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銀行業界における、深刻なグローバルアナリティクス人材不足

高度なアナリティクスがいかにパワフルなツールとなり得るか、また人材不足がもたらす影響について説明しています。

銀行業界における、深刻なグローバルアナリティクス人材不足
大手銀行は、成熟市場において様々なプレッシャーを受ける一方、新興市場では大きな可能性を見出しています。新たなグローバル経済下で成功を掴むには、顧客行動に対する深い洞察、徹底したリスク管理、及び銀行業務モデルの改革に取り組む必要があります。

この実現には高度なアナリティクスが不可欠です。しかしながら、アクセンチュア・ハイパフォーマンス研究所の調査が示すように、的確な業務判断を行うために必要な統計解析や定量分析、情報モデル技術を駆使できる人材、つまり「アナリティクス人材」の深刻な需供ギャップが顕在化しています。

競争環境の変化
2008年の金融危機後、銀行業界の環境は一変しました。厳しい経済環境、グローバリゼーション、または技術革新に代表される様々な要因が企業に変革を強いていますが、同時に新たなビジネスチャンスをもたらしています。すなわち、顧客は商品やサービスに関する豊富な情報を瞬時に得ることが可能となり、安価で利便性も高いしかも自分にあったサービス求めています。一方、株主側は、真の構造改革を通じたコスト削減を銀行側に求め、また、より厳しくなる規制は銀行の財務報告とコンプライアンスに対してより厳格な要件を課しています。

こうした課題を抱えながらも、これらを逆手に取ることのできる銀行には、大きなチャンスがあるといえます。例えば、世界的な高齢化が進む中にあっては、自宅を担保にしたリバースモーゲージ(英国では「エクイティリリース」という)商品など高齢者のニーズをふまえた金融商品・サービスへの需要が高まるでしょう。また、情報・通信分野の技術革新は、オンラインバンキング、モビリティ、クラウドコン ピューティング、ATM技術、金銭のデジタル化、アナリティクスといった分野で金融機関が差別化を図るための新たな方法をもたらします。更に、新興市場経済の急成長は新たな購買層を生み、資産管理、リテールバンキング、住宅ローン、投資サービスへの需要を後押しするでしょう。

ビジネスモデル全体に高度なアナリティクスを組み込むことにより、銀行は課題に対応しながら、好機を捉えられるようになります。予測的アナリティクスから導き出された洞察を活用することで、より収益性の高い顧客と良好な関係を構築したり、より効率的にリスクを管理・軽減することが可能になると同時に、ビジネス戦略を変革することができます3。本リサーチが焦点を当てているのは、銀行の預金業務と貸出業務におけるアナリティクスです。これらの業務は、長きにわたりデータ分析に基づいて行われてきましたが、リアルタイムでの予測的アナリティクスの導入により、その状況は変化しつつあります。

銀行が精緻なアナリティクス・ケイパビリティを構築するためには、技術インフラ、プロセス、ガバナンス、人材、企業文化といった重要な分野への投資が必要となり、なおかつ全社規模でのケイパビリティの開発には、各部門に分散している膨大なデータを統合する必要があります。また、アナリティクスを組織全体の主要ビジネスプロセスに深く組み込むことも必要になってきます。そして何より重要なのは、未利用のデータから有用な情報を抽出し、成果に繋げられる優秀な人材の確保といえます。

金融機関が求めている人材とは、定量的スキルや専門的スキルといった希少な技能とビジネス手腕を兼ね備え、手元のデータを活用してモデリングを行い、洞察を導き出せる人材です。例えばソーシャルメディアのデータといった、無秩序に氾濫する膨大なデータに根気良く取り組み、その中から顧客との強力な関係を築く新しいチャンスや、リスクを軽減する機会を見出せるスキルと好奇心を持つ人材です。モバイル取引やジオローカライズなど、モバイル機器を通じて収集された顧客情報を有効活用できる技能と想像力を持つ人材も必要でしょう。また、顧客インテリジェンスやミクロ・セグメンテーション、予測的モデリングを駆使して、リスクを最小限に抑えつつ利益を最大化するのに最も効果的な商品群を特定する能力も求められます。

このレポートでは、銀行の主要事業である顧客取引において、洞察に基づいた意思決定を行うために高度なアナリティクスがいかにパワフルなツールとなり得るかをご紹介しています。しかしながら、アナリティクスの活用には課題もあります。本レポートでは、アナリティクス分野の人材不足がもたらす影響についても説明しています。