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講演ビデオトランスクリプト:
成熟市場を勝ち抜く経営管理 ―― Risk Adjustedプロセスモデルの構築

講演ビデオ:成熟市場を勝ち抜く経営管理― Risk Adjustedプロセスモデルの構築のトランスクリプト。保険会社の経営管理について、アクセンチュアが実施した調査から導き出された示唆を交えて語った講演のハイライトをテキストでご確認いただけます。

アクセンチュア 経営コンサルティング本部 リスク管理グループ
マネジング・ディレクター 山本 晋五

アクセンチュアでは、リスク管理についてグローバル規模の調査を毎年行っています。

2013年の調査のテーマの1つは、リスク管理についての将来の方向性、将来何をやっていけば良いのかということです。

もう1つは、リスク管理の目が全社、全方位に行き届いているか、ということです。これらについて調査を実施しました。

サマリーとしては、いわゆるアンダーライティング、引受や運用にかかわる財務のリスクについてはある程度整っているという結果を得ました。

アンダーライティング、あるいは企業戦略とその実行といった実際の業務の中に対してはリスク管理の仕組みは取り込まれており、十分に働いているようでした。

一方、商品開発においては、例えば商品委員会に対してリスク部門の声が取り上げられるようになっているかなど、30数パーセントという結果に止まっています。

また、プライス、料率の設定や、拠点の開発という部分についてリスク管理が行き届いているかは、まだこれからであるという答えでした。

成熟したマーケットにおいて、ボラティリティが高く変化の速い時代に、収益を保ち企業を成長させていくためにはリスク管理の重要性は間違いないと言えます。

ただこれまでは金融機関のリスク管理部門、リスク管理機能は、監査部門やコンプライアンスと同様に“守り”、すなわち「これをやってはいけない」「ここにリミットがある」「ここを超えない」というような位置づけであったようです。

しかし今後は、経営判断や、営業的な判断、この商品をより積極的に売るのか止めるのか、という判断の一事をリスク管理が担うべきと考えております。

私どもがERMではなく、リスク・アジャステッド・オペレーティングモデルと提唱する理由はここにあります。

もちろんリスク管理自体は大切ですが、その一機能だけではなく、全社のオペレーティングモデル、仕事のやりかたや経営管理の考えなどにメスを入れていくというところがリスク管理の担うべき役割であるという考え方がこれまでと異なるところです。

全社のどの部署においても、起こりうるリスクを加味した収益性をもとにした判断、議論、意思決定がされていくことが非常に重要なのではないかと考えています。

本日、私のお伝えしたかったことをまとめますと、

まず、現在一部の例外を除いて成熟した国内マーケットにおいて、保険会社様におけるリスク管理は、それぞれのリスクを計ることについてはかなり進化しています。

一方、これだけグローバル化された経済環境において、いわゆるボラティリティのリスク、何かが起こった際に経営にインパクトを与えるスピードやそのインパクトの大きさというものは加速度的に大きくなっています。

こういったなかで、これからリスク管理が担っていくべき役割は、リスクを加味した経営判断、あるいは全社的なリスクの状況を把握したうえでの経営判断というところになります。

それらはリスク管理機能やリスク管理の組織だけが担う役割ではなく、全社のカルチャーや考え方、意思決定のインプットや心構えにまでつながっていくべきだと考えております。