デジタル化や消費者ニーズの多様化に伴い、製品や市場が立ち上がってから陳腐化するまでのサイクルが加速しています。例えばカメラ市場では、銀塩カメラが登場してから市場が陳腐化するまでのサイクルが約30年だったのに対し、デジタルカメラはそのサイクルが約15年になっています。
また、グローバルに市場が拡大したことで対象となる国や地域の数が増加し、それぞれの市場の伸縮に対応することが必要になっています。例えば1990年の自動車販売台数は、米国、日本、ドイツ、フランス、イタリア、英国の6カ国で全体の75%を占めていました。しかし2014年には、6カ国の占める割合は37%に減少し、75%を占めるためには、さらに中国、ブラジル、インド、ロシア、カナダの5カ国をカバーすることが必要になっています。限られた情報を把握しておけばよかった従来とは打って変わり、現在はあらゆる国や地域の状況を把握しておかなければグローバル経営が困難な状況になっています。
このような事業環境の変化に伴い、CFO(最高財務責任者)や財務・経理部門に求められる役割も大きく変化しています。これまでのCFOや財務・経理部門の主な役割は、会社の財務状況を財務諸表にまとめることでしたが、新たな役割として次の2つが求められています。
-
儲かる事業や製品を見分ける
-
個別市場の伸縮をつかみ事業の業績を見通す
上記のために必要なもの。それは、エンド・ツー・エンドの業務プロセス改革による効率化やガバナンスの強化と、蓄積されたデータを活用することで付加価値の高いビジネスサービスを提供する基盤です。
Comment submitted
Submitted comment may not display automatically.