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現代のテクノロジーを用いれば、従来の面倒なアフターサービス体験を解消し、ドライバーに不便さを感じさせない新たなサービスの提供が可能になります。しかし依然として、自動車業界はそうしたサービスではなく、自動車販売ビジネスに大きな投資を行っています。
アクセンチュアが実施した調査では、ドライバーはデジタル技術を活用したフリクションレスの目に見えないアフターサービスを、たとえ有料であっても積極的に利用したいと考えていることが明らかになりました。自動車メーカーやアフターサービスプロバイダーは、ドライバーの視点からアフターサービスを見直さなければ、これからの時代に取り残されかねません。
通知を受け取る
ドライバーが自動車を介して、あるいはアプリや電話などを通じて、自動車にメンテナンスが必要だという通知を受ける。
時間を選ぶ
ドライバーがスマートフォンで自動車の引き取り時間と引き取り場所を選ぶ。
リモートアンロックを利用する
自動車のキーは整備工場のスタッフに預けるか、整備工場がドライバーの許可を得てリモートアンロックを行う。
代車を借りる
ドライバーが都合の良い場所で代車を受け取る。
メンテナンス完了
メンテナンスが終わった自動車が、同様にフリクションレスで目に見えないやり方でドライバーに引き渡される。
ドライバーは、この目に見えないサービスを有料であっても利用したいと考えています。調査では、ドライバーの72%が月定額制のアフターサービスやメンテナンスを利用したいと回答しています。また、半数以上が整備工場に行く手間が省けるなら、アフターサービス1回につき約45ドルを支払うと答えました。
しかし、利用者の利便性を高める一方で、目に見えないサービスの提供にはデータのプライバシー保護という大きな障壁が立ちはだかります。それでもなお、調査では回答者の92%が整備工場に自動車のデータを提供しても構わないと答えています。また約半数(47%)は無償でデータを提供すると回答し、45%はサービス料金や燃料の割引を含むインセンティブと引き換えにデータ提供すると答えました。
消費者側の準備はすでに整っています。技術もすでに完成しています。自動車業界の各社は、こうした目に見えないサービスの提供を開始することで、ライバルに勝る真の競争優位性を身につけることができます。では、目に見えないサービスの提供に向けて、企業はどのようなステップを踏むべきでしょうか?