【月刊ガバナンス9月号 P94-95転載】
データから得る示唆や洞察
本連載ではこれまで様々なテクノロジーの行政における活用やその可能性について述べてきた。
機械学習や自然言語処理などの人工知能(AI)技術は比較的新しく公共機関でも試行しながら始まっている領域であるが、アナリティクスは諸外国をはじめとする先進的な機関では既に本格的に活用されて成果を挙げているなど、技術的にも確立されてきた領域と言える。
アナリティクスとはつまり、統計的な手法やツールを用いてビッグデータを分析し、傾向把握・行動予測等の様々な示唆や洞察を通じて業務の効率化・高度化や、サービスの向上に活かしていく取り組みのことだ。データ分析によって得られた示唆や洞察をアルゴリズムとして実装することで、これまでは人がデータを見て理解したり判断したりしていたことを、アルゴリズムがダイレクトに示唆するようになる。
しかも人が見きれない膨大なデータを一括処理することで、これまで明らかになっていなかったような未知の傾向・特徴を炙りだすことができるのも大きな強みだ。本稿では国内外の先進事例を紹介するとともに、アナリティクス活用に必要な要素について解説したい。