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企業価値の設計者としてのCFOの役割

アクセンチュアが2014年に実施した調査では、従来の責務を果たしつつも、ビジネスの成長に貢献し、さらに複雑な状況にも柔軟に対応する、これからの時代の「進化するCFOの役割」について考察しています。

概要

現在の財務部門のリーダーがどのような困難に直面しているのか、そしてデジタル・テクノロジーと新たな成長モデルにどのように対処しているのかについて解説します。

今日の最高財務責任者(CFO)に求められる役割は大きく変貌しています。企業価値の設計者として、従来の責務を果たすと同時に、ビジネスの成長に貢献し、そして経営を取り巻く複雑な状況の変化にも柔軟に対応する高度な役割が求められています。

2014年のアクセンチュア・ハイパフォーマンス財務調査では、「進化するCFOの役割」にと題して、従来の役割であるコスト管理のみならず、経営戦略に寄与することで新たな企業価値の創出に貢献する、これからの時代に求められるCFOの役割について深く掘り下げています。

背景

本調査は2004年に初めて実施して以来、それぞれの時代で求められるCFOの役割が進化し続けていることを示してきました。2014年は、600人以上の経営者を対象とした調査を実施。合わせて、30人以上のCFOおよびシニアレベルの財務部門の担当者にインタビューを行いました。

  • 回答者の75%は、過去2年の間に戦略的な意思決定におけるCFOの影響力が増大したと回答。

  • 回答者の70%は、ビジネス変革の推進において、CFOの影響力が増大していると回答。

加えて、本調査では以下のようなことが明らかになっています。

  • 今日、CFOが直面している最大の課題は、ますます複雑化するビジネス環境にある。しかし、これは同時にビジネスプロセスをより単純化、標準化、最適化するための変革を行うチャンスでもある。

  • デジタル・テクノロジーは、財務部門のパフォーマンスに多大なインパクトを与えている。CFOは、最新のデジタル・テクノロジーを活用することで、複雑性が増すビジネス状況をより効率的に管理し、よりよい意思決定を実現することができる。


本調査により、CFOが企業の企業価値の設計者としての責任を果たす上でカギとなる5つの“なすべきこと”が明らかになりました。

  1. 事業全体で戦略を一本化する。

  2. オペレーションモデルの変革を行う。

  3. 適切な評価指標を設定し、業績管理を行う。

  4. デジタル・テクノロジーに対する理解を積極的に深め、導入の旗振り役となる

  5. 継続して経理・財務機能の高度化に努める

主な知見

アクセンチュアが2014年に実施した調査により、以下に挙げる5つの重要な結果が明らかになりました。

  • 過去3年間において、企業の財務部門は長引く不安定な経済状況など、企業の業績に影響を与える外的要因へ対処することで、大きな進化を遂げている。調査を行ったすべての側面において、総じてCFOは、財務部門のパフォーマンスに対して、2011年時点よりも手応えを感じている。

  • 経営環境の複雑化は、今日の財務部門が直面している最も大きな課題であるが、同時にそれはチャンスでもある。企業は組織を一本化、シンプル化するために、プロセスの標準化、最適化を行うことで、企業を取り巻く複雑性に対処することが可能となる。

  • 今日、コスト管理はほとんどの企業において最優先の課題ではなくなってきている。一方で、CFOは成長のための投資拡大により注力しており、その中で企業が新たな企業価値を構築しながら、より幅広いビジネス変革を行う機会を見いだしている。

  • デジタル・テクノロジーは財務部門のパフォーマンスに大きなインパクトを与えている。このことは財務、テクノロジー、そして戦略の3つに密接に関わるというユニークなポジションを担うCFOが、デジタル化が引き起こす大きな変化を受け入れ、デジタル・テクノロジーを取り入れるよいきっかけとなっている。

  • ハイパフォーマンス企業のCFOの多くは、戦略的に重要な領域で彼らの影響力が増大したと感じており、財務部門のパフォーマンスに非常に満足している。また、テクノロジーに対する投資の評価にも深く関与している。

提言

CFOの役割が進化する中で、彼らが真の企業価値の設計者としての責任を果たす上でカギとなる5つの“すべきこと”が明らかになりました。

  • 戦略の一本化
    CFOのアジェンダ(検討課題)と目標は、ビジネス戦略やCEOのアジェンダ・目標と整合性がとれていなければならない。CFOはビジネス戦略の策定におけるキー・プレーヤーとなり、戦略目標の達成に向けて財務機能をリードすることが求められている。

  • オペレーションモデルの変革
    CFOは、激変するビジネス環境に合わせて事業や人・組織といった経済資源を伸縮できるように、オペレーションモデルを継続的に進化させる役割を求められている。グローバルモデルや統合シェアード・サービス・モデルへの移行は、コストの削減とより価値の高いサービスへの迅速な参入を可能にする。

  • パフォーマンスの管理
    CFOは常に先を見据えながら、ビジネスサイクルの初期段階から業績指標の追跡を行うことが求められている。財務部門はビジネスがもたらした成果を、企業が下した意思決定および市場等外部要因の変化の両方の視点から分析して、パフォーマンスの全体像を見極めなければならない。

  • デジタルの活用
    CFOはデジタル・テクノロジーを取り巻く情勢についてより深く理解し、デジタル・テクノロジーに精通していなければならない。プロセスの構成要素であるテクノロジーは、もはやビジネスそのものと切り離すことはできない。CFOは財務部門におけるデジタル・テクノロジーに関する検討について、すべての面で評価できる権限を持つ必要がある。

  • 財務機能の開発
    CEOをはじめとする経営陣との接点が多い財務部門の専門家には、高度なデータ分析を行い、デジタル・テクノロジーを効果的に活用するスキルがこれまで以上に求められている。また財務部門には、価格設定や貿易拡大など特定のビジネスプロセスにおける専門性を高めることも求められている。