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コンサルタントが語る
基幹系情報システムの
クラウド化

SAP on Cloud

ERPを核としたデジタルビジネスの到来

アクセンチュア株式会社
アクセンチュア クラウド
シニア・マネジャー
岩永 仁

複数のレポートに基づくアクセンチュアの調査によると、2000年初頭に導入が進んだERP市場は、リーマンショック後には停滞が続いていましたが、2013年頃からERPの再構築に着手する企業が増え、今後数年間は増加の一途を辿ると予測されています。

Japan ERP Market Trend
Japan ERP Market Trend

なぜ今、ERPの再構築が行われているのでしょうか?

SAP on Cloud 2
SAP on Cloud 2

日本システム・ユーザー協会(Japan Users Association of Information Systems:JUAS)の調査を基に、アクセンチュアのクライアントの経営者層(CxO)の声を踏まえて、大企業におけるIT投資で解決したい中期的な経営課題の変化を分析した結果、大企業における経営層の期待はここ数年で「ITのコスト削減」や「営業力強化」から「業務プロセスの効率化」「リアルタイム経営」「グローバル化への対応」に移っているという傾向が明らかになりました。これらの経営課題はいずれもERP(基幹系システム)の刷新を契機としたビジネスプロセス改革(BPR)によって実現されると考えられており、さらに、昨今のデジタルビジネスの波も相まってERPの再構築が行われているものと推測されます。

アクセンチュアでも、M&Aを契機とした業務プロセスの効率化やグループ・グローバル横断での経営業績状況の把握、IoTなどのデジタルビジネスに向けたデータ分析基盤の整備、といった経営層の期待に起因するSAP ERPの再構築プロジェクトが数年前から急激に増えてきています。

SAP ERP(基幹系システム)をクラウド化するメリット

先の調査におけるもうひとつの特徴として、IT基盤のクラウド化が挙げられます。2007年は11%だったERPの再構築が、2015年は約70%と大きく伸びている背景には、インフラ領域におけるクラウド・サービスの成熟にあると考えられます。多くの企業において、ITそのものは重要な経営資源の一部であるものの、その運用業務自体はビジネスの源泉にならないノンコア領域であるため、運用コストを意識することなく、安定的にセキュリティなどの大規模な先端投資が行われるIaaSサービスは魅力的です。また、グローバルでのシステムの増強や停止が容易な点も、グローバル経営への迅速な追随を期待されているIT部門にとって大きな利点です。 “コンサルタントが語るクラウド・サービス~Modernization by Cloud~“ でも語られているように、アメリカでは情報系システムだけではなく基幹系システムのクラウド利用も増えており、基幹系システムは既に非クラウドの聖域ではなくなっている状況がうかがえます。 インフラのクラウド化が急激に進み始めている状況の中、基幹系システム再構築に合わせてクラウド化にチャレンジするメリットにはどのようなものがあるでしょうか。アクセンチュアが多くの構築実績を誇るSAP ERPを例にそのメリットをまとめました。


メリット①:プロジェクトにかかるリードタイム・コストの最適化

クラウド利用を前提とした再構築の場合、機器調達・キッティング・搬入・セットアップにかかる期間が劇的に短くなります。特に開発までに要する期間が短縮されることで、プロジェクト全体のスケジュールを短縮化できます。

加えて、伝統的なオンプレミス環境をベースとした再構築の場合には、プロトタイプ環境の手配やランドスケープ設計、発注前の緻密なサイジング設計などが必要となり、その分プロジェクトの期間も長くなりますが、クラウドを利用する場合には、スケールダウンによるパフォーマンステストやサイジングなども可能なため、サイジング設計のミスによる手戻りや再調達のリスクも抑えられます。システムの償却期間中も使われないリソースに投資し続けるという事態も避けられ、プロジェクトにかかるコストの最適化につながります。


メリット②:将来のIoTなどの分析基盤や外部システムとの連携性

SAPでは、SAP HANAを企業データの統合管理・分析基盤として位置づけて、社内に閉じた基幹業務データだけでなく、グループ会社や取引先のデータ、さらにIoTデータまでを基幹業務データと紐づけて、リアルタイムなデジタル経営をサポートする戦略を打ち出しています。例えば製造業で考えてみましょう。IoTデバイスから送られる膨大なデータがクラウド上のHadoop環境に蓄積され、そこでビッグデータ解析されます。解析結果を基に自社のSAP ERPで部材交換などの処理が行われた後、クラウド上の外部の取引先システムに発注やリソース手配などを行います。このフローの場合、クラウド(ビッグデータ)→オンプレミス(SAP ERP)→クラウド(外部システム)のデータの流れは非効率で、外部システムとのスムーズな連携を意識すると、SAP ERPもクラウド上に配置するほうが自然なフローになります。

現時点ではこれらの戦略はまだ試行段階ではありますが、既に、小松製作所やGE(General Electric Company)などの成功事例もあり、将来のデータの連携性を見越してシステムの配置を考えておくことは、二重投資の回避やタイムリーな対応がとりやすいといったメリットが大きいと考えられます。


メリット③:基幹システムから全社システムまでクラウド化の契機に

“コンサルタントが語るクラウド・サービス~Modernization by Cloud~“ でも語られている通り、日本では、クラウド化は簡単に使えそうな部分だけ着手している「虫食い」状態となっており、高いサービスレベルを求められる基幹系システムのクラウド化はほとんど進んでいないのが実状です。リスクを恐れず逆転の発想で、基幹系システムのクラウド運用の実績を作り、それをサービスカタログ化して自社のクラウド・スタンダードを確立することで、日本のクラウド化とデジタルビジネスは大きく前進するでしょう。

元来SAP ERPは小規模なシステム改修を頻繁に行うDevOps的な開発思考を有しており、これらの開発から運用までのプロセスを社内の他のシステムに応用・展開していくことは、IT部門が「経営の意思決定を支える」という役割にシフトするきっかけにもなるでしょう。

アクセンチュア株式会社
テクノロジーコンサルティング本部
SAPビジネスインテグレーショングループ統括
マネジング・ディレクター
増野雄一郎

アクセンチュア株式会社
テクノロジーコンサルティング本部
SAPビジネスインテグレーショングループ
シニア・マネジャー
村上 友陸

アクセンチュアが提供するSAP on Cloudの特徴

特長①:グローバル×戦略~実装までの包括的ケイパビリティの提供

アクセンチュアは、経営戦略・業務コンサルティングからシステム構築・運用までの一気通貫のケイパビリティをグローバルで保有しています。特に、SAP S4/HANAや外部システムとの連携などの先進的な事例は海外が先行していることが多いため、これらの成功事例や構築経験などの知見のもとに、将来を見据えたクラウド戦略の企画の立案・実装をサポートいたします。

特長①:グローバル×戦略~実装までの包括的ケイパビリティの提供
特長①:グローバル×戦略~実装までの包括的ケイパビリティの提供

特長②:クライアント目線での客観的な評価選定

アクセンチュアは特定のサービスや製品、技術に依存するビジネスモデルではなく、さまざまなクラウドプロバイダと連携・協業しています。お客様の業務や現状システムの特性からシステムのライフサイクル全体を見据え、中立的な立場で、お客様に合った製品や技術を評価・提案いたします。また日進月歩で進化を続けるクラウド・サービスを、常に高い技術とともにご紹介・提案していくために、クラウドプロバイダとの協業体制をより強化する取組みを行っています。


特長③:基幹系システム以外のシステムのハイブリットクラウド共通基盤への展開

基幹系システムで再構築した仕組みは企業全体のクラウド化に有効に活用していくべきです。

アクセンチュアでは、コンサルティング・ノウハウを活用して、企業全体のクラウド化を見据えたガバナンスモデル・プロセスの設計と、世界中で利用されているマルチクラウドとオンプレミスの環境を横断的に管理する基盤「Accenture Cloud Platform」を提供しており、お客様のIT環境の段階的なクラウド化を推進・サポートいたします。

特長③:基幹系システム以外のシステムのハイブリットクラウド共通基盤への展開
特長③:基幹系システム以外のシステムのハイブリットクラウド共通基盤への展開

基幹系システムの再構築や、刷新を契機としたクラウド化をお考えの場合は、ぜひアクセンチュアまでお問い合わせください。