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SAP HANA共同設計者が語る
「ゲームチェンジ」を起こすSAP S/4HANA

デジタル・トランスフォーメーションを支援する
次世代プラットフォーム

お客様企業を取り巻く市場環境の変化のスピードがますます加速している昨今、多くのお客様が変化への対応に苦慮なさっています。そうした課題の解決には、どのような対応策が必要なのでしょうか。まず挙げられるのが、インフラを整備すること。デジタル・プラットフォームはそうした激変する環境に適応するためのインフラとして、いまや企業経営に不可欠な要素です。

経営者の意思決定を支援するプレディクティブ・アナリティクス(予知分析)を可能にし、IT環境をシンプルにするSAP HANAは、まさにこれからのエンタープライズに必要なデジタル・プラットフォームであるといえます。このページではSAP HANA共同設計者であり、アクセンチュアのインメモリ・ソリューション・グローバルリードを務めるアレクサンダー・ゼアーがSAPとアクセンチュアの協業による価値やSAP S/4HANAの導入事例、そして日本企業への提言まで幅広くご紹介します。

次世代型デジタル・プラットフォームSAP HANAと
プレディクティブ・アナリティクス

私はアクセンチュアにおいて、すでに200社以上の主要なお客様に対して先進テクノロジーの導入やデジタル化をご支援してきました。デジタル・プラットフォームの導入を進めるうえでは「自社に最適なテクノロジーは何か」「どのようなビジネスプロセスのインプリメンテーションが必要なのか」を理解し、判断する必要があります。

今日は、あらゆる業種・業界で、まったく新しいITインフラを確立しなければならない時代だと言えるでしょう。なぜならばお客様の経営環境の変化するスピードは日々加速しており、ビジネス現場の先行き不透明性は年々高まっているからです。

経営のアジリティを向上させる次世代デジタル・プラットフォームをクラウド上に整備し、データに基づく将来予測を実現する「プレディクティブ・アナリティクス(予知分析)」をいち早く取り入れること。これらが今後の経営において、もっとも頼りになる意思決定の支援策です。事実、お客様企業のうち、各マーケットにおけるリーダー企業として知られている大企業であるほど、従来とは異なるアーキテクチャーを持つ新システムの導入に積極的であり、その先見性の確かさを裏付けています。

※プレディクティブ・アナリティクス(予知分析)
予測モデルや機械学習、データマイニングなどの技術を用いて過去と現在に関する膨大な事実データを分析し、将来予測や未知の出来事の把握を可能にする技術。ビジネスにおいては主にリスクや機会の早期発見につなげ、経営者の意思決定を支援する。

アレクサンダー・ゼアー
Prof. Dr. Alexander Zeier

インメモリ・ソリューションズ
グローバル・マネジング・ディレクター 兼
アクセンチュア・イノベーション・センター・フォー・SAP HANA & グローバルHANA CoE
ディレクター
SAP HANA共同設計者
マサチューセッツ工科大学 元客員教授
ドイツ・マクデブルク大学 名誉教授

スピードを求める経営者に応えるSAP HANA

お客様企業は自社の製品/サービスを製造販売するだけの従来のビジネスモデルから脱却し、新しい企業体の実現や、新サービスの効率的な開発を目指しています。そうした目標を実現させるため、多くの経営者が「自社をいかに変革するか」に頭を悩ませています。

私はそうしたお客様へ、「必要なことはスピードである」と申し上げています。オンプレミスでハードウェアを自前で揃えて構築するプロジェクトは最低でも6カ月~9カ月、ときには12カ月もかかります。しかしクラウドを活用すればセットアップ自体にかかる日数はわずか2~3日です。今日の企業のビジネス部門は半年~1年も待ってはくれません。悠長なことをしていれば、たちまちIT部門を突き上げてくるでしょう。

IT部門はこうしたスピードの問題を解消するためにクラウドへ目を向けています。最近では大規模な本番環境ですら、クラウドに移行しています。先進的なお客様は、ITシステムの50~80%をクラウド化しているのが現在のトレンドなのです。

IT部門にとってもう1つの悩ましい課題は「要求は増えても、予算はそれほど増えない」ということです。クラウド化は予算面の合理化の面でも効果があります。あるお客様は、クラウド化によってシステム運用コストを20~50%も削減しました。

クラウドと合わせて、もう1つの大きな流れが「最新のプラットフォームを利用すること」へのシフトです。具体的には、お客様のリアルタイムでの意思決定を支援するSAP HANAをクラウドで利用したいというニーズが非常に高まっています。

SAP HANAは、「かつてない新しいアーキテクチャーを創造する」という目的の元、SAPの現会長であるハッソ・プラットナー(Hasso Plattner)と私たちのチームが2006年から開発に取り組みました。指向したのは「リアルタイムにアナリティクス、アプリケーションを両方用いることができる次世代型プラットフォーム」です。2010年秋に世に送り出されたSAP HANAは2011年から順次稼働していき、2012年にはSAP HANA Cloud Platformも市場に投入されました。

その名称が「SAP ハイパフォーマンス・アナリティック・アプライアンス」に由来するSAP HANAは、世界最速のデータ処理基盤です。すべてのデータをメモリ上で処理するインメモリ技術は、従来のハードディスクを利用するデータベースと比較して、数千から数万倍ものスピードを特徴とする次世代型のシステムです。利益分析のスピードを100万倍高速化したお客様の例もあるほどです。

