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アクセンチュア・ハイパフォーマンスファイナンススタディ2014――銀行業界レポート


アクセンチュアが実施したグローバル規模の財務担当者を対象とした調査と、銀行業界のCFOに対するインタビューをもとに、銀行業界の6つの重要課題を洗い出します。

概要

ビジネス価値の設計者としての銀行業界CFO
[PDF, 150KB]

調査に回答した財務担当経営幹部が直面している課題の上位2項目はいずれも複雑性に関するものでした。

分析

調査結果1:複雑性が最大の課題となっています。
世界中の銀行が、スパイラル的に複雑性が増す状況に直面しています。銀行は、金融危機の余波、そして国内外で次々と導入・強化される規制に対処しなければなりません。資本規制が大幅に強化され、銀行は自らのビジネスモデルと戦略的な優先順位付けについて再検討を迫られています。同時に銀行は、極めて厳しい市場環境において、収益と市場シェアの拡大、および利益率の維持に対して株主からの大きな期待に応える必要があります。

調査結果2:銀行は、依然として縦割り構造の組織モデルやガバナンスに問題を抱えています。
多くの銀行は、リスク、財務、業務において縦割り型の組織モデルに問題を抱えています。回答者は、リスク、規制、コンプライアンスの各方面で新たに求められるさまざまな要件への対応に際してこの問題に直面しており、このテーマを人材の獲得に次ぐ重要課題として挙げました。各部門の情報連携が不十分な中、複雑な規制要求の管理が極めて困難となっています。同時に、こうした銀行は、一貫した方法で情報を抽出し、自らの意思決定に活用する方法に苦労しています。

調査結果3:データの統合は依然として不十分で一貫性に欠けており、これを改善しようとする強い意欲を多くの銀行が持っています。
規制の圧力により、銀行業界は、長年の課題となっていたいくつかのデータ不足の問題に対する取り組みを余儀なくされています。

調査結果4:銀行の財務担当経営幹部は、変化の激しい規制環境における財務・経理部門のパフォーマンスについて、人材不足が主な障壁となっていると指摘しています。
規制要件、そして多くの銀行が直面している大規模な変革により、銀行業界の人材に関する課題は大幅に増加しました。リスク、規制、コンプライアンスに長けた専門家の獲得競争は激化しています。多くの銀行は、従来のリスク管理組織において十分な能力を備えておらず、外部から採用するか、社内人材を育成する必要があります。

調査結果5:銀行は、長期にわたってコスト管理を最重要視していましたが、その焦点を、成長へとシフトし始めています。
業界の安定性が回復するのに伴い、銀行は再び投資、そして新たな市場機会の探求を開始しています。現状、銀行業界の回答者の10人のうち4人以上がコスト管理を全社的に重要視していると答えています。しかし、今後2年についてはこの割合はわずか13%に減少します。同時に、成長に向けての各種活動への投資を重要視する割合は、37%から51%に増加しています。

調査結果6:変革の基本的側面は、依然として銀行にとって手強い課題となっています。
規制面の圧力、そして投資家や顧客をはじめとするその他の利害関係者の要求は、銀行にビジネス変革への重圧を与えています。しかし、多くの組織はビジネス変革の基本的な面で依然として困難を感じており、特に、変革によるビジネス上の効果を測定することが難しいと指摘しています。

提言

銀行業界の財務・経理部門では、今後も複雑性が課題となり、プロセスの標準化や最適化等の管理手法の改善が必要です。これらの必須課題においては、CFOが縦割り構造の組織モデルとガバナンスに挑み、またデータの統合と一貫性の確保に取組む必要があります。リスク、規制、コンプライアンスに熟練した専門家の獲得に向けた競争は、今後も激しくなる一方です。人材の採用、維持、開発は最優先課題となります。

銀行は、投資を拡大し、新たな市場機会を探す姿勢を見せています。また、成長を促進するためのCFOの役割が拡大する見込みです。ビジネスにおける様々な利益を享受するための変革の取り組みにおいて、財務・経理部門が重要な指導的役割を担います。CFOは価値の設計者として活動し、収益を伴った成長に向けて、財務・経理部門だけでなく金融機関全体の能力を向上させる必要があります。