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製造・流通本部
コンサルタント
水草 亜友


高まる顧客の要求レベル
今、顧客の要求レベルは高まり続けています。

2015年まではオムニチャネル、つまり、いつでもどこでも顧客が好きなときに買い物ができる価値が注目されていました。各社はオンラインとオフラインをシームレスにつなぐことで、オンラインから在庫のある店舗を確認できるようにしたり、Eコマースとリアル店舗で共通のポイントが貯められるようにし、配送についてはコンビニ受取りできるようにするなどの整備を進めてきました。その結果、アクセンチュアによる調査「Adaptive Retail Research」によると、オンラインから在庫をチェックできるサービスへのニーズが2014年では27%だったのに対し、2015年では49%にまで増加しています。他にも店舗で在庫切れの商品がすぐに注文できることのニーズが17%から27%に増加しています。

現在では、支払や入手のしやすさ、配送リードタイムの短さといった利便性に留まらず、顧客の嗜好に寄り添い、顧客ごとに最適な商品・接客をするようなサービスが生まれてきています。

アメリカの「Keaton Row」というオンラインショッピングサービスでは、ユーザは2000人以上*のスタイリストの中から好みのスタイリストを選び、自分の好みに合わせたスタイリング提案を受けることができます。ユーザは気に入ればオンラインサイトでそのまま買うことができます。(Keaton Row

アディダスでは、採寸してから製作・納品まで日数がかかってしまっていたオーダーメイドシューズについて、ソール部分を3Dプリンターを使って製作することで、その場でその人だけのシューズに仕立てられるようにする取り組みを始めています。この取り組みの実用化はまだとのことですが、今後もスポーツ用品やファッション業界において、製造技術の革新により、顧客のニーズごとに商品が製造されるようになるかもしれません。(アディダスFuturecraft 3D

今後も、このように顧客それぞれのニーズに合わせた接客や商品開発を行うサービスが増えていくことが考えられます。このようなサービスを利用しはじめた顧客は、それを当たり前と感じるようになり、サービスに満足しなければすぐ離脱して他を選ぶようになるでしょう。2020年では、顧客の要求レベルはさらに高くなり、自ら探さずとも常に自分の嗜好に合った情報に囲まれ、面倒なく必要なタイミングで手に入れられるような買い物体験、つまり「至れり尽くせり」な状態を求めるようになるでしょう。

*2015年1月時点の人数

次世代のカスタマーエクスペリエンス
顧客の高い要求レベルに応えるために、具体的に、どのような買い物体験を提供することが求められているのでしょうか。アウトドア用品の製造・販売を行っているブランドを例としたシナリオで考えてみましょう。

顧客は普段からSNSやキュレーションメディアなど、日々嗜好に合ったコンテンツを楽しむ中で、気になった商品、サービス、もしくはイベントなどに出会うことができます。イベントには、アイテムのレンタルサービスで気軽にすることができます。そして、実際に利用して気に入ったアイテムや、自分専用で欲しいと思う商品があった場合、スマホなどから後買いすることができます。もちろん、いきなり購入するのではなく、店舗を指定して試着予約を行うことができ、店舗でもスムーズに案内されます。さらに顧客のニーズにぴったりの商品が欲しい場合、カスタマイズやオーダーメイドでニーズそのままの商品を購入することができるのです。

つまり顧客は、自分の視点で自分の嗜好・要求を、一貫して満たしてくれる購買体験を求めているのです。


求められる柔軟な変革と、新たな価値創造
このように顧客起点で考えていくことは、競争の常識になります。ただし、単にカスタマーエクスペリエンスを描いて終わりであってはいけません。次世代カスタマーエクスペリエンスの例にあったように、プロダクト、サービス、コンテンツを三位一体で考え、提供価値をデザインしていく必要があります。そしてそれらを実際に提供していくためには、同時にそれを支えるケイパビリティをデザインしていくことが必要となるのです。

具体的には、以下のような活動・しくみが挙げられます。

  • 利益を生むターゲットを見極め、顧客ごとに最適な情報を提供する、データドリブンなマーケティング活動
  • オンライン・リアル店舗がシームレスにつながり、顧客に最適な接客を提供できるオペレーション
  • リアル店舗ではなく、実際に商品を利用してから気に入ったものを購入してもらうしくみ
  • 顧客ごとのニーズに適した製品を効率的に生産し、すぐに届けられるしくみ

ただしこのような変革には、単に今持っているものを組み替えるだけでなく、新たな分野の人材や技術までが必要となります。そのため、自社だけで変革を行おうとすると、時間もコストもかかってしまい、柔軟に対応することが難しくなってしまいます。そのような場合には、オープンイノベーションにより他社とケイパビリティを補完し合うことで、柔軟にスピーディに変革することができます。

アクセンチュアにおいても、顧客起点から経営課題を発見しアプローチしていくために、経営層向けのCXワークショップのサポートを行っています。さらに、そこでデザインされた提供価値の創出のために、ビジネスモデルや組織構造、オペレーションモデル、ITプラットフォームなど、必要なケイパビリティのデザインや実行のサポートも行っています。また、ケイパビリティの相互補完を促進するために、国内外のスタートアップ企業の技術、アイデアの集積から、それら技術やアイデアを活用した新規事業の創出支援など、オープンイノベーションを生み出す幅広い活動を集約させた新組織「アクセンチュア・オープンイノベーション・イニシアチブ」を設立しました。このようなプログラムにより、顧客起点で提供価値と、それを支える企業活動のしくみ・ケイパビリティを両輪でデザインし、実行をサポートするサービスを提供します。

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TEL:03-3588-4453 (製造・流通本部直通)