製造・流通本部
マネジャー
Thomas Telandro
日々新たな競合が現われ、ローカル・マーケットの縮小が進み、厳しさを増すグローバル市場においては、フォーチュン500企業でさえ未来は安泰とは言えません。実際、2000年から2015年にかけて、フォーチュン500企業の52%が姿を消しました。S&P 500企業の平均存続年数も短縮化する傾向にあり、2020年には12年になる見通しです※1。市場における生き残りをかけ、企業は迅速な進化を遂げながら、競争優位性を維持し、豊富な知識を備えた現代の顧客ニーズに応えていかなければなりません。しかし、これはR&Dのコストと複雑性がかつてないほど高まり※2、イノベーションに対する企業のモチベーションが低く、新たなデジタル・カスタマーの行動予測がますます難しくなっている現代において、たやすいことではありません。こうした多様な課題に対処するために、多くの企業がR&D活動をオフショアに移しています。そして、より先進的な企業ではこの代替策として、オープン・イノベーションの実現を目指すケースも見られるようになっています。
イノベーション研究の世界的権威であるヘンリー・チェスブロウは、まずオープン・イノベーションの概念を「企業は社内だけではなく、社外のアイデアと市場参入経路を活用することによって、自社のテクノロジーの進化を実現することが可能であり、そうするべきであるとするパラダイム」※3と定義しました。この概念をさらに掘り下げたのが、チェスブロウ、ウィム・ヴァンハーベク、ジョエル・ウェストです。彼らはオープン・イノベーションを「意図的に知識を流入・流出させることにより、社内のイノベーションを加速化し、同時に社外でのイノベーションの活用に向けて市場を拡張する活動」※4であるとしました。
Closed Innovation | Open Innovation |
Source: Open Innovation (Chesborough 2003) |
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