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映像配信ビジネスのグローバルトレンドと経営課題

過当競争の様相を見せている映像配信ビジネス業界で生き残るために必要なイノベーションとは?

映像配信業界のお客様の課題とニーズ

2016年11月18日、千葉・幕張メッセで開催された「Inter BEE(国際放送機器展)」にアクセンチュアは初出展し、通信・メディア・ハイテク本部の安本岳史が講演に登壇。アクセンチュアが15年以上にわたって映像配信関連のビジネスを手掛けてきたことによる知見や最新のグローバルのトレンド、日本のお客様を取りまく現状と課題について解説しました。

今日、デジタルビデオ領域のサービスを手掛けるお客様企業は、下記のような課題とニーズを抱えています。

  • すばやく収益化が可能な、新サービスの迅速な立ち上げ

  • ユーザー拡大のためのマーケティングの強化

  • 配信プラットフォームのリニューアル、機能強化や品質向上

  • クラウドサービスへの移行

  • コスト削減

  • 新デバイス開発やリードタイムの短縮、STB事業者の場合はテスト工程の簡略化

  • カスタマーケアやコンテンツ権利処理などのオペレーションの効率化

このような課題に対し、アクセンチュアは「ローカルチーム」と「グローバルアセット」の両面でお応えするサービスを展開しており、日本はもとより、北米、ヨーロッパ、インドなどの主要市場でお客様をご支援しています。

  • ローカルチーム

    マーケット調査やデジタル領域サービスの構築、ユーザーエクスペリエンスのデザイン、アプリ開発などを手掛けるほか、配信基盤やプラットフォームの構築運用においては、BPOやカスタマーサポート、アナリティクス、テスト運用にも対応しています。

  • グローバルアセット

    海外での先駆的な実績を知見として集約し「Accenture Video Solution(AVS:映像配信ソリューション)」や「Accenture Video Analytics(AVA:分析ソリューション)」として提供しています。STB事業者様からはデバイスのテスト工程を効率化するStorm Testを高くご評価いただいています。

ワールドワイドで利用されているAVSは、ユニークユーザーが約6000万人、配信VOD数は20万以上にのぼります。世界5カ所のセンターに勤める5000人以上のデジタルビデオエンジニアがこのインフラを支えており、開発、保守運用、R&Dによる機能追加などを日々行っています。

SNSに拡大する動画マーケットとコストの増大

2015年、facebookでの1日あたりの動画再生数は80億回を超え、再生時間は約5億時間/日にのぼります。これには自動再生の影響が大きいとも言われますが、Twitter、Instagram、Tencentなど他のSNSでも同様の増加傾向であり、SNS事業各社が動画に力を入れてきていることが分かります。

SNS事業者は映像コンテンツホルダーとの連携も強化しており、よりリッチなサービスへと進化させる一方、可能な限り自社サービス内に“閉じた”環境を構築しようとしています。

こうした映像コンテンツへの需要の高まりはコンテンツのセリングパワーの上昇につながり、制作側には事業拡大のチャンスといえます。しかし配信事業者にとっては制作コストや調達コストの増大と収益圧迫のリスクとなり、経営にインパクトを与えています。

このように、プレイヤーの増加によるパイの奪い合いやコスト上昇は今後深刻化する恐れがあるものの、業界全体の先行きは明るいと判断できます。なぜならば、ターゲットである40歳代以下はメディア接触頻度が大きく、80%のユーザーがモバイルデバイスなどでデジタルコンテンツを日常的に消費しています。ミレニアル世代以下のメディア接触動向はそれより上の世代のパターンとは異質であり、映像コンテンツの作り方・配信の仕方を最適化する必要があります。

日本と海外で異なる消費者ニーズ

アクセンチュアが実施したグローバル規模での消費者動向調査(対象28,000人/オンライン実施)によって、日本の市場や消費者は他の国にはない独特の傾向や特異性を持っていることが浮き彫りになりました。

「オンラインコンテンツを見られるとしたら、どのプロバイダーを選ぶか」という設問に対し、日本の消費者は放送局やCATVを信頼している一方、どのようなオンラインコンテンツプロバイダーがあるのかはあまり知らないという傾向もあり、認知度とサービスへの理解度の低さがうかがえます。

