどのスケールで企業と企業がつながり、業務の規模を拡大することが可能になりました。新たな「デジタル・エコシステム」時代の幕開けです。



先進的な企業は、この新時代において単独のプレーヤーとして存在するのではなく、自社をエコシステムの一部として機能させることに事業改善と収益向上の大きな可能性を見出しています。「個(me)」から「全体(we)」へとシフトすることで、企業同士が業界を越えて相互に補完し合う新しい経済「We Economy」を形作りつつあるのです。

2015年のAccenture Technology Visionでは、そのWe Economyにおける先進的なキー・プレーヤーが共通して取り組んでいる5つの新たなテクノロジー・トレンドに焦点を当てました。

5つのトレンド

Trend 1: Internet of Me
「個」客体験をもたらすインターネット――限りなくカスタム化された世界

 

日常のモノがオンラインへ移行するにつれ、顧客体験もオンラインに移行しており、個人の生活のあらゆるシーンに密着した多くのデジタルチャネルが生まれています。

 

未来志向の企業は、新たなアプリケーションや商品、サービスを生み出す手法を変革し、かつ確実に利益につなげています。企業は個々の顧客体験をコントロールするために、顧客のプロファイルや状況に応じてカスタム化された体験を創造していますが、ここでは顧客からの信頼も重要です。

 

次世代の有力企業になるのは、この「『個』客体験をもたらすインターネット(Internet of Me)」を実現できる企業なのです。

 

Trend 2: Outcome Economy
成果を売る経済――確実な成果を生み出すハードウェア

 

インテリジェントなハードウェアが、デジタル世界と現実世界との最後のギャップを埋めようとしています。

 

有力企業は、顧客が本当に望むもの、つまり単なる商品やサービスではなくより価値のある成果を生み出すために、IoTの活用に目を向け、ハードウェアとセンサーをデジタル機器に組み込み、高度に連携させようとしています。こうした企業は、競合企業に勝つために、単に物を売るのではなく、それによってもたらされる成果を売らなければならないこと、そのために物の活用やそれにまつわる体験価値までフォローすべきであることを認識しています。

 

これが新しい「成果を売る経済(Outcome Economy)」です。

 

Trend 3: Platform (R)evolution
プラットフォームの改革と進化――エコシステムを整備し、産業を再定義する

 

フォーブス・グローバル2,000において、デジタル・インダストリー・プラットフォームおよびエコシステムは、飛躍的なイノベーションと破壊的成長をもたらす次の波として注目されています。

 

プラットフォームを構築した企業は、力強い成長と収益に向けたデジタル・エコノミーにおける機会をますます多く獲得するようになります。クラウドやモビリティにおける急峻な進化は、単にプラットフォームに関するテクノロジーやコストの壁を取り去るのみならず、業界や物理的距離を越えてこうした新しい活動の場を切り開くことになります。

 

要するに、プラットフォームに支えられたエコシステムが新しい競争の場となるのです。

 

Trend 4: Intelligent Enterprise
インテリジェントな企業――膨大なデータとスマートな仕組みが優れたビジネスを生み出す

 

ソフトウェア・インテリジェンスによって、実務上のさまざまな知見やソフトウェアを活用した次世代のサービスが生み出されるでしょう。

 

これまで、先進的なソフトウェアの主な目的は、社員の効率的な業務運営と迅速な意思決定を支援することでした。しかし、本格的なビッグデータの時代が到来し、データの処理能力やデータサイエンス、認知技術が飛躍的に向上した現在、「ソフトウェア・インテリジェンス」によって、企業は高度な処理に基づく情報に従って、優れた意思決定を行うことが可能になります。

 

Trend 5: Workforce Reimagined
「ワークフォース」再考――人と機械の連携がもたらすコラボレーション

 

デジタルに舵を切るということは、人と機械がともに活動することがより一層増えることを意味します。

 

自然言語インターフェースやウェアラブルデバイス、そしてスマートマシンは、自社の従業員をテクノロジーで強化する新しい機会を実現するでしょう。そして、「人と機械のコラボレーティブ・ワークフォースをどう運営していくか」という新しい課題が浮かび上がってきます。

 

人の英知とインテリジェント・テクノロジーが合わさって協業することの利点を見極め、新しく再考されたワークフォースの“重要構成メンバー”として人と機械の両方を進んで受け入れることが、ビジネスの成功につながります。

調査方法

アクセンチュアが毎年発表しているTechnology Visionは、今後3~5年の間に大企業にインパクトを与える新たなテクノロジー・トレンドを、当社の知見と調査に基づいて描き出すレポートです。

2015年版のレポートは、次のような手順で作成しました。最初に着手したのは、社外の顧問委員会「Technology Vision External Advisory Board」から意見を集約する作業です。この委員会には、公的機関や学術界の有識者、民間企業、ベンチャー・キャピタル、スタートアップ企業などの経営者や起業家が参加しています。

その後、テクノロジーの専門家、さまざまな業界ごとの専門家、アクセンチュアの経営幹部など100人を超える対象者にインタビューを実施しました。次に、1700人以上ものアクセンチュア社員からクラウドソーシングによってテクノロジー・トレンドに関するアイデアを募りました。それと並行し、新興テクノロジーの実際の導入状況をグローバル規模で把握するため、当社の調査部門であるAccenture Researchが9カ国で10の業界を対象に、2000人を超えるビジネス部門/IT部門の経営幹部職に調査を実施しました。