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2013年アクセンチュアCIOモビリティ調査:日本企業のモビリティ活用を妨げる障壁とは?

アクセンチュアが世界各国の企業のIT部門責任者を対象に実施した「2013年アクセンチュアCIOモビリティ調査」で、日本企業のモビリティに対する取り組みが遅れていることが明らかになりました。日本の企業は、今こそモビリティが備える潜在的な能力を生かせるようにするべきです。

概要

ここ5年ほどの間に、携帯型機器は目覚ましい進化を遂げました。スマートフォンやタブレット端末、ノートPCの進化は、ブロードバンド対応のモバイル・データ通信やWi-Fi、4G/LTEといった最先端の通信サービスと相まって、IT環境に大きな変化をもたらしています。

それだけはありません。最先端の携帯型機器は、いまや企業がビジネスを推進する方法を変革する手段という位置づけです。アクセンチュアでは、無線通信機能を備え、随時ネットワークに接続して情報をワイヤレスで送受信することが可能な携帯型端末と、そのビジネスへの活用を「モビリティ」と呼んでいます。

こうした状況を背景とし、企業は真のデジタル化に向けた改革を進めています。また、エンタープライズ・モビリティの導入が今後数年のうちに、世界的に大きなトレンドになると予測されています。しかし、単に携帯型機器を使用しているだけでは、本当の意味でモビリティを活用できているとはいえません。モビリティの潜在的な能力は、企業の競争力強化を促進するイノベーションのけん引役になり得るほど強力なものだからです。

重要なのは、モビリティがもたらす価値を過小評価しないことです。世界中の企業のCIOを対象とした「2013年アクセンチュアCIOモビリティ調査(The Accenture CIO Mobility Survey 2013)」では、全回答者の73%が、「モビリティは、インターネットと同等もしくはそれ以上の大きな影響を自社のビジネスに与える」と回答しました。日本企業に限定すると、そのように回答したCIOの割合はさらに高く、84%に達しています。

モビリティを活用することにより、企業はバリュー・チェーンの全体にわたって貴重な情報を収集できるようになります。そのデータにアナリティクスを適用すれば、顧客との結びつきや、意思決定のスピードと質を高めて、より高度なビジネス・モデルを構築することが可能になります。

(日本のアクセンチュアでモビリティ・ソリューションを手掛ける専門家グループが今回の調査結果を独自に分析した、こちらの日本語レポート もぜひご覧ください。

背景

アクセンチュアは、2012年12月から2013年1月にかけて、世界各国の企業のIT部門責任者(CIO、もしくはCTO、テクノロジー/IT部門ディレクター、チーフ・モビリティ・オフィサー)を対象に独自のオンライン調査を実施しました。

世界14カ国(日本、オーストラリア、ブラジル、中国、フィンランド、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、ニュージーランド、スペイン、英国、米国)の合計413社から回答を得ており、そのうち日本企業は30社です。

また、413社の売り上げ規模の内訳は、年間売上高が10億~50億米ドルが53%、同5億~10億米ドルが41%、同2.5億~5億米ドルが6%でした。

(日本のアクセンチュアでモビリティ・ソリューションを手掛ける専門家グループが今回の調査結果を独自に分析した、こちらの日本語レポート もぜひご覧ください。)

分析

この調査からは、日本の企業がモビリティに関する取り組みにおいて世界に遅れをとっていることが明らかになりました。

また、日本の企業は、モビリティがもたらすメリットについて十分に理解していない可能性があること、モビリティに対応するソリューションの導入を推進できる適切な人材に欠けること、2013年にはモビリティ関連のプロジェクトに対するIT投資は限定的であることも分かりました。

日本の企業は、今こそモビリティが備える潜在的な能力を生かせるようにするべきです。スマートフォンで使用できるアプリケーションを開発したり、社員がオフィスに戻ることなく現場で利用できるツールを導入したり、顧客に対する理解を深めるために高度なアナリティクスを活用したりといったことを推し進めるのです。

モビリティを単なるコミュニケーション・ツールとして使用するだけではなく、ビジネス・プロセスを改善し、生産性を高めて、グローバルなビジネス・モデルを新たに構築するために活用しなければなりません。

(日本のアクセンチュアでモビリティ・ソリューションを手掛ける専門家グループが今回の調査結果を独自に分析した、こちらの日本語レポート もぜひご覧ください。)

主要な知見

アクセンチュアの今回の調査によれば、日本企業のCIOは「モビリティは自社のビジネスを変革し得る」と考えています。ただし、日本企業は、そうした可能性を現実のものにするまでにどのように取り組めばよいのか、再評価する必要があるようです。

今回の調査では、日本企業のCIOのうち90%が「モビリティによって、顧客とこれまでにない深い関係性を築くことができる」としています。また、84%は「モビリティは、インターネットと同等もしくはそれ以上の大きな影響を自社のビジネスに与える」とし、73%が「モビリティは、自社にこれまで存在しなかった新たな収益源をもたらす」と考えていることが明らかになりました。

このような可能性があることから、CIOは、モビリティに関する取り組みに高い優先度を設定したいと考えています。例えば、「今後12カ月間の取り組み事項の中で、モビリティはトップ5の重要なテーマである」と考える日本のCIOは84%に上りました。これは、今回の調査に参加した14カ国の中で、中国(90%)、英国(90%)、ブラジル(87%)、インド(84%)に次いで5番目に高い割合です。

日本企業のCIOがモビリティについて設定している目標と実際に企業が行っている活動の間には、ギャップがあることも明らかになっています。CIOは、エンタープライズ・モビリティの導入に関して自社が遅れをとっていることを認めています。

またこの調査では、日本企業のIT部門責任者のうち33%が「モビリティがもたらすビジネス価値について、経営陣から理解が得られていない」と回答しています。これは、世界平均の24%を上回る高い割合です。

(日本のアクセンチュアでモビリティ・ソリューションを手掛ける専門家グループが今回の調査結果を独自に分析した、こちらの日本語レポート もぜひご覧ください。)


提言

モビリティの潜在能力を生かすために、日本企業はモビリティの活用に向けて変革を進めるべきだとアクセンチュアは考えています。目指すべきは、業務の改善の促進(ステージ2)と、グローバルな新しいビジネス・モデルの構築(ステージ3)です。それにより、顧客についてより深く理解し、サービスをリモートで効率的に提供して、事業とコストの構造を改革できるようになります。

では、どのようにすれば、日本企業はモビリティに関する取り組みを強化できるのでしょうか。

そのためには、IT部門による中央管理型のアプローチからの脱却を進めなければなりません。モビリティに関する戦略を効果的に推進するには、企業の幹部とIT部門が連携し、経営上の目標とモビリティに関する目標を整合させる必要があります。モビリティの活用とは、単に「帯型端末を購入して使用する」ことではありません。経営上の目標に大きく関与する要素としてモビリティをとらえ、その目標を達成するために利用されなければならないのです。

(日本のアクセンチュアでモビリティ・ソリューションを手掛ける専門家グループが今回の調査結果を独自に分析した、こちらの日本語レポート もぜひご覧ください。)