しかし「コネクテッドTVの普及率」の点ではアメリカ39%、イギリス41%と比べて日本は46%という結果であり、先進国の中でも高い側にはいります。ハードは普及していることから、サービス拡大の下地は十分にできているものと判断できるのです。

オンラインコンテンツを楽しめる環境やインフラは整っているのに、利用されていないのはなぜでしょうか。そもそも「オンラインコンテンツを見ていない」という回答者が20~30%と高く、利用率は低い傾向にあります。サービスに付加価値をつけることで認知と普及が拡大する余地はまだまだあるといえます。

モバイルでの視聴についても、「どこでも見られる(ので利用する)」という世界共通の認識がある一方、日本では「無料で見られるから」が利用の理由として他国の2倍近くあり突出しています。単身者世帯や一家で複数のテレビを所有しているケースの多い日本は「テレビを他の家族が使っているので、自分はモバイルで視聴する」という理由が少ないことがわかります。

前述のとおり、日本はテレビ局が良質な番組を無料で提供しているため、「コンテンツ利用は無料」が浸透している地域です。ではマネタイズはいかにしておこなうべきか。参考になるのがソーシャルゲームの分野です。アジア圏のゲームへの「課金」率はアメリカの2倍、イギリスの3倍、ドイツの40倍にもなり、これらは個人消費です。特に日本ではユーザーに最初は無料で提供し、後にサービスを有料化して収益化する土壌があります。

映像配信ビジネス拡大のための7つの着眼点

競争が激化する映像配信ビジネス市場で勝ち残り、事業拡大を続けるための着眼点として、次の7つのポイントが挙げられます。

  1. カスタマーエクスペリエンス

  2. サービスに利便性があることも重要な価値のひとつです。ユーザー体験を最大化するには豊富な品ぞろえで勝負したり、ニッチな内容で戦ったりといった手法があります。どのような価値に対して、ユーザーに料金を払ってもらうのか。サービスの設計が重要となります。

  3. コンテンツ

  4. デバイスやネットワークといった物理的な制限もありますが、ユーザーがこれまで見たことも体験したこともない新しいコンテンツであることが重要です。映像のみで構成された料理番組のような「非言語コンテンツ」も検討するに値するでしょう。

  5. アクセス

  6. モバイルや高速回線など、コンテンツへのアクセスしやすさが大切なポイントです。コンテンツへの誘導という点ではSNSとの連携がトレンドであり、導線として期待できます。たとえばSNSで限定コンテンツを使用し、より情報がリッチなページへと誘導する手法が挙げられます。

  7. レベニューモデル

  8. ユーザーの知的好奇心、興味関心をいかにくすぐって有料サービスへ移行させるかという収益モデルの設計が重要です。その際、リテンションをどのように高めるかがポイントとなります。

  9. 1対1オーディエンス・リレーションシップ

  10. 従来型のマスメディアと異なり、オンラインコンテンツは様々なユーザー情報を取得することができます。データは宝の山であり、分析を通じてビジネスの次の一手の検討や正確な意思決定につなげるといったことが可能になります。

  11. 運営モデル

  12. オンラインコンテンツの運用は旧来のメディアとはタイプが異なります。業務を実行するスタッフのケイパビリティもデジタルに知見があることが前提となり、チームの人材編成をどのようなKPIで考えるのかなど、リモデルする必要があります。

  13. アーキテクチャとデリバリー

    配信プラットフォームの構築方法や保守運用方法などを指しますが、近年ではクラウド移行がテーマとなることが多くあります。日本の事業主はシステムを内製することが多いものの、考え方を切り替え、デジタル時代に即した配信方法を模索しなければいけません。

特に無料サービスではいかにして有料へと切り替えるかの点で「運営力」が問われます。日本の配信ビジネスのプレイヤーは事業強化のために企業間のアライアンスを検討すべきですし、積極的な投資も必要です。テレビはまだまだコミュニケーションの窓として魅力的なチャネルですが、ネット配信はさらなる付加価値を付けることが可能です。

1999年から15年以上にわたって映像配信技術を開発・提供してきたアクセンチュアでは最新のビデオソリューションであるAVS 6.0と、どんな配信プラットフォームをお使いでもダッシュボードでサービス状況やユーザー動向を分析可能なソリューションのAVAでお客様企業のニーズにお応えします。

お問い合わせは、下記リンク先のフォームよりご連絡ください。




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