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マルチスピードIT を武器に複合競争時代を勝ち抜く

CIOに求められるのは、個々の事業が必要とする進化の度合いに応じて適切なタイミングで適切な速度で対応できる「マルチスピード型組織」へと転換させることです。

概要

今日、デジタル時代の到来により、すべての産業において競争環境の変化が加速しています。このような状況において、企業活動におけるテクノロジーの役割も、これまでの「経営の下支えという役割」に加え、「新たな事業競争力そのものを創り出す役割」へと広がりを見せています。

このような複合競争の時代において、CIOは自身が指揮するIT部門を従来の「モノスピード型」から「マルチスピード型」へと転換しなければなりません。


モノスピード型IT組織

ほぼ全ての取り組みに対して同一の方法論やアーキテクチャ、ガバナンスのアプローチで対応する従来の組織形態。デジタル時代の複合競争を勝ち抜くためには、「マルチスピード型組織」への転換が求められます。


二段変速IT組織

一部の企業がモノスピードIT の次のステップとして目指す姿に「二段変速IT(Two speed IT)」があります。これは、レガシービジネスのペースを維持する巧遅型IT と、デジタルビジネスの推進を支える拙速型IT を別々に持つ姿です。しかし、二段変速IT では十分ではありません。実は、二段変速IT は、マルチスピードIT への転換ができない企業が妥協策として目指す姿なのです。


マルチスピード型IT組織

「マルチスピード型IT」とは、不確実性の高さ・成熟度が異なる個々の事業が必要とする進化の速度に応じて適切なタイミングで適切な速度にギアチェンジして対応できる組織です。自己の役割を企業におけるビジネスモデル変革のリーダーへと引き上げたいCIOにとっては、「マルチスピード型IT」の実現は最優先で取り組むべきアジェンダです。

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主な調査結果

アクセンチュアが2015年に世界中の約900名の経営幹部を対象として行った調査によると、必要性について幅広く合意がある一方で、その能力に対しては意見が大きく異なる結果となりました。

必要性に対する合意
88%の経営者がIT部門は守備範囲を広げ、多様化する企業のニーズに後れを取らないようにする必要があると考えています。

能力に対する乖離
71%の経営者が自社のIT部門については、この事業が必要する進化の速度に応じて適切なタイミングで速度変換できる、すなわちマルチスピードで動く能力をすでに持つ組織であると(CIOからの報告をもとに)認識しています。

一方で、業界一般的な状況については、81%の経営者が大多数の企業のIT部門は、マルチスピードで動く能力を未だ持ち合わせていないとの見識を持っています。

マルチスピードIT を武器に複合競争時代を勝ち抜く
マルチスピードIT の実現により、CIO は企業が 複合競争時代を勝ち抜くために欠かせない存在 になることができるのです。

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提言

マルチスピードIT 実現のための4 つのポイント

今日の経営者は間違いなくCIO にこれまで以上に多くを求め、新たなチャレンジを課しています。こうした要求と責任の拡大は、CIO に大きなチャンスをもたらします。以下の4 つのマルチスピードIT 実現のためのポイントを習得することにより、CIOは企業の将来成長の加速に向けて不可欠な存在になることができるでしょう。

  1. 個々の事業が必要とする進化の速度を理解する
    レガシーとデジタルそれぞれの事業が必要とする進化の速度に適合したIT 活用を実現するためには、IT オペレーティング・モデルの根本的な再考が必要になります。

  1. マルチスピードな動きを促すIT ガバナンスのアプローチを確立する
    マルチスピードな動きを促すためには、新しいIT ガバナンスのアプローチが 必要になります。例えば、デジタルビジネスを支えるためには速度の適切性やアーキテクチャの柔軟性に重きを置いたパフォーマンス管理のアプローチが必要になる一方で、レガシービジネスを支えるためには従来からの品質・コスト・納期・生産性に重きを置いたアプローチが必要になります。また、個々の事業に適切なIT ガバナンスのアプローチを適用するために、一元化されたデマンド管理の仕組みが必要になります。

  1. エンタープライズ・アーキテクチャの設計思想を再定義する
    エンタープライズ・アーキテクチャの層分離のルールと各層のモジュール化設計指針を、個々の事業に求められる進化の速度を考慮したうえで再定義する必要があります。例えば、進化の速いデジタルビジネスを支えるためには、市場競争力の高い自社業務機能をAPI として外部に公開し、新たなデジタルチャネルや外部エコシステムとの容易な接続を可能にすべきです。加えてレガシーシステムを簡素化し、実行面での俊敏性と効率性を高める必要があります。

  1. IT 組織のスキルポートフォリオを刷新する
    将来想定される自社の事業ポジショニングやビジネスモデルの変化のシナリオを把握し、各シナリオにて求められるスキル要件を先行的に見極める必要があります。一方でIterfall やアジャイル、DevOps、API 型開発、継続的デリバリーに代表される主要な開発手法については、IT 組織の必須スキル要件として早急に人材の確保・育成を行うべきです。


著者

Nicholas Bayley

Nicholas Bayley
Managing Director – Accenture Strategy
IT Strategy

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John Shacklady

John Shacklady
Managing Director – Accenture Strategy
Technology Strategy

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