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DIGITAL変革をショートカット・スケールアップするパートナーシップの構築

月刊「化学経済」2016年11月号:日系素材・化学企業における「Digital Transformation」連載8最終回

素材・エネルギー本部
マネジメントコンサルティンググループ
マネジメントコンサルティング統括マネジング・ディレクター 竹井 理文
マネジャー 小松原 智
コンサルタント 太幡 竜


昨年末のダウ・デュポンの巨大合併を皮切りに、ケムチャイナのシンジェンタ買収、バイエルのモンサント買収など、グローバル規模での化学業界再編が大きく報じられ、規模追求による収益改善を目指す傾向が益々強まっている。その陰で、昨年はBASFがPoietis(バイオプリンティング技術を持つベンチャー)と研究開発契約を締結、EvonikがWiivv Wearables(3Dプリンタで靴底を製造)を買収するなど、新たな成長因子を求めるグローバル各社は、既存事業と親和性の高いDigital技術を取り込み始めている。また、今年に入ってからは、「IoT」「AI(人工知能)」活用の波が素材・化学業界にも本格的に波及し、国内外各社がDigital企業(ソフトウェア・インフラ業者、システムインテグレータなど)と手を組み、当該技術を活用する具体的なソリューションを連日リリースしている。

一方、技術が日々加速度的に進化する環境の中で、Digital企業は自社の地位を確立すべく、より良いサービスや製品を次々とリリースしている。当然のごとく、素材・化学企業を含むDigital技術に専門性のない顧客企業にとっては、「どのタイミングで」「どのプレイヤーから」「どのようなサービス・製品を」採用すれば良いか分からない、という悩みが生じている。加えて、多数の事業からなる素材・化学企業では、こうした先進Digital技術やベンダーの評価・選定は事業個別に行われることが多いため、知識・ノウハウの構築が非効率となる、調達のコストメリットを享受できない、などの課題を抱えている。さらに大きな視点では、製造業におけるDigital変革の真骨頂は、「企業の垣根を越えた」オペレーションの超効率化や業界全体の収益性底上げを達成することにあるはずだが、素材・化学業界ではこうした事例が未だ少なく、大きな成果を生むには至っていない。また、冒頭でも取り上げたようなDigitalベンチャーの発掘競争においても、日系素材・化学企業が世界中で次々生まれるベンチャー企業に対して、競合よりも早く・効率的にリーチする準備ができているとは言えない状況にあるのではなかろうか。

これまでの連載各回では、素材・化学企業のDigital変革をテーマ毎に考察してきた。最終回となる本稿では、上述した課題に対して、Digital企業のみならず、考え得る限りのプレイヤー(各国政府当局、競合・顧客・サプライヤー、スタートアップベンチャー、ベンチャーファンド等々)とのエコシステム(提携・協力関係)構築から、将来の競争力強化に向けたDigitalベンチャー投資までを広く「Digital Alliance」と定義し、Digital変革の効果を最大化し、より確実に・短期間で成功に導く具体策として論じたい。


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