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デジタル変革を企業が躍進につなげるには?調査結果から読み解く勝者の条件

企業はどのようにデジタル変革を推進し、競争力を高めるための戦略的な投資を行っているのでしょうか。グローバル規模の調査結果から、先進的なデジタル変革者の考え方をご紹介します。

概要

デジタル化時代において、さまざまな業界で創造的破壊が起こることを見据え、積極的に自らの変革を推進する企業-すなわちデジタル時代の変革者は、デジタルが業務効率を向上させるための単なるツールではなく、より大きな可能性を秘めていることを認識しています。

アクセンチュアは日本を含む20カ国、12の業界を代表する1,041人の経営幹部を対象に行った調査の中で、グローバル経済の見通しについて尋ねました。また、デジタル変革によりそれぞれの業界にどのような変動が起こり、ビジネスを遂行する上でどのような影響を与えているか調べました。その結果、デジタル変革を自社の成長を加速させるドライバーととらえ、デジタル変革を推進することで市場競争に打ち勝つ努力をしている企業が少数ですが存在することがわかりました。

変革者は、デジタル・ビジネス戦略上、成長の加速を第一目標とすることの重要性を十分に理解しています。このことは多くの追随者たちが見落としている点です。変革者は、デジタルが業務の効率性を高めるための単なるツールに留まらず、収益を高める原動力となる可能性を秘めていることを認識しています。

世界中、あらゆる業界にデジタルの変革者は存在します。これら企業が推進する変革へ向けた取り組みがそのあとに続く他企業を牽引し、将来、先進事例として多くビジネス戦略に取り入れられることになるでしょう。

主な知見

本調査により、変革者とみなされる企業は、デジタルがどのような場面で最大限の価値をもたらすかをすでに特定できていることがわかりました。変革者はデジタル変革上重要と考えられる分野に、競合他社と比較してより多くの投資を振り向けると回答しています。調査結果から明らかになったことを以下にご紹介します。

  • 変革者のうち40%は、収益の拡大を目的としてデジタルへの投資を行っているのに対し、この割合は追随者においては23%にとどまっている。すなわち、追随者の多くは依然として業務効率化を目的としたデジタル投資を重要視している。

  • 変革者は以下のような分野において、デジタル・テクノロジーが成長に寄与すると見込んでいる。
    売上拡大:58%(追随者は31%)
    新たな販売チャネルの開拓:55%(追随者は30%)
    新商品・サービス開発:58%(追随者は34%)
    顧客体験:70%(追随者は53%)

  • 変革者は、デジタル・テクノロジーを全社的に取り込むことが企業価値の向上のために重要であると回答しており、その割合は追随者の2倍にも達する。これに伴い、変革者は非常に高いレベルでの有形/無形資産への投資を計画している。

  • 新興企業から始まったデジタル化による創造的破壊は、今や大企業がその主体となりつつあり、今後は中堅企業を巻き込むと考えられる。

  • デジタル変革に対する関心は、世界中で非常に高まっている。回答者の多くが大幅なデジタル・テクノロジー変革の推進を計画している。

分析

デジタル化によって顧客が企業に求めるものも変化し、市場がリセット(再定義)される中で、変革者にとって、リセットされた市場に対応した統合的なデジタル・ビジネス戦略の策定が急務となっています。さらに、デジタル・テクノロジーは業界全体における競争のあり方に大きな変化をもたらしています。

かつて、変革の契機は社内に存在し、企業の内側から始まった変革は主にリーン・シックスシグマ、ゼロベース予算、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)などのマネジメント手法を通じて推進されてきました。その後、成功が確証された時点で競合他社がそれを模倣するケースが多く見られました。

しかし、今日競争力を保つための最良の戦略は、顧客の視点-すなわち外側からの視点を常に養っておくことです。これが、従来の市場の枠を超えて成長機会を捉えることにつながります。

デジタル・チャネルとソーシャルは、意思決定と実行のポイントを明確に示してくれます。結果、企業は出遅れることなく、従来型の市場サイクルから抜け出し、変化し続ける顧客のニーズとフィードバックに迅速に対処することができるのです。

提言

アクセンチュアは、ビジネス戦略の柱の一つとして、デジタル変革に取り組むことを提唱しています。しかし、そもそも何をすべきか明確ではないことから、変革の過程で頓挫してしまうケースも少なくありません。

デジタル戦略に関わる経営者の皆様に向き合っていただきたい“問いかけ”を下記に提示します。デジタル化に対する自社の考え方が、先進的な変革者の考え方とどれくらい一致しているのかご確認ください。

競合:

  1. 競合他社はデジタル変革をどのように捉えているか。
  2. デジタル化が自社のビジネスにもたらす脅威にはどのようなものがあるのか。競合相手がその脅威を自社に対してどのように利用することができるのか。
  3. 競合に勝つためにデジタル・ケイパビリティはどう役立つのか。
  4. どの新規参入者が、自社の顧客を奪取するためにデジタルを活用し、成功しているのか。また、どのように活用・成功しているのか。
  5. デジタル・テクノロジーを利用してどのような新製品や新サービスを生み出すべきか。

組織:

  1. 新たに出てくるビジネスモデルやトレンド、デジタル・テクノロジーのうちどれに着目し、どれを試すべきか。
  2. どのような事業形態がデジタル投資を促進するのか。
  3. 成功に向けて、どのように組織をつくり、リソースを分配し、役割・責任を割り当てるのか。
  4. 今日のデジタル化時代において、どのプレーヤーと協働すべきか。

顧客:

  1. 新たな成長機会としてデジタル戦略に注力するのか、それともデジタルを単なるマーケティングや効率化の一手段として扱うのか。
  2. どのように新たな市場を見極め、業界内における価値の変化を把握するのか。

リーダーシップ:

  1. どの上級幹部がデジタル改革に関する責任を持つのか。どの程度、責任を分配すべきか。
  2. 役員、顧客、サプライヤー、社員、パートナーといったステークホルダーに、どのようにしてデジタル戦略に関する理解を深めてもらうのか。
  3. デジタル化時代において、どのような組織編制、評価、採用、報酬の裁定をするべきか。