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素材・化学企業にチャンスが広がるインド 後編

素材・化学企業がインドで成功するには? 成功企業のアプローチから、巨大なインド市場を攻略する方法を探ります。

~日本企業がインドで成功を収めるには?~

講演するBiswass

前回、成長するインド市場と、そこでビジネスを行う上での課題について説明しました。インドはユニークな市場であり、ここで成功するためには“インド化”が重要なテーマになります。成功企業のこれまでの取り組みには、多くの示唆が含まれています。

まず、自動車産業。この分野で大きな成功を収めたスズキについて、アクセンチュア(インド)素材・エネルギー本部 統括本部長のSandeep Biswasは次のように語ります。

「スズキはマスマーケット向けの小型車を発売した最初のメーカーです。外資系の自動車メーカーとして初めてR&Dセンターを立ち上げ、現地ニーズを踏まえた調達や開発を実現しました」

次々とインドで成功を収める外国資本

スズキの背中を追って、多くの自動車メーカーがチャレンジを加速しています。日系メーカーについて言えば、トヨタやホンダはかつてハイエンド市場を主なターゲットとしていましたが、最近は100万円程度のインド向け製品を開発。マスマーケットへの取り組みを強化しつつあります。

エレクトロニクス産業については、韓国勢の強さが目立ちます。

「LGエレクトロニクスはグローバル・プレイヤーの中では最後発組の1つで、1997年にインドに現地法人を設立しました。現地のマネジメントチームは、韓国人トップの1人を除けばすべてインド人です。マネジメントの現地化は奏功し、ローカルニーズに合致した製品の魅力も相まって、10年でトップランナーになりました」とBiswasは言います。

サムスン電子もインドでのビジネスを成長させています。面白い製品の1つとしてBiswasが紹介するのが、メモリー付きの洗濯機です。

「洗濯がどこまで進んだかを覚えているので、途中で停電した場合、ふりだしに戻る必要がありません。電気が復旧すると、途中から洗濯を続行するのです」

頻発する停電は、ほかの分野でもインド向け製品の開発を促しています。ノキアは数年前、インドの携帯電話機市場で80%のシェアを獲得したこともある企業です。そのノキアは太陽電池で動く携帯電話、懐中電灯付きの携帯電話などを発売してヒットさせました。

素材・化学産業では、1995年にインドに進出したデュポンが参考になるかもしれません。同社はまず殺虫剤の販売からスタートし、その後工場での生産を開始。現在ではインドにイノベーションセンターを持ち、高機能素材の提供も行っています。

「最初はシンプルにスタートし、徐々にインドを理解していくというアプローチが望ましいと思います。小さく始めていかにスケールアップするかが、インドに進出した企業の共通のテーマです」(Biswas)

25年の経験を生かした多面的な支援
これまでインド化、スモールスタートなどのキーワードが出てきましたが、Biswasは「これが正解というモデルはありません」と言います。

「顧客や競合企業の状況、許認可のプロセスなどは、インドで経験を積まなければ理解できません。そのためには長い時間がかかるでしょう。最初はオフィスを設置するだけでもいいので、まずプレゼンスを示す必要があります。また、インドの人たちはバリューに敏感です。価格が高いか安いかではなく、まず商品やサービスのバリューが問われることに注意すべきです」

つまり、インド市場に認められるバリューを提供すれば、そこには大きなチャンスがあるということ。その例として、Biswasは食品流通を取り上げます。

「サプライチェーンが未整備なため、インドの食品廃棄率は高水準にあります。野菜やフルーツの72%は、消費者に届く前に廃棄されているとの調査もあります。ただ、サプライチェーンは改善されつつあり、加工食品市場が急成長しています。素材・化学企業にとって、これは大きなビジネスチャンスです。バリューの高いパッケージ素材のニーズが高まっているからです」

素材・化学産業をはじめ、様々な業界の企業に対してアクセンチュアはビジネスの成長ステージに応じたサービスメニューを用意しています。インドでの事業立ち上げ、M&Aやアライアンス先の選定、ビジネス戦略の策定、オペレーショナル・エクセレンス実現に向けたサポートなど多面的な支援サービスがあります。日本企業をはじめとする外国資本企業、インド国内企業の両方がクライアントです。

Our services span requirements across the different stages of organizational growth(クリックで拡大表示)

「アクセンチュアのインド事業は25年の歴史があります。インド人社員は7万人で、経営コンサルティング部門は1200人を擁しています。様々なサービスを提供していますが、とりわけお客様のニーズが高いのはタレントマネジメントです。いかに優秀な人材を集め、その能力を発揮してもらうか。そのための戦略やプランづくりも行っていますが、期限付きでマネジメント人材サービスを提供することもあります」

例えば、アクセンチュアが、クライアントのある部門のマネージャーを1年間務めるといったケースもあります。インドビジネスにおける多様なニーズに対応し、アクセンチュアの提供する機能は広く深いものになっています。

(関連リンク)