では、これらの企業はどのようなステップを経て、成功を手に入れることができたのでしょうか。そこには多くの企業に共通する、変革の入り口とも言うべきいくつかの経営課題が存在します。
A. 高い競争力を備えたオムニチャネルの形成
新たな顧客の獲得、ひいては顧客との高度なエンゲージメントの確立に向けて、デジタルチャネルは最も重要な顧客接点の1つとなっています。しかし、その「質」は依然として企業間で大きな隔たりがあり、このことが顧客とのエンゲージメントスコアに大きな影響を与えています。その最も大きな要素の1つとして挙げられるのが「配送サービス」です。
B. デジタルファクトリーの形成
IOTやインダストリー4.0の流れの中で避けて通れない情報のデジタル化は、多くの企業が取り組みを進めている1つの方向性です。ここでは実現可能性という観点から、まず社内情報、特に生産情報のデータ化と蓄積からスタートする企業が多くなっています。情報収集の効率性も重要な要素であることから、すでにAR(Augmented Reality:拡張現実)グラスの活用なども始まっています。
C. SCMアナリティクスの実現
多くの機械メーカーなどでは、これまでも膨大なデータの蓄積を行ってきていますが、そのデータから何らかの示唆(インサイト)の抽出、あるいはマネタイズができておらず、宝の持ち腐れとなっているケースが多くあります。データサイエンティストがビジネスに有用なインサイトを導き出すための前提条件は、当該事業への深い理解だと言われますが、SCMアナリティクスではより深い実務理解が求められるだけに、そのための適切な機能や人材の配置が十分ではないのです。
D. 調達ゼロベース予算 (ZBB:Zero Based Budgeting)
欧米企業におけるコストコントロールは、日本とは状況がかなり異なります。クロスボーダーM&Aにより日本企業が欧米企業を傘下に収め、ガバナンスを行う際、コストの観点からみた効率性の追求とマネジメントを誤ると、コスト効果は大きく低減してしまいます。
E. SCMコントロールタワーの創造
A-Dの情報を統合し、日本のものづくりの強みである「個」の力を1つのベクトルに集約して、グローバルレベルの圧倒的な競争力を獲得するには、これまでにない新たな組織、機能が必要となります。サプライチェーン全体の統合化、整流化をコントロールするための新たなデザイン。それは既存の発想の延長線上からは生まれないものです。
このSCMインサイト・プログラムを通じて、アクセンチュアのエキスパートが提示する視点が、バリューチェーンの最適化に向けた新たな付加価値創造のヒントになれば、これ以上の喜びはありません。また、すでに新たな取り組みの実現性と実効性を追求するステージに差しかかっている企業の皆様は、いつでもアクセンチュアのSCMチームにお気軽にお問い合わせください。未来に適応するための進化を模索し続けるアクセンチュアでは、最新の知見の共有やお客様の課題に関するディスカッションを含めて、常に皆様の期待にお応えするための準備を整えています。