今日、デジタル時代の到来により、すべての産業において競争環境の変化が加速しています。このような状況において、企業活動におけるテクノロジーの役割も、これまでの「経営の下支えという役割」に加え、「新たな事業競争力そのものを創り出す役割」へと広がりを見せています。
このような複合競争の時代において、CIOは自身が指揮するIT部門を従来の「モノスピード型」から「マルチスピード型」へと転換しなければなりません。
モノスピード型IT組織
ほぼ全ての取り組みに対して同一の方法論やアーキテクチャ、ガバナンスのアプローチで対応する従来の組織形態。デジタル時代の複合競争を勝ち抜くためには、「マルチスピード型組織」への転換が求められます。
二段変速IT組織
一部の企業がモノスピードIT の次のステップとして目指す姿に「二段変速IT(Two speed IT)」があります。これは、レガシービジネスのペースを維持する巧遅型IT と、デジタルビジネスの推進を支える拙速型IT を別々に持つ姿です。しかし、二段変速IT では十分ではありません。実は、二段変速IT は、マルチスピードIT への転換ができない企業が妥協策として目指す姿なのです。
マルチスピード型IT組織
「マルチスピード型IT」とは、不確実性の高さ・成熟度が異なる個々の事業が必要とする進化の速度に応じて適切なタイミングで適切な速度にギアチェンジして対応できる組織です。自己の役割を企業におけるビジネスモデル変革のリーダーへと引き上げたいCIOにとっては、「マルチスピード型IT」の実現は最優先で取り組むべきアジェンダです。
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