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ブリッジメイカー:オープン・イノベーションによる創造的破壊へ

他社のテクノロジーや知見などを取り込みイノベーションにつなげるオープン・イノベーションの重要性が高まっています

概要

デジタル化の波は、業界の枠を飛び越えた相互のイノベーションを生み出し、そこから生み出される製品やサービスは顧客の期待値を高めています。

「デジタルビジネス」へと進化した企業は、パートナー企業と共に、新市場の最前線に立とうとしています。多種多様なパートナーとの連携を模索し、革新的なソリューションを創出する、言い換えるなら、オープン・イノベーションに取り組んでいるのです。

オープン・イノベーションとは、他社のテクノロジーやソリューション、知識、リソースなどを自社に取り込み、活用することで革新的な製品やサービスを生み出す手法です。

多くの場合、企業はエコシステム内のさまざまなパートナーと、ときにはグローバルに連携して、新たなプラットフォームやアプリケーションを共同開発したり、コアとなる製品・サービスを拡張したり、あるいは新規市場への参入を試みたりします。

この手法では、企業は自社の枠組みから外へと目を向けることで新たなアイデアを、より迅速かつ頻繁に取り入れることができます。また、ビジネス領域を拡張しながらも時間とコストを節約できるのです。


オープン・イノベーションにより、巨額の自社研究開発費を投じるのではなく、ベンチャー・キャピタリストの投資を用い、より短い時間でテクノロジーやソリューションを自社に取り入れることを可能にします。



背景


他社と協働し、新しいビジネスを大規模に展開することを可能にする、事業規模や顧客基盤、リソースが備わっているため、オープン・イノベーションによって、大企業は「デジタルの創造的破壊者」としての地位を復権できます。



「オープン・イノベーション」という言葉は、2003年にカリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスの組織理論家、ヘンリー・チェスブロウによって考案され、広く提唱されてきました。この概念は長きにわたり実践され、いくつもの成功事例によってその有用性が実証されてきました。

では、なぜ「オープン・イノベーション」は、現代においてこれほどまでに重要性を増してきたのでしょうか?

アクセンチュアでは、下記などの複数の要因によって、オープン・イノベーションが注目されていると考えます。

  1. 技術発展:たとえば演算処理能力の向上やクラウド・インフラへのアクセス、オープンソース・コードやオープン・プラットフォーム、APIといった技術の発展は、新興企業が市場参入する際の障壁を取り払ってきました。
  2. スタートアップ:世界中で、ススタートアップは、イノベーションのアイデアをかつてないほどのスピードで発案し、市場展開することであらゆる業界でデジタル・イノベーションによる競争を生み出しています。例えば、2008年に設立されたエアビーアンドビー(Airbnb)は、2013年11月の時点で世界最大級のホテル予約会社へと成長を遂げつつあり、これまでの宿泊事業者は自身のビジネス・モデルの再考を迫られています。

主な知見

大企業にとってオープン・イノベーションは不可欠ですが、その実践は容易ではありません。しかし、オープン・イノベーションは創造的破壊者を創出し、大企業をさらなる成功へと導く可能性を秘めています。

このメリットを100%享受するためには、ブリッジメイカーとの協働が有用です。ブリッジメイカーは業界内の特性と、イノベーション・トレンドを理解し、業界外エコシステムへの橋渡しとして機能したりします。また、ブリッジメーカーは、確立されたイノベーション手法を用いて企業内のイノベーション・プロセスを先導し、ビジネス変革を可能にします。また、変革に準ずるソリューションの構築、検証、展開を促し、イノベーションを拡大させます。

図1 ブリッジメイカーはテクノロジー・エコシステムの重要な構成要素として、イノベーションの供給と需要をグローバルに結び付ける

このような加速度的なオープン・イノベーションのアプローチを、アクセンチュアでは「ガイド型の創造的破壊」と呼んでいます。

ブリッジメイカーはイノベーション・エコシステムにおいて、企業がオープン・イノベーションを、より簡単に取り込めるように支援する役割を担います。

企業は継続的に新たなイノベーションを生み出し、ビジネスを発展させなければなりません。ブリッジメイカーは企業のイノベーション需要と、大学や研究機関、スタートアップ、起業家といったイノベーションの供給元を結び付けます。

ブリッジメイカーは仲介者として、適切なパートナーとの連携を創発し、文化が異なる両者の緩衝材として機能するほか、提携リスクの軽減、実証実験、あるいはテクノロジーの試験導入や展開をも支援します。

提言

オープン・イノベーションの成功要因

オープン・イノベーションが成功する環境を構築するには、明確に定義されたビジネス・ゴールに沿って、未来へのビジョンとイノベーションを推進する文化、人的/資金的なリソースを含む強固な基盤を築かなければなりません。これらの基礎を確立することによって、オープン・イノベーションは3つの段階を経て展開することが可能となります。

図2 オープン・イノベーションの成功要因

基盤を固める
まず、企業はオープン・イノベーションを支援する文化を醸成し、投資によってバックアップしなければなりません。企業が大きくなればなるほど、新しいアイデアを柔軟に取り入れることが困難になるため、イノベーションを可能にする土壌整備が重要になります。

イノベーションの鍵を握るのは投資です。これには、知識や技術を社外パートナーと従業員が安心して共有できるよう支援すること、および正当なインセンティブや報酬の準備・提供も含まれます。多くの企業はオープン・イノベーション活動を支援・促進する組織構造と、社外パートナーとの協働を成功に導くプログラムやツールを構築しています。

このようなイノベーション基盤を確立することによって、企業はビジネス戦略に則し、パートナーと共に新しいアイデアを発見、開発、展開し、イノベーションを自社に組み込むことができるようになるでしょう。

ビジネス・ゴールの定義
市場を理解し、異業種でのイノベーションを自社に適用できるかどうかを検討します。ここでは、社外パートナーは異業種で起きているトレンドと、自社に及ぼし得る影響の特定を支援してくれるでしょう。こうして得た知見をもとに、ハイレベルなビジネス・ゴールを定義し、それを加速させるテクノロジー・イノベーションを見分けることができます。このゴールを部門単体で実現しようとするのではなく、全社に浸透させることが理想的ですが、それには時間と投資が必要です。しかし、一度ビジネス・ゴールを全社浸透できれば、各部門に権限委譲しながら、ゴールに向かって段階を分けて活動を継続的に進められるようになります。