変わるCIOの役割

一方、CIOの役割も過去と現在、そして未来とではまったく違うものに変わります。

  • 過去のCIOの役割:自社に必要なシステムを導入し、利用するための社内標準プロセスを確立。社内ユーザーへITのワークフローの仕組みを説明して、利用を促す。

  • 過去のCIOの評価:導入するシステムの運用コストをいかにして抑えるか。要件を満たすシステムを安価に実現できれば優秀なCIOとみなされた。

  • 現在およびこれからのCIOの役割:企業が市場で生き残るための鍵はCIOが握っているとみなされている。その期待される役割とは「Chief Innovation Officer」である。あらゆる企業において、イノベーションが必要とされているが、イノベーションを導くのはテクノロジーである。つまり、テクノロジーを取り入れることで企業は次なるバリュー、すなわち自社の真価を創出することができる。

  • 現在およびこれからのCIOの評価:イノベーションを起こすキーパーソンであることがCIOの評価基準となる。

デジタル化へのニーズや危機感はあらゆる業界の経営者の方々で共通しているものの、業界ごとに先進テクノロジー導入のスピード感には違いがあります。

デジタル化が特に進んでいるのはファッション業界です。あるお客様はアクセンチュアのデリバリーのもとでSAP HANAを導入し、社内の全データをSAP HANAのプラットフォームで処理し、意思決定に活用しています。同社が扱っているデータにはIoTのストリーミングのデータも含まれています。

それらの先進的な業界を追う形で導入が進んでいるのは石油やガス関連の業界、化学、金融、通信・ハイテク、製造業などのお客様です。

お客様の「ゲームチェンジ」を起こす
アクセンチュアとSAPのパートナーシップ

アクセンチュアとSAPの協業の歴史は長いものですが、特筆すべきは2013年に世界レベルで協業体制を強化する旨を発表した点でしょう。現在、両社はかつてないほどに強固なパートナーシップを築いています。

また2017年には50以上のエンタープライズ・アナリティクス・アプリケーションを、SAP Leonardoで構築した環境に統合します。あらゆるお客様が最新の分析ソリューションを必要に応じて利用できる環境が整っているのです。かくいう私も、私も、マサチューセッツ工科大学やハッソ・プラットナー・インスティテュートの教授職から2013年にアクセンチュア社員へと転身し、お客様とお会いする最前線に立っています。(※)
※マクデブルク大学では名誉教授として現在も教壇に立っている。

両社のユニークな協業体制は、アクセンチュアの持つプレディクティブ・アナリティクスのアルゴリズム、長年培ってきたAIやRPAなどのアセットや知財がSAP HANAという優れたプラットフォームで利用いただけることを実現しています。これらをEnd-to-Endで提供できることは、お客様のイノベーションの実現に直結していると言っても、過言ではありません。



お客様の「ゲームチェンジ」を起こす アクセンチュアとSAPのパートナーシップ

SAP HANAのパフォーマンスとアクセンチュアのアセットの組み合わせは、まさにゲームチェンジの起爆剤です。両社の強みを発揮し、ビジネスを発展・成功させているお客様は、デリバリー完了、進行中あわせて450社以上に達します。

プレディクティブ・アナリティクスをコア領域で直接的に動作させられるSAP S/4HANAにより、お客様はスピーディな意思決定と市場への反応力の向上を実現しています。SAP S/4HANAを本番環境でお使いいただいているお客様は、まさにこの意思決定の迅速さを武器にして競争優位性を保っていると言えるでしょう。

しばしば頂くご相談として挙げられるのが、プラットフォームをSAP HANAへ移行するには、かなりの規模の投資が必要になるのではないか、という点です。しかしファイナンス関連や管理業務だけでなく、サプライチェーンといった機能もSAP S/4HANAで整備し、アクセンチュアが提供するアナリティクスの様々なアセットを活用することによって、高い投資対効果やROIを得ていることもまた事実です。

2017年8月現在、日本を含む全世界で100件を超えるSAP S/4HANAのプロジェクトが進行中です。残念ながら諸外国に比べて日本企業のお客様は後れを取っているようですが、我々が日本市場の皆さまを的確にキャッチアップし、SAP S/4HANAの導入と活用をお手伝い致します。

SAP S/4HANAの注目最新事例

SAP S/4HANAへの移行を推奨する理由は、パフォーマンスを高めるという「前向きの目的」が最大の要素ですが、「背後に迫った事情」として、2025年に旧製品のサポート終了が予定されている事です。

アクセンチュアのアドバンスト・テクノロジー・アーキテクチャ(ATA)チームはSAP S/4HANAをパッケージとして導入するだけでなく、お客様のためのカスタム開発の支援でも多数の実績を有しています。

あるカナダの製造業企業のお客様はECCからのマイグレーションを検討していましたが、自社でカスタム開発したコードの量が膨大だったため、同社では移行は不可能だと考えていました。実際、そのお客様のシステムのプログラムは驚くほど複雑化していたのです。

ですがアクセンチュアには、グローバルレベルで通用する高いスキルを持った100人体制のマイグレーション・センターがインドにあります。SAPに関するプロフェッショナル技術者によって、先のカナダのお客様のシステムはわずか4カ月で移行を完了できました。他にも大型プロジェクトは北米やブラジルで続いており、あるアメリカ企業のお客様はSAP S/4HANAによるプラットフォーム構築に数十億ドル規模の投資を決定しました。このプロジェクトではカスタム開発も4割ほど予定されています。

今は日本企業のお客様もアクセンチュアの知見を活用し、SAP S/4HANAへと移行する絶好の好機です。次世代プラットフォームであるSAP HANA、そしてアクセンチュアとSAPは、あらゆるお客様のデジタル・トランスフォーメーションをご支援します。