
前項の2つのポイント(「外部リソースの活用」と「全体最適」)を実現するために提供しているサービスが、アクセンチュアの調達ビジネス・プロセス・サービス です。
アクセンチュアの調達サービスは「ソーシング&カテゴリ マネジメント(S&CM )」と「プロキュア・トゥ・ペイ(PtoP)」の2つのサービスで構成されており、アクセンチュアの専門家チームがソーシングからペイメントまで、エンドツーエンドでお客様の調達業務を根本から改善することを目的としています。
■戦略から実行まで、成果にコミットする「ソーシング&カテゴリマネジメント(S&CM)」
このサービスは「戦略」「実行」「統制管理」の3つの柱で構成されています。
① 戦略
アクセンチュアの調達専門家チームは、お客様企業の様々な支出を可視化し、状況の整理から取り組み ます。データ分析は「カテゴリ」と呼ばれる品目単位のほか、事業部単位でも行い全体を把握できるようにします。分析によって得られた情報からお客様の事業や支出の動向を踏まえ、マーケット情報と照らし合わせて、年単位の調達プログラムを策定します。
この取組みを経験されたお客様の多くから「アクセンチュアに依頼して、初めてデータを集約した」「調査してもらったことで、どれほど経費を使っていたかが初めてわかった」といったお声をいただいています。会社全体の支出を見える化し、年間を通じた戦略の策定を支援します。
② 実行
策定した戦略をアクセンチュアが責任を持って遂行します。アクセンチュアのサービスは、提言して終わりではなく、それぞれのカテゴリ専門家部隊(バイヤー)がお客様の現場に入り込み、コスト削減をコミットした上で、お客様がその成果を享受いただくまでをご一緒します。この取組みは、お客様に安心してサービスをご選定いただけるだけでなく、お客様の調達部門にアクセンチュアのノウハウを定着させることができるというメリットもあります。
③統制管理
最適な調達を維持するためには、サプライヤを適切に評価・管理する「サプライヤ管理」が欠かせません。調達契約の管理や、サプライヤの評価・関連リスクのチェックのほか、コンプライアンス管理を実施します。
調達戦略を立ててコスト削減の青写真を描くところまでは「戦略」の領域ですが、最も重要なことは、その後、契約通りに調達が行われているかどうかのモニタリングです。例えば、現場が勝手な購入を行っていないかどうかのトレースや、契約通りの納品活動が行われているかの監視等のモニタリングを、アクセンチュアが実施・報告し、導入時に期待した通りのキャッシュインパクトを出すことに注力します。
■調達プロセスの合理化とガバナンス強化を実現する「プロキュア・トゥ・ペイ(PtoP)」
調達ビジネス・プロセス・サービスを構成するもう1つの要素「プロキュア・トゥ・ペイ(PtoP)」は、調達プロセスを統一し、標準化やルール策定、システム化を実施するサービスです。これにより、調達に関するガバナンスを効かせ、大量に必要となる物品の調達コストの削減を実現します。
調達を合理化するには、契約通りに調達を遂行するためのオペレーションが必要です。一連の調達プロセスについて、アクセンチュアがオフショアを活用しながら管理し効率化するサービスがPtoPです。PtoPは次の2つの要素で構成されています。
① 標準化と統一されたルールの策定
各チームや事業部・事業所がバラバラに行っている購入プロセスを集約し、アクセンチュアで購入プロセスの実行を担当します。その際、ルールを策定し全社で標準化・統一化を図ることにより、調達におけるバラツキを低減し、調達プロセスのスタート地点を整えます。
② 生産性改善によるオペレーションコスト全体の削減
アクセンチュア オペレーションズは、毎年同じ運用を行うのではなく、様々な生産性改善をご提案します。近年ではRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入などにより調達や支払業務を自動化し、30~40%の効率化を実現することが主流となっています。
営業利益の改善に直結する「真水の効果」
お客様の事業規模にもよりますが、アクセンチュアの調達ビジネス・プロセス・サービスは、数億~数十億円の調達コストの削減が見込めるという特色を持つソリューションです。
企業の支出に占める間接材の割合は、一般的に20%程だといわれています。例えば売上1兆円の企業の場合、約2千億円が間接材の調達費となりますが、調達ビジネス・プロセス・サービスを導入した場合、累積で100億円以上を低減できるであろうと試算しています。調達費や人件費の削減によって生じるこの金額はそのままお客様の営業利益となります。
この真水の効果を含む調達プロセスにおける構造改革の取組みは、中期経営計画を支援するよう5〜7カ年のスコープで設計するのが一般的です。1カ年など短期で取り組むとリバウンドが発生しやすく、また大きな効果を定着させるためには、調達戦略を策定し、ルールやプロセスを整理する、また必要に応じてシステムを導入し、計画的にプロセスを展開していく、というように確実な効果を積み上げていく必要があるからです。
お客様の調達部門と“ワンチーム”で機能するアクセンチュアの専門家チーム
アクセンチュアの専門家チームは単独で動くのではなく、お客様側の調達部門の方々と連携し、“ワンチーム”で動きます。取組みの成果として得られた実績は、改革を通じて得た「お客様がアクセンチュアと共同で生み出した実績」となります。
社内における調達部門の立場は弱いともいわれます。アクセンチュアは、外部専門家部隊としてチームに加わることでお客様の調達部門の本来のパワーを高め、「利益を生む部門」「自社の利益に貢献する部署」へ進化するためにサポートいたします。